4.記憶
北島マヤちゃんのヘレンケラーをご存じですか?
湯あたり
というのは コレなんだ
ヘレンケラーが 「ウォーター」と叫んだように 僕も「湯あたり~」
と叫ぼう―にも
無理だな 言葉よりも他のナニカが出てきちゃいそう。。。
川の音を聞きながら アルに寄りかかるようにして座り込んでいる
一度だけアルが
「大丈夫か?」
と声をかけてくれたのに 首を振って応えた
うーん 気持ち悪い。。。 これ 知ってる ずっと前に えっと
何だっけ? 遠足? え ん そ く バス? バス?
なんでこんなに思い出せない?
あ~ 自分に怒りが湧いてきた
あ。。。。そうだ 僕は怒っていたんだ 本当は 怒っていた
小さい 小さい 希望や祈りや望みが叶わないことに怒って でも
仕方がないと 諦めろ と 精神の一番下に押し込んでいた
記憶をひっくり返して 散らかしたのは僕自身だ
あの 使者に手を引かれて30年ぶりに立ち上がった時に 気持ちが溢れだしたあの時に
すべての思いが 心の一番下に押し込んだ怒りを溶かして その上にあった記憶が
崩れて 投げ散らかされて 爆発して・・・・・・
少しずつ 整理していこう
辛い思いでもあるけれど 楽しい思い出もあるし
整理されていないのは 気持ち悪いしね
ああ 思い出した
故郷で 僕は身体の自由が少しずつ奪われて行く病気だった
本を取りに行く テレビをつける インターネットに接続する
そんな些細な事さえ 人よりも時間がかかるから いろんな知識はなるべく
頭の中に入れることにしていた
頭の中にならすぐに取り出せるからね
頭の中の引き出しに ちゃんとレッテルをつけて。。。
今は頭の中がゴチャゴチャで レッテルもちぎれてどこかに飛んで行ってる
何十年分の 記憶をぶっ飛ばして レッテルを引きちぎっちゃうって
僕 どんだけ情熱的なの それだけ 怒っていたのかもな
ふう~っと溜息をついたら アルが
「どうした?」
っと声をかけてきた
「アル ありがとう もう大丈夫」
もう 一人で立ち上がることができけれど アルが差し出してくれた手を取って
立ち上がった
ありがとう もう一度 アルの顔を見ながら言おうとしたけれど なぜか顏をそらされた
アルは顏を見せるのを嫌がるね
なぜだろう?
読専門の時には知らなかったのですが。。。ブクマ 評価いただけると嬉しいです




