↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我輩は紳士である(猫なのに、異世界召喚されたのだが)  作者: 星宮歌
第二章 反撃のサナフ教国

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
107/264

第百六話 我輩の散歩(一)

 結局、明日、リリナとセイクリア教国へ同行するのはラーミアで決定した。

 我輩はこのドームや『幻術』の維持のためにあまり離れられないという事情で同行できず、バルディスは我輩の通訳として、何よりバルディス本人が行きたがらなかったこともあり、やはり着いていくことはなかった。また、ディアムに関しては、これからもミルテナ帝国の騎士から情報を盗むために必要ということで、ここに留まることとなる。そうした諸々を勘案すると、ラーミアが適任ということになったのだ。


 その後、いくつかの話し合いは行われたものの、重要な決定といえばリリナとラーミアがセイクリア教国とやらへ行くことになったことくらいだろう。



「にゃー? にゃにゃ(話は終わったのだな? では、我輩、散歩に行ってくるのだ)」


「あぁ」



 我輩、話し合いが終わったことを知るや否や、立ち上がってクルリと身を翻す。そして……。



「にゃにゃ(サナフの町へ『転移』なのだ)」


「はっ? ちょっ、待て、タロ!」



 『転移』を何度もしてコツを掴んだ我輩は、サポートシステムのサポートなしに『転移』を実行する。その際、何やらバルディスの引き留める声が聞こえたような気がしたが、我輩、それは知らんぷりなのだ。我輩、いい加減、散歩がしたいのだ。



「にゃ……あ? (ふむ、成功なの……だ?)」



 転移は成功した。ここは、おそらくどこかの路地裏だ。しかし、我輩、足下に感じる軟らかい何かに、疑問を抱き、下を見る。



「ヂ、ヂューッ」


「にゃあ(なんだ、マウマウであったか)」



 我輩の足下には、少し毛色の違うマウマウが居た。アルトルムで良く見かけたマウマウはねずみ色だったが、このマウマウは砂色だ。



「ヂューッ」


「「「ヂヂューッ!」」」



 足下のマウマウが叫ぶと、物陰から大量のマウマウが湧いて出る。



「にゃーっ、にゃあっ(フハハハハッ、これは腕が鳴るのだっ)」


「「「ヂューッ」」」



 楽しい楽しいマウマウ退治に、我輩、笑いながら戦いに身を投じる。まずは、この足下に居るマウマウから降りるとしよう。



「にゃふんっ(とうっ)」


「ヂュッ!?」



 飛び降りた瞬間、パキッという音とかなり切羽詰まったマウマウの声が……。



 ……いや、ワガハイ、ナニモ、キイテイナイ。



 けっして、我輩の体重のせいでマウマウが骨を折ったとか、そういったことはないはずだ。現にマウマウはピンピン…………していなかった。我輩に潰されていたマウマウは、ピクピクと痙攣し、やがて、動かなくなる。



 ワガハイ、ナニモ、ミテイナイ。



 そう思い直し、我輩、他のマウマウに向き直る。とりあえずは、そう、楽しむべきなのだ。



「にゃおーんっ! (猫流奥義、ガリガリっ!)」


「ヂュッ」


「にゃおーんっ! (猫流奥義、ガリガリプラスっ!)」


「「ヂュゥン!」」



 楽しく楽しく……ちょっとばかり自分の心を誤魔化しながら戦っていると、マウマウはどんどん湧いてくる。



 これは、遊びに困ることはなさそうなのだ。



 砂色のマウマウに混じって、ねずみ色のマウマウも襲ってきたが、我輩、全ての攻撃を華麗にかわして戦い続ける。そうして、マウマウの山を二つほど積み上げたところで、援軍はなくなったらしく、マウマウ達は逃げ腰になる。



「にゃーっ。にゃあっ(結界で逃がさないのだっ。さぁ、かかってくるが良いのだっ)」



 我輩は、結界を上手く用いてマウマウを閉じ込めると、逃げ場を失ったマウマウを次々にほふっていく。けっして、我輩の体重でマウマウが潰れた事実を隠蔽しようとしているわけではない。


 そうして、マウマウの山が三つ目を更新したところで、我輩は、ようやく戦いを終えるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。