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シオンの軌跡  作者: suzuta
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始まりの都市

少年編

「着いたよシオンくん、レイラちゃん、ここがフェアリオ王国の都市ウィンリアだ」


「お〜!ここがウィンリアか!」

「すごい賑やかだねお兄ちゃん!」

シオンとレイラは目をキラキラと輝かせていた。シオンたちがいた村とは違いたくさんの人で賑わっている。そして向こうの方にこの都市ではどこでも見えるのではないかという建造物が3つある。一番大きく煌びやかなのはきっと王宮だろう。他の2つはなんだろうか。と疑問には思ったがすぐにどうでもよくなり、目の前の光景にただ興奮していた。


「この国は7大国の一つだからね。その都市ともなれば大勢の人でいつも賑わっているよ」

「特にこの国は世界中で数少ない精霊師を多く輩出している。各国から精霊師を目指して訪れる人もいる」


「あー、俺も一応その精霊師のそしつ?ってのがあるんだろ?」


「そうだよ」

リオンは頷いた。そしてレイラちゃんもね、と付け加えた。

「でも、レイラちゃんはまず病気を治さないとね」


「うん!」


「リオンさんホントにありがと。レイラの病気の治療をしてくれる上に、俺たちの生活まで...」


「いいんだよ、君たちの今までの生活を考えたら当然のことだ。コルド村で君たちに会えたのは運が良かった」


「明日から精霊師を育てるとこに通うんだっけ、大丈夫かな?」


「大丈夫だよ。君は十分素質があるし、スタートは遅れてしまっているけど努力次第ですぐに追いつける。僕も何かあればサポートするから!」


「じゃあ、いっちょ一流の精霊師になってくるかー」


「お兄ちゃんってそうやってすぐ調子のるよね」

レイラは呆れ顔で言った。


「リオンさん、お兄ちゃんをよろしくお願いします!」


「まかせてくれ」

そう言ってリオンは自分の胸を叩いた。


その後、リオンはすぐに申し訳なさそうな顔になり、

「これからシオンくんは精霊師の養成施設へ、レイラちゃんは療養施設へと行くことになる。しばらくは離ればなれになってしまうが大丈夫かい?」


「大丈夫だよ。話し合って決めて俺たちはここまで来たんだ。それにレイラの病気が治ることが最優先だしな」

「でも金とか無いし、ホントにいいのか?」

シオンはリオンに心底不思議そうに尋ねた


「そうだなー、確かに何も言ってなかったな」

「正直、これは僕から君たちに提案したことだし、特に何か条件があるってわけじゃないんだけど、強いて言うなら2人には将来この国の騎士になってくれたら嬉しく思う」


「「騎士?」」

シオンとレイラはキョトンとしていた。


「この国では精霊師を養成しているけど、精霊師の中でも特に優秀な者は騎士団に入ることが出来る」

「この国で戦える者のほとんどが精霊師だ。しかし、精霊師は元々数が少ないからね。いざという時に少しでも優秀な戦力が欲しいというわけさ」


「ふーん、でもここ最近戦争とかないんだろ?ましてや7大国の一つならなおさら他の国が攻めて来ることなんかそうないだろ」


「まぁ、そうなんだけどね。だけど同じ7大国のいくつかは不穏な動きをしているという噂もある。どこか攻める準備をしてるんじゃないかってね。あくまで噂だけど」

「まぁ、他の国が攻めて来なくてもこの国では色々な問題が山積みなんだけどね」

リオンは苦笑した。


「問題?」


「これについては後々教えるよ、もう時間だ。手続きにも時間がかかるからね」


「そっか。レイラとはずっと一緒だったから寂しくなるな」


「私は別に寂しくないけど?」


「少しは寂しがってくれ」


「フフ、冗談だよ、私も早く病気治してお兄ちゃんに追いつくから」


「ああ、待ってるよ」


「待たなくていいよ、私が勝手に追いつくから」


「あぁそうかい」

シオンとレイラがそんなやりとりをしていると、


「君たちはホントに仲がいいね」

そう言うとリオンは微笑んだ。


そうすると、向こうの方から金髪の若い男が走ってくる

「すんません、リオンさん!遅れました!」


「おお、来たねハンス。シオンくん、ハンスが君を養成施設まで連れて行ってくれる」


「わかった」


「ハンス、寄り道しないで連れて行ってくれよ」


「分かってますよ。じゃあ、行こうかシオンくん」


「わかった、じゃあなレイラ」


「うん、次会うの楽しみにしてるね」

そうしてシオンとレイラはリオン、ハンスに連れられて別の方向に歩みを進めた。


〜〜〜〜〜〜〜〜


シオンとハンスは街道を歩いていた。

「ねぇ、ハンスさん。養成施設でどんなことするんだ?俺、正直リオンさんに会うまで精霊師とか全く知らなかったんだけど」


「着いてからある程度話すつもりだけど詳しいことは何とも言えないなー、俺、先生とかじゃないし」


「じゃあ、何してる人なんだ?」


「騎士」


「ふーん」


「信じてないなー」


「ハンスさん、優秀そうには見えないからなー」


「失礼だぞう、まぁ、いいや。着いたよ」


「ここが養成施設?」

それは都市に入った時に見た王宮ではない大きい建造物の一つだった。


「この都市には都市を代表する建造物が3つある。一つはもちろんフェアリオ王宮。2つ目は君の妹さんが療養するリューゲル大病院。3つ目は君がこれから精霊師について学ぶことになるこのレイセン学園だ」


「学園ってなんだよ。養成施設じゃなかったのかよ。戦闘訓練みたいなの?ずっとやってくのかと思ったけど違うのか?」


「まぁ、もちろん戦闘訓練もするよ。でも本来、君のような子供は勉強する年頃だからね。数年かけて勉強と訓練を積み重ねて君たちは立派な精霊師になっていく」


「勉強か...」

シオンはうなだれた。


「頑張ってくれ」

ハンスは前途多難そうな少年にエールを送ったところで

「そろそろ授業が始まる。中に入ろう」


「わかった」


そうしてハンスとシオンは学園内へと入っていった。







suzutaと申します。

ゆるーくやっていこうと思います。

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