↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我輩は紳士である(猫なのに、異世界召喚されたのだが)  作者: 星宮歌
第二章 反撃のサナフ教国

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
98/264

第九十七話 それぞれの思考(二)

 レジスタンス達と戦った翌日。僕は、まだ痛む腹を撫でながら、報告書を読んでいた。


 一つの中隊が、半分ほど壊滅。しかも、レジスタンスのほとんどに逃げられた。この失態は、さすがに不味い。



「うーん、どうしよっか?」



 上への報告は必要だ。しかし、この報告だけというのはよろしくない。せめて、何かしらの成果を上げてその報告もセットで行うべきだろう。



「確か、レジスタンスのアジト候補はまだあったよね?」


「はっ! 後十ヶ所ほどを割り出しておりますっ」



 顔面に引っ掻き傷のある一番中隊の中隊長に尋ねると、ハキハキとした答えが返ってくる。


 現状としては、レジスタンスのアジトの特定、及び、速やかな殲滅が目標とされ、そのために僕の大隊が派遣されている。レジスタンスのアジトの候補として上げられているのは、使われなくなって久しい空き家や、不審な人間が出入りする建物といったものだ。元々は五十ヶ所以上あったものを、しらみ潰しに探していたのだが、ようやくアジトを見つけたかと思えば、この失態。これを取り戻すには、レジスタンスの他のアジトを壊滅させるよりほかなかった。



「じゃあ、そこ、全部を今日中に潰そうか」


「はっ、しかし、アジトかどうかの特定はすぐにできるものではありませんが?」



 今までの四十ヶ所を調べるのは、確かに時間がかかった。中隊長の懸念も分からないでもない。しかし、今回はそんな生易しいことを言っているのではない。



「だから、潰すんだよ。アジトかどうかなんて、後で調べれば良いだろ? 今日の夜、同時刻に、そこに火を放つ。良いな?」


「ははっ、承知いたしました!」



 どこか顔を引きつらせながら答えた中隊長。僕は、そんな中隊長を無視して、立ち上がる。



「それと、二番中隊の報告はまだか?」


「はっ、そろそろのはずですが……」



 二番中隊には、あのレジスタンスのアジトとなっていた『リリナのバー』を調べさせている。もしかしたら、何か手がかりがあるかもしれないため、念入りな調査を敢行しているのだ。しかし、中隊長の報告を聞く限り、まだ帰ってきてはいないらしかった。



「そうか、なら、帰ってきたらすぐに僕のところに来るよう「失礼します! 二番中隊、帰還しました!」……どうやら、帰ったみたいだね」



 噂をすれば何とやら。優秀な二番中隊は帰ってきてくれたらしい。扉などないこの部屋に入ってきた男は、先日の作戦では別行動を取っていた中隊の中隊長だ。もちろん、その顔には引っ掻き傷などない。



「報告しろ」


「はっ! 対象の建物の捜索結果、あの場には非戦闘要員ばかりが集まっていたものと思われます。遺体を確認すると、それらは元サナフ教国の貴族であることが分かりました」


「そう、それで、あの猫の形を取った魔物については?」


「それが……全くの不明です」


「不明?」



 貴族のことなんてどうでも良い。僕が知りたいのは、あの猫のことだった。しかし、二番中隊長はその情報を持っていないと言う。あれだけの戦力の情報が、レジスタンスのアジトに残されていないと言う。



「ふーん? もしかしたら、あれはレジスタンスの切り札だったのかな?」


「その可能性は高いものと思われます」



 考えられるのは、あの猫の存在が厳重に隠蔽されているということ。それほどまでに、重要な存在であるということ。



「なら、きっと、全てのアジト候補を焼き払えば出てくるよね。ふふふっ、今度は、そう簡単にはいかないよ」



 僕にダメージを与えたあの猫に化けた魔物は、絶対に生きたまま捕らえよう。そして、僕が屈服させて、僕の使い魔にしてやろう。あぁ、今から夜が楽しみだ。


 二人の中隊長が青ざめる中、僕は楽しく仕事に取りかかるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。