始まる学園生活
少年篇
学園の中に入ったシオンはハンスに連れられ、シオンがこれから学ぶことになるという教室に向かった。
「(なんか緊張するな)」
シオンがそわそわしてると
青い髪のメガネをかけた若い女性が立っているのが見えた。
「シオンくん、あそこが教室だよ」
「あそこか」
シオンたちが教室に着くと教室前に立っていた女性が声をかけてきた。
「お待ちしてました、ハンスさん」
「エリアさん、朝礼ギリギリになっちゃってごめんねー。シオンくん、彼女が君の先生のエリアさんだ」
「エリアです。今日から君の先生になります。よろしくね」
エリアは笑顔でそう言った
「シオンです。よろしくお願いします」
「じゃあ、俺はこれで失礼するよ、近々また会うと思うからそんときはよろしくー」
「わかった」
シオンはよくわからなかったがとりあえず頷いた。
ハンスさんが帰ると
「シオンくん、中に入りましょうか。みんな待ってるわ」
そう言うと、エリアは教室の扉を開けた。
エリアに続いて中に入ると、自分と同じくらいの子供が何人もいた。
「(うわー、めっちゃ見られてるな、恥ずかしい...)」
「今日から君たちと一緒に学ぶことになったシオンくんです。シオンくん自己紹介お願い」
「シオンです。コルド村から来ました。正直、今まで勉強したことがないのですが、みんなに追いつけるように頑張ります。よろしくお願いします」
「はい、ありがと」
「じゃあ、授業を始めますのでシオンくんはあそこの空いてるところに座って」
「わかった」
シオンは空いてる右端の席に座ると、左に座っていた女の子が
「わ、私、サツキです。よ、よよろしく」
と、おどおどと声をかけてきた。
シオンはなんだこのビクビクしてる子はと思ったが、最初が肝心だ、こちらも挨拶せねばと、左を向き挨拶をした。
「しゅおんです。よよろしゅく」
おどおどした上に、盛大に噛んだ。
「ふふ」
そして笑われた。
「(そう言えば、同じ年の女の子と話したの始めてだったわ、というか可愛いかったし!)」
その後、シオンは何事もなかったかのように前を向き、授業を聞いているフリをしていた。
というか聞いても全くわからなかった。
「はーい、これで座学の授業は終わりです。午後からは戦闘訓練をいたしますので、昼食の時間が終わったら訓練場に集合してください」
「「「「「「「「はーい」」」」」」」」
「サラさん、シオンくんに学園のこと案内してくれるかしら」
「はい」
赤い髪の女の子が無表情で返事をした。
となりの女の子がまた声をかけてきた。
「シオンくん、また訓練場で」
そう言うと他の生徒と一緒に教室を出た。
その後、サラという女の子が近づき、声をかけてきた。
「私はサラだ。この教室の生徒たちのリーダーを任されている。よろしく」
「シオンだ。よろしく」
「では、学園を案内しよう。ついてきてくれ」
「ああ」
シオンはサラに連れられて学園内を歩きまわった。
「ここが訓練場だ。戦闘訓練はここで行われる。午後は大体戦闘訓練なので昼食が終わったらここに集合するということを頭に入れておいてほしい」
「わかった」
しばらく歩いて、
「ここは男子寮だ。レイセン学園は全寮制だからな。今日から君もここで暮らすことになる。しかも、1人一部屋だ。くれぐれも寝坊しないようにな」
「し、しねぇよ(やべぇな)」
「次に行こう」
またしばらくして、
「ここは、図書室だ。今まで勉強をしてこなかったということだったな?ここには、精霊師に関する書物がたくさんある、暇があればここで勉強するといい」
「わかった」
「では、次にいこう」
そしてサラに学園内を一通り案内されたとこで、
「ここまでで質問はあるか?」
「いや、ない」
「そうか、じゃあ、時間も残り少ないが昼食を食べよう。ここが食堂だ」
「悪い、俺のせいで時間使っちゃって」
「いいさ、リーダーだからな」
中に入ると、体格の良い40代から50代くらいの女性がいた。
「シャーロットさん、注文いいですか?」
「お、サラちゃん!今日は遅かったね!」
「はい、今日は新しくこの学園に通うことになった生徒を案内してました。時間もないのでサンドウィッチお願いします」
「あいよ!あんたが新しい子かね。あたしはシャーロット、よろしくね!あんたは何食べる?」
「俺は、シオン。よろしく。食べたいけど俺、お金ないんだけど...」
「いいんだよ、お金は。食堂のメニューは全部タダだから」
「タダ?」
「未来のこの国を守る大切な戦士を養成するところだからねー。ここでの費用は全部王宮が持ってくれている。遠慮せずにいっぱい食べな!」
「そうか、じゃあ....トカゲと蟻のスープにしよっかな」
「「え」」
サラとシャーロットの2人が青ざめた顔でシオンを見ている。
「これ頼む人初めて見た」
「いやー、あたしたちもメニューに置いといてなんなんだけど大丈夫かい、午後の訓練に差し支えるかもしれないよ?」
「いいよ、すごく美味しそうだ」
「あ...そうかい」
シャーロットは引いていた。
「.......」
サラはドン引きしていた。
料理が出来てテーブルに持っていって食べると、
「うめ〜〜〜!こんなうまいもん初めて食べたぞ!」
シオンがあまりの美味しさに感動していると
「そ、そうか」
サラはそれをまた青ざめた顔で見ていた。
シオンはものの数分でそれを平らげると、全く手がつけられていないサラのサンドウィッチを見て
「おい、サラ。食べないのか?」
「いや、食べる」
シオンがゲテモノ料理を食べる姿を見て、完全に食欲が失せたサラだったが、強引にサンドウィッチを口に詰め込み完食した。
食べ終わってサラは、
「(今後、シオンと食事をするのは遠慮するようにしよう)」
と切に思うのだった。
頭で考えてることを文字にするのって難しいですねー