6,水気☆(挿絵あり)
ウバ クロネ様からいただいた絵を挿絵としてページ最後に入れております。
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竜はさっそく、鍾乳洞や滝を見に行きました。どこに行っても、色とりどりの魚が水の中にあふれているし、空はおそろしいほど青いし、日の光は南国の厚みのある葉っぱに反射してきらきら光っています。
「ここはとってもいいところだなあ」
と竜は思いました。
住む所を決めた後、
「せっかく来たのだから、この島のために何かさせてください」
と、南海の皇帝に頼みました。
すると皇帝は、大きい眼を細めて、
「そう言われても、特にしてほしいことはないが」
と言います。
「お前さんは何が得意なんじゃ」
と聞かれましたので、
「僕は水竜なので、水気を集めるのが得意です。試しに雨を降らせてみましょうか」
と言うと、
「あのなあ、南の島では、毎日午後には雨が降る。夕立は間に合っとるよ」
と、笑われました。
竜は、そりゃそうかと思いました。
「三本爪から五本爪の竜になるために、修行をしたと言っておったな。どんなことをしたんじゃ?」
と聞かれたので、逆鱗をはがしたこと、玉を砕いたことを話しました。
「はああ。ワシにはよくわからんが、ずいぶん辛い思いをしたんじゃろう。ここではそんなことを考えずに、のんびりと暮らせばええ」
と皇帝は言います。
「そうじゃ、いいものがある」
家の中から、大きな木の実のようなものを持ってきました。
「玉の代わりに、この果物をあげよう。熟すと『から』が割れて、匂いがしてくるから。そうなったら食べ頃だよ」
果物は、大きさも形もヤシの実くらい。薄い黄色で、お尻の方はまだ青みが残っていました。『から』はすごく固く、一面にトゲがついています。とてもおいしそうには、いえ、そもそも食べられそうにも見えません。
が、せっかく、皇帝がくれたものです。竜は水気を集めて球を作り、中にもらった果物を入れ、自分のあごの下に大事にしまいこみました。




