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27 かぐや姫

フィーさんが僕を抱きしめた頭を撫でてくれる


トロワが

「さあて 後片付けしようかなあ 兄ちゃんと父さんも

 さぼってないで 運んでよ」


っと声をかけて 立ち上がり レイさんとアルも テラスから居なくなった


トロワありがと


フィーさんと二人で月の光の中で頭を撫でてもらうのは 

なんだか 懐かしくて持ちよくて 気持ちがとっても落ち着いた


しばらくして

「さあ ヒデも落ち着いたかしら?」

っとフィーさんに言われ 頷いて顏をあげた


「お家が懐かしくなっちゃったかしら? 顏を洗って もう休みなさい」

フィーさんに言われ 部屋へ戻ることにする




***



部屋の窓を開けて 月を眺める

ここに来て始めたての夜は 白銀の月の明るさに驚いたけれど

今日の二つ月の明るさは あの夜にアルが教えてくれた通りの

明るさだ

あの夜に 月の光に触れようと手を伸ばしたように また

手を伸ばしてみる あの時よりもくっきりと影が出来るように思う



ノックの音がしてがする

あの夜と同じだ っと心の中で笑って 

「はい」 っと 返事をして振り返れば

あの夜と同じように アルが入って来た 

今日は 何を言うのかな? と思えば


「今日 一緒に寝ようぜ」


っと あの時と同じように 何でもないように言うから

ぷっと吹き出して 笑ってしまった


「いいよ 友達と一緒になるなんて 憧れてた…かも」

っと言いながら 嬉しくて笑顔になってしまう


あの夜だったら嬉しくて泣いていたかもしれないけれど



***


窓から入る月の光の中に布団を二つ 並べて敷いた

ゴロンと転がったら 二人で フフフと同時に笑う


ふとんから 顔だけだして横向きに向かい合う


「使者って 月からくるって本当かな?」

思いがけない質問に 今日の水色の月に地球を重ねたことや フィーさんに

「お家が懐かしくなっちゃったのかしら?」と言われたことを思い出す



「ねえ アル 僕の故郷にかぐや姫って物語があるんだ」

「ん? ヒデの故郷って いろんな姫がいるなあ 

 百年だっけ?眠り続ける怠け者なお姫様の次は カグヤヒメ?って

 何を嗅ぐんだ?犬みたいだな?」


え?何言ってるの?まさかの 嗅ぐや姫(かぐやひめ)

アルの言葉を理解して 噴出した

アルがキョトンとしているのがまた笑いを誘う

笑いながら説明する


「匂いを嗅ぐわけじゃないんだけど カグヤってお姫様の名前だよ だから カグヤ姫

 トロワがお姫様だったら トロワ姫 でしょ?」

「トロワがお姫様とか ありえないから!」

「トロワは可愛いよ 優しいしね」

「嫌 むしろ 怖いと思うよ 俺より強いし

 で カグヤヒメってなんだよ?」


僕は笑いも収まったので とっても簡単にかぐや姫の話をする

 

「とあるお爺さんが竹の中から可愛い女の子をみつけました かぐや姫と名付けて育てました

 でも 大きくなったある夜 迎えが来て帰ってしまいました って話 知ってる」

「知らないなあ。。。竹ってなんだ?」

「ああ ここにはないのかな?中が空洞になっている 木みたいなものかな?」

「ふーん」


僕は続ける

「かぐや姫はさあ 帰りたくなくて お爺さんとお婆さんも帰したくなくて 家の奥に閉じ込め

 るんだけど 月の使者がくると扉が自然に開いちゃって 月の使者が持ってきた月の服を

 着ると かぐや姫は地上でのコト忘れて 月の使者と共の帰っちゃう って話だと思ったん

 だけど。。。あの二つの綺麗な月見てたら かぐや姫いるのかなあって考えたんだ」


アルが小さな声で聞いてくる

「ヒデだったら 帰りたいか?」


「うーん どうかなあ? 故郷へ って意味だったら 帰らなくていいかな?」

もう 僕は故郷にやり残してきたことは無い

ちゃんと両親よりも長生きした これは僕の最大の自慢だ

自分ながらよく頑張ったと思う

会いたい人はいないわけではないけれど 心残りって程じゃない



「じゃあ 使者が来ても行くな!」

昨日の木の上で言われたことを思い出して 何と答えようかと考える

上を向いて 天井を見る 月明りにうっすら明るい天井に模範解答が

書いてあればいいのに


アルが僕の方を見ている というか ほとんど睨んでいるような視線を

感じて 身体ごとアルの方に向きあう



「 ねえ アル 僕は故郷からここに来るときに 

 あの不自由だった身体を置いてきたんだと思うんだ

 ぼんやりとしかわからないけれど 

 僕がこれから行く 目的地に行くのにあの身体では

 不便だからね」


アルは返事をしないで 次の言葉を待っている

 

「あの身体をおいてきたときに 目的に行くことは決定事項なんだと思う

 あの使者はね ”道草しよう”って言ったんだ

 だから もし 明日 使者が来て 「道草は終わり」って言うなら もう 

 道草は終わりにして また 旅に出るよ 僕は 旅人だからね」



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