怒涛の朝と魔物召喚
忘れた頃にやってくる最新話です。
行き当たりばったりで作ってるので今後もこういうことは頻繁にあると思われます。申し訳ない。
翌朝、目をさましたあたしが一番にやったことは、お父様との押し問答だった。
別に好きでそんな状況になった訳じゃない。起き上がった途端にお父様が部屋に飛び込んできて(あたしが起きるまで部屋の前で待機してたらしい)、抱きつかれたのだ。
お父様は年甲斐もなく大泣きしてるし、突然過ぎる出来事にあたしはオロオロ。
とりあえず腕の中から抜け出そうともがくも、更に強く抱きしめられる。
そうこうしている内に、騒ぎに気付いた使用人達がとんできて、お父様を説得するけど聞く耳を持たない。
あたしも使用人達も困り果てている所にお母様登場。ぐずるお父様を一括して部屋から引きずり出していった。
…お父様。まだ5歳とはいえ女子の、しかも病み上がりの子供の部屋に突撃するのはどうかと思うんですが。
勿論、お父様の気持ちも分かる。心配かけたのは事実だし、あたし自身も申し訳ないと思っている。お母様も、口には出さないだけで、お父様と同じぐらい心配しているだろう。
(お父様、お母様、心配かけてごめんなさい)
そっと、心の中で謝って、あたしはベットから降りた。
ここまでで、なんと1時間。
その後は、いつも通りに着替えて、朝食をとった。
何かもう、疲労感が凄い。ただ起きて着替えて朝食食べただけのはずなのに……。
でも、ゆっくり休んでもいられない。
今日は前々から予告されていた、大切な日なのだ。
広く薄暗い部屋の中。
頼りになるのは、蝋燭の灯りだけ。
そのほのかな灯りに照らされ浮かび上がる、白く巨大な魔法陣。
「本当に大丈夫なの?無理しなくてもいいのよ?
ただでさえ病み上がりなのに…」
「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ、お母様」
「でも…」
「止めてはいけない。
これはイルシオン公爵家に生まれた者としての義務なんだ。
…大丈夫。ミアなら問題ない。私達の自慢の娘だからな」
「ありがとうございます。お父様。
では、行ってまいります」
そう言って、あたしは魔法陣の上に立つ。
ここから先は、あたし一人でやらなければならない。
たとえ家族だろうと、手を出すのは許されないのだ。
深く息を吸って、口を開く。
《…我望むは、汝との絆。闇に生き、幻影を纏う者よ。我が声に応え現れよ。“召喚”》
詠唱を終えた途端、黒いもやが魔法陣を覆い、外が見えなくなった。魔法陣の中心も同じもやで覆われている。
そして、中心のもやが晴れたとき、そこには、
黒く、巨大なドラゴンがいた。
ラミアーナ・イルシオン5歳。
ただいまより、魔物との契約に臨みます。
※前話までの誤字脱字を修正しました。
※一部の攻略対象の髪の色を変更しました。
話には大して影響ないです。