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朝のスープと武具の手入れ

翌朝、総士郎が目覚めると左手側にリナが右手側にはササリアがしがみついていた。


「わたしは〜美味しいお茶が飲みたいの〜」


「にゅむにゅむ、ソウシロウさんは優しいですね〜」


二人は、なにごとかの寝言を言いながら総士郎を抱き寄せるようにした。


「ぐえっ」


二人に腕を回されている首が締まった。


これで起こされたらしい。


あの後、二人は総士郎に腕十字をかけたまま寝てしまった。そして、二人とも眠っているのに腕十字は外せなかった。


外そうと藻掻いたが外れず、総士郎もそのまま力尽きたのだった。


寝ている二人の腕をなんとか外して上半身を起こした。


「二人には酒を飲ませないようにしよう。それが無理ならスキを見て逃げ出すようにしよう」


総士郎は誓うのだった。




「ふあー。おはよう」


床に転がっていたリナが上半身を起こした。その声は若干しわがれている。


「おはよう。水飲め、水」


総士郎はリナに水の入ったコップを渡した。


「いただくわ」


コップを受け取ると中身を一気に煽った。


「ぷはっ、ソウシロウはなにしてるの?」


台所に立つ総士郎にリナはたずねる。


「昨日のあさりの酒蒸しと焼いたカニの残りと野菜とベーコンとパスタを適当に混ぜてスープ作ってる」


「へー、ソウシロウは料理できるんだ」


「少しは、な。あんまり凝ったものは作れないけど」


リナは背伸びして鍋の中を覗き込む。


「なかなか美味しそうじゃない」


「もう、できるから。手と顔を洗ってササリアを起こしてくれ。」


「わかったわ」


リナは部屋の隅の水瓶で手と顔を洗うとササリアを起こしにかかる。


「ほら、ササリア起きなさい。もう朝よ」


「おねーちゃん、もう少し寝かせてー」


「寝ぼけてないで起きなさい。鼻つまむわよ」


リナがササリアの鼻をつまんだ。


「にゃがっ!」


変な声を上げてササリアが起きた。


「おはようございますー」


「あなたも、水飲んで、手と顔を洗いなさい。もう朝食よ」


「はいー」


ササリアはリナに渡されたコップを煽り、フラフラと水瓶の方に向かった。


「寝起きが弱いのは昔から変わらないわね」


リナが総士郎の側に戻ってきた。


「昔からの付き合いなのか?」


「ええ、私もササリアも教会の孤児院の出身よ。私はブレスト家に養子に入ったけどね」


リナは何でもないように言った。


「なに微妙な表情してんのよ。あーもー、こういう話こそ酔ったときにしとけばよかったわ」


リナは少し怒ったような声で言う。怒っていると言うよりは照れている感じだ。


そこに顔を洗ったササリアがやって来た。


「ソウシロウさん、おはようございます。朝食を作ってくれてるんですか?」


「ああ、おはよう。もうできたから、二人とも席に着いてくれ」


リナは気にして欲しくないようだし先程の話は一旦忘れることにした。


あさり、カニの身、ベーコンに根菜と蝶の形をしたパスタを入れて少しとろみを付けた、食べるタイプのスープを二人の前に並べる。そして、自分の分も並べると席についた。


「美味しそうですね。では、天に坐すおん女神様、今日も日の糧をお与え下さり感謝いたします、いただきます」


3人揃って祈りの言葉を唱えた。


「美味しいわね。少しとろみが付いてるとこがポイントね」


「ですね。昨日の余り物を消費してくれているのもありがたいです」


スープはなかなか好評だった。




「ごちそうさま。仕事があるから帰るわ」


リナはスープを食べ終わるとそう言って帰って行った。




「教会には何時いつ頃行けばいいんだ?」


「昼前までに往けばいいと思いますよ。公衆浴場が開いたら入りに行って、その後に行きましょう」


「そーだな、風呂には入りたい」


昨日は地下迷宮から帰ったらリナがいて、そのまま宴会に突入してしまった。地下迷宮でも動いたし風呂には入っておきたい。


「では、それまでに使った武具の手入れをしましょう」


「武具の手入れ?」


「はい、革などは汚れを拭いたあとカビが生えないように乾かします。鉄製品は油の染み込んだ布で磨いて錆びないようにします。傷んだところのチェックなども兼ねての整備ですね」


「なるほど」


その後、ササリアに教えてもらいながら武具の整備を行った。総士郎の武器のメイスは今回使ってないし、革鎧も何かしらのダメージを受けた訳ではないので布で少し磨いて終わりだ。


硬革ハードレザーの胴鎧、左の脇の下のところに擦れる部分があるみたいなんだがこういうのはどうするんだ?」


痛くは無かったが総士郎の左の脇の下が擦れて少し赤くなっていた。もっと長時間鎧を着ることになれば問題になるかもしれない。


「んー、買ったお店で調整してもらうか、硬革なら熱を当てて少し変形させることもできますね」


「ふむ」


「今回は時間がありませんでしたけど、時間があれば調整された鉄の胸当てを調達する方がいいかしれません。とりあえず、置いておいてください。私の方の武具も見てみて、お店に行くか考えましょう」


「了解」


総士郎は自分の整備は終わったのでササリアの武具の整備を観察する。


ササリアはバックラーを磨きながら、


「細かい傷が、、、でも、これくらいで修理に出すのも、、、」


と独り言を呟く。


次にメイスを磨きながらいろいろな角度から観察し、


「うーん、少し歪んでいます。たぶん、アレを思いっきり殴った時ですね。使う分には不自由はありませんが気になりますね」


と呟いていた。




その後、公衆浴場に行き、さっぱりした後、昼前に教会の本部に向かった。協会本部は第1区画の役所の隣にある立派な建物だった。



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