表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕と醤油の一斗缶   作者: たまごはん
1/6

第1話 小指ぶつけるとまじで痛い

第1話


朝起きたら手が痛かった。いや、手だけではない。右手から右腕、右肩から首に至るまで主に体の右側が異常に痛い。これは筋肉痛というものだろうか。


なぜだ?何故こんなにも、最近は運動なんて一切しない。筋トレなんてもってのほかである。新型コロナウィルスの影響で緊急事態宣言が発生したことをいいことに、毎日ゴロゴロとしている普通の大学2年生だ。


そんな俺がどうして今体の右半分を痛めているのか。朝11時、寝起きの頭を何とか回転させながら、催した尿意を処理しにトイレに立ち上がった。どんよりした雲のおかげで部屋の中が薄暗いが灯りをつけることさえ面倒くさい。


6畳半の狭い一人暮らし用の物件だ。トイレに行くと言っても数歩歩けばユニットバスにたどり着く。たどり着くはずだった。


ガゴンッ!右足の小指に激痛が走る。今までの眠気が全て吹き飛び形容しがたい痛みが全身を駆け巡る。目覚ましにしてはあんまりではないか?どうして体の右側だけにダメージを受けねばならぬのか!軽く興奮状態になり痛みが落ち着いたところで、二度寝を阻止した憎き物体に目を向ける。するとそこには


醤油の一斗缶があった。


私は目を疑った。なぜ我が家に一斗缶があるのだ。しかも醤油だ。いや、この再中身はどうでもいいだろう。問題は、どうしても一斗缶が引きこもり大学生のユニットバスの前にあるのかということだ。


この問題を考えるには、まずはトイレを済ませてからだと英断を下した俺、深宮司は狭いユニットバスでしゃがみ、考える人のようなポーズをとった。そんな俺を軽く凹み銀色の睨みを利かしている醤油の一斗缶を横目に、なぜ一人暮らしの家に一切そぐわない物体が存在しているのかを思い出した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ