『アイリス。やっと逢えた』
「え?わたしは、あい。アイリスってなに?おにいさんだぁれ?」
『シェイドだよ。わからない?』
「シェ、イド??うーん。」
小さいあたしは大きな男の人を見上げる。そんなあたしに気づいてその人は目線が合う高さにまでしゃがんでくれる。
「あ!おにいさん、これあげる!」
『ありがと。』
にこりと笑ったその人の目に思わず、わっと声をあげた。
「おにいさん、めがきんいろ!きれい!」
『そ?……母親が金色だったからかな。そのせいかも』
「そーなんだ!あれ?なんで、しろいはねとくろいはねがはえてるの?」
小さなあたしの質問攻めに少し苦笑いを浮かべたけど、その人はすぐにまた先ほどの笑顔に戻った。
『羽ってわかるんだ?アイリス』
「えほんでよんだ!ねぇなんで?」
あたしの髪の毛をさらっと触り半身になって背中を見せてくれる。
『……それはね、元天使の父親と悪魔の母親の血が混ざってるからだよ』
「……よくわかんない……」
『今はわかんなくていいよ。』
「じゃあいつかおしえてくれる?」
『そうだね。アイリス18歳になったら迎えにくるよ。』
「え?」
その人は絶えず笑顔を絶やさない。本物の笑顔なのかもわからない。ただ……
『400年も待ったんだ……お前を……』
「……おにいさん、ないてるの?」
その笑顔があたしのは泣いているように見えてた。
『アイリス、オレを思い出して……お前は……』
◇◇