卵は食用ではありません
想像したまま書いてます
文章力皆無な作者ですのでお手柔らかにお願いいたします、なお、こうした方が分かりやすいなど表現の仕方など教えてくれれば捗ります!
これからよろしくお願いします
十人十色、この言葉はある偉い人が言った言葉だ。
十人集まればそれぞれが違う特徴を持っているという意味で、出来るものと出来ないものが人によって変わってくるという話である。
つまり何を言いたいかというと。
手の中に収まった小さな卵の色がーーー色になっていたからだ。
時間が遡ること二十分前、自宅で緊張の面持ちで着飾った服を着た俺を何度も変なところが無いか確認している母親が心配そうな顔でこちらの表情を伺ってハラハラしている。
「アイス、大丈夫かい?一人でも協会に行けるかい?」
「うん、大丈夫だよ、ちゃんと一人で行ける」
母親がこの日の為にお金を貯めて買ってくれた服だ、この服を買うのに苦労しているのを知っているため、恥をかかないようにしなければ。
「ありがとう母さん、そろそろ行くね」
「頑張って!お母さん応援してるから」
ふと頭に手を置いた母さんは優しく僕の頭を撫でてくれた。
手は仕事で擦り傷が目立つが、一生懸命に育ててくれた証だと知っているからこそ心が暖かく誇らしく思う。
「うん、行ってきます」
母の温もりから抜け、協会に向かう。
協会に向かう途中幼馴染のミリアに捕まった。
いや、偶然か必然かわからないがミリアは高確率で僕の前に現れる。
なぜだろう、不思議だ。
「アイスはどんな卵が貰えるんだろうね?」
正装をしたミリアが僕の腕袖を引いてニコニコしていた。
「それは持ってみないとわからないかな」
卵といっても食用ではない、職用だ。
……………ん?
まあ、言ってしまえばどんな適性の職業があっているのかを見るための魔道具であり、万物を見る神の道具である。
ちなみに色で確認できるのは、赤だと剣や武器の才能が高くて、青だと魔法の適性があり、緑だと錬金や物を作るのに秀でている、黄色だと商業の才能がある、黒が隠密や罠など才能である。
稀にだが紫やら金色などが出てくるらしいが、かなりの才能の持ち主だということを意味しているらしい。
「ちょっと聞いてる?」
不服顔を覗き込ませたミリアは頰を膨らませていた。
「あっ、ごめんなんの話だっけ?」
「もうやっぱり聞いてなかった」
腕を組みぷりぷりとした態度に少し笑ってしまった。
ミリアは幼い頃から自分の金髪が気に入っており、一回気になった男の子がミリアの髪を馬鹿にして気を引こうとして怒らせたら、アホ毛のようなものが立ちあがり威嚇するように激しく動いたのだ。
「重要なことなんだからね、もう一回言うわ」
これは聞いておかなければいけないだろう。
「アイスと一緒の職業になれたら、その……やっぱりなんでもないわ!ほらあと少しよいきましょう!」
聞こうとしていたら、恥ずかしくなったのか、ミリアに強引に背中を押されながら協会の中に入って行くのだった。
協会の中には同い年の子供達が騒ぎあっている。
奥の方では五列に並んだ待機列で、僕達もそこに並ぶ。
五列に別れるときミリアと離れ離れになってしまったが戻ってきた時にどんな職業の適性があったのか聞けばいい。
待つこと五分、ようやく自分の番が来た。
「次の方この卵を握ってください」
目の前に鎮座していたのは拳くらいの大きさで真ん中に複雑な魔法陣が描かれており、緊張をほぐす為唾を飲み込んだ。
「お願いします」
怖くなって誰にでもない祈りを呟き、卵を手に取る。
卵は白から色々な色を変え、黒色で止まった。
「はい、貴方はシーフ系が得意な才能があるようです、頑張ってください」
業務員が笑顔で応援してくれたが、僕は少しも嬉しい気分にはなれない。
「では卵を元の位置に戻してから戻ってくださいね」
定位置に戻してから列を抜けると、違う方からざわめきが聞こえた。