19 トロワってすごい…いろいろな意味で
昨日と同じように水田を見ながら
フィーさん トロワ アル 僕でお弁当を広げた
「驚いたわ・・・ハトってもっとおとなしい子だと思っていたわ」
フィーさんが言う
「ハトは しっかりしているの
ハルとナツが面倒見すぎるから静かになっちゃうだけよ」
トロワがチラリとアルを見て続ける
「ハトは 一人で学校に来れるようになりたいんだって
なのにハルなんて ハトが危ないって背負うって言いだして
それでよくケンカになるのよ」
「まあ。。。ハルは偉いわねえ」
感心したように言うフィーさんに
「だから 過保護ってハトが嫌がってたんだってば」
っと アルが独り言のように言う
「ハトは 嫌がっているの?」
アルの言葉にフィーさんが不思議そうに聞く
「いつも 嫌がってるわ ハトは自由になりたいって
さっきも言ってたでしょ?
自由になりたいハトの邪魔をする権利がハルにある
とは思えない
ハルはもっとハトのやりたいことをやれせてあげる
べきだと思うわ
そうよ 自由と過保護は反対語なんだと思うわ
ねえ 兄ちゃんたちもそう思わない?」
トロワがフィーさんを見て言い
僕とアルに同意を求める
凄いよ!トロワ
過保護と自由が反対語!
本当にそうだね
凄いよ!ハト
自由に生きようと 頑張っているんだね 強いね
「凄いよ トロワ その通りだと思うよ!」
大きくうなずく僕
その僕の隣で トロワの言った事に驚いたまま
アルも無言で でも 大きくうなずく
僕たちがみんな ハトに理解を示すという
思いがけない展開に フィーさんが驚いている
兄弟げんかに驚いて 次は
「守るべき妹を守るハルは偉い」
という自分と
「ハトは自由になりたいのに ハルの過保護は良くない」
というトロワの意見の食い違いに驚いて
しかも
そのトロワの意見にアルと僕が賛成してしまったのだ
ちょっと気まずい雰囲気をまったく気にしないで
トロワはすましてお茶を飲んでいる
これはこれで 凄いよトロワ…
アルと僕が居心地の悪さを感じていると お茶を飲み終わった
トロワが言った
「母さんも ハルに負けないくらい過保護だと思うわ」
うっわー 爆弾発言
「ごちそうさまでした」
「お先に教室の方へ行っています」
僕とアルは 行儀よく挨拶して
逃げた
***
校舎に入ると ちょうど じっちゃんの先生が生徒たちに命じて
何かの道具を運んでるところだった
「すいません!」
「手伝います!」
慌てて 僕たちが言うとじっちゃん先生が
「アルと旅人は 見ていればいいよ」
と言う
アルが何か言おうとすると 横からノーリが
「アルも手伝えよ あっちにツバイが居るから行けよ」
言いながら 顎で奥を示す
僕は両手がいっぱいのツバイの荷物を半分持つ
「アルは手伝った方が気楽なのになあ
なんで大人って分かんないんだろねえ」
軽い調子で僕に言いながら苦笑いしている
まったくだ ノーリの方が先生よりもよっぽどアルの気持ちが分かってる
そりゃあ いちいち特別扱いされたら アルだって居心地のいいわけがない
教室の後ろの方に 運んできた道具を並べる
何だろうこれ? 見たことがあるような?無いような?
後になればわかるから 他に運ぶものがあるか見てこよう
先に行ったノーリを追いかける
フィーさんがちょうど入って来たので 道を開けると そこに
道具を持ったアルが通りかかった
フィーさんが 咎めるような目に一瞬なってアルの荷物を持とうと
手を出しかけてから その手を引っ込めた
そして
そのまま アルを先に通して 自分も教室に入っていった
奥の部屋へ行ったけれど 結局 もう運ぶものはなく ノーリと
一緒に手ぶらで帰って来た
「運ばないですんで 楽ちんだな
先のはヒデに手伝ってもらったしな アリガトな」
と ノーリは軽い口調で言っていた
*****
教室の前の方では じっちゃん先生に読み書きを習い
後ろでは フィーさんに この道具たちを使って
社会と家庭科と技術を学ぶらしい
読み書きをさぼる目的で 後ろに来ていた何人かは
フィーさんに叱られて 前の方に追いやられていた
「この間 私が来た時には 綿まで作ったでしょ?
今日は糸を作ります」
フィーさんが言って ふわふわした綿の入ったカゴを取り出した
「糸を作るには いくつかの方法がありますが
糸車とガラボウでの作り方を教えます」
トロワが糸紡ぎは得意だから任せて!っと
アルを前のグループに追いやって 僕に教えてくれる
糸車 なんて絵本でしか見たことがない 綿から糸を作るって
知識としては知っていたけれど 記憶の中にはなかったことだ
この糸から布を織る授業もフィーさんが教えるらしいけれど
その経験も僕は出来るのかな?
トロワは末っ子長女です
そういえばwwTOBEは末っ子長女のエッセーも書いてます そちらも よしなに。。。




