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シオンの軌跡  作者: suzuta
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精霊師の戦い(前編)

少年編

2人をよく見ると1人はさっき風でボールを浮かせていた少女だった。

「対価に魔力を!出でよ我が精霊・ランドレッド!

「対価に魔力を!出でよ我が精霊・パズロス!」

詠唱が終わると2人の側で時空が歪み何かが現れた。


[.........]


[ひゃーっはっはー!俺様とぉーーじょぉぉぉぉ!]


少年の側に現れたのは甲冑を身に付けた騎士のような姿をした人?だった。

もう片方の少女の側に現れたのは明らかに人ではない。鳥のような翼を持ち、牙が鋭い鬼のような顔をしたテンション高めの化け物だった。


「ランドレッド、相手の精霊は任せた!俺はシリカを倒す!」

[.....コク]

ランドレッドは頷くとパズロスという精霊に向かっていった。


「パズロス、来たわよ!あの精霊を迎え撃って!」


[やだねー]


「何ですって!?」


[こんなカスみたいな魔力じゃ戦えねーって言ってんだよ]


「けっこーアタシ魔力使ったんだけど!?」


[だからその魔力がカスなんだよー]


「もういいから戦っ...うわっ!」


揉めている間に迫って来ていたランドレッドの剣がシリカとパズロスに振り下ろされた。

間一髪それを避けたが、ランドレッドの猛攻は止まらず、少年も後に続きシリカに攻撃を仕掛けようとしていた。


「もうパズロス!戦わなくていいからあの精霊引きつけといて!」


[まぁ、それくらいならしてやるか]


そうすると、パズロスはランドレッドに向かっていった。そして大きな翼で凄まじい風を繰り出した。ランドレッドは前に進もうとするが風がそれを阻む。

精霊同士がそうこうしていると、

「シリカはまだ精霊と良い関係を作れてないみたいだな、それじゃ俺には勝てないよ?」


「ユランうっさい!」

ユランは剣を、シリカは短剣で切りかかりは避け、切りかかりは避けと均衡している状態だった。


「...すげー」

シオンは今まで見たことの無いような光景に瞬きも忘れ、見入っていた。


「シオンくん」


「ん?...お前は、サツキだっけ?」


「覚えててくれたんだね」


「まぁ、ついさっきのことだし」


「精霊師同士の戦いはどう?」


「すげー...あれが精霊なんだな。てか精霊ってなんなんだ?勉強不足で悪いけど」


「いや、全然いいよ!来たばかりだししょうがないよ!」

「って言っても精霊はね、実はまだ分からないことが多いんだよね。元々どこに住んでいるのか、どういう生き物なのか、ただ分かるのは精霊を呼ぶには対価を差し出さなきゃいけないということ、その対価によって精霊は力を発揮するみたい。だけど、対価は自分の魔力が一般だから、他の対価でどの程度強くなるのか分からないけどね」


「対価...か、ちなみに精霊とどうやって契約を結ぶんだ?」


「魔法陣を描いてその上で自分の血を垂らして呪文を詠唱するだけだよ」


「なんだよ、誰でも出来そうじゃんか」

それを聞いて拍子抜けしたシオンだった。


「そうだよ、実は誰でも精霊を呼び出すことは出来るんだよね。でも、多くは小動物みたいな小さな精霊がほとんど。戦える精霊を呼び出せるのはホントに少ないんだー」


「そっか。俺、魔法すらまともに出来ないのに呼び出せんのかな」


「大丈夫だよ!だってリオンさんが認めてるんだから!」


「リオンさんってそんなにすごいのか?」


「すごいも何もリオンさんは、「「「「「わー!!!」」」」


サツキの言葉は歓声にかき消され、シオンたちは2人を見ると、戦いは白熱していた。


ユランの剣がシリカに振り下ろされる。

「そろそろ勝たせてもらうよ!シリカ!」


「勝つのはアタシだっての!」

それを風の魔法の風圧を利用し、間一髪で避ける。そして短剣でガラ空きのユランの側面に攻撃を仕掛ける。


「何!?」

ユランが驚きの声を上げると、


「もらった!」

シリカの攻撃を避けようともがいてるユランを逃すまいと鋭い短剣の突きがユランに触れたその瞬間、


カキーンという音とともに短剣が弾き飛んだ。

ユランは何もしていない。ただ触れただけで勝手に短剣が弾き飛んだのだ。


「なんなの!?」

シリカが何が起こったのか分からず、動けずにいると、その隙を逃さずユランが剣をシリカの喉元に突きつけた。


「そこまで!!勝者ユラン!!」

エリアが高らかに勝者の名前を口にした。


勝者のユランは敗者のシリカを見下ろし、

「俺の勝ちだな、シリカ」

と言って、ニヤッと笑った。


勝負が終わってみると、シリカには非常に疲れが見えるがユランにはない。差は歴然だった。


「アンタマジで性格最悪!!わざと、苦戦したフリしたでしょ!!」


「いや、戦略でしょーよ」

ユランは笑いながらそう言った。


「さっきのアレ、何よ?」


「魔力を身体中に巡らせる技、流点だ。基礎中の基礎だろ?」


「え!?アタシも使ってたし、魔力を身体に巡らせることで身体能力を少し向上させる程度でしょ!何でそんなこと出来んのよ!?」


「だよな。みんな流点が魔力を身体に巡らせることで身体能力を少し向上させる程度の技って認識だけど、魔力を身体全体に巡らせずに一点に集中することで最大の攻撃にも最大の防御にもなるんだよ。騎士の人たちはみんな極めてるって聞く。練習してるけど俺もちょっと防御力を高めることしか出来ない。難しいよ」


2人の精霊は役目を終えたのか既に消えていた。

ユランの話を聞き、落ちつきを取り戻したシリカは、

「あっそ...。アタシの完敗だわ。次は負けないから」

そう言って心底悔しそう顔をしながら訓練場を出ていった。












寒いですねー。雪降ってるし、傘差しても雪がすり抜けてくるし、びしょ濡れですよ。風邪には気をつけねば。

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