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引きこもりの俺が、異世界で最強になる  作者: 小雨 紫音/荒木 佳
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2話 『村の村長』

 一人の女の子が俺を促す。

顔立ちは美しいというよりは可愛らしいと表すほうが良く、

髪色は美しい金色のロングヘア、目の色は宝石のように綺麗な淡い青。

なんともおっとりした感じがこれまた男心をくすぐる。堪らないな。

 俺は促されるままに泉から上がり、皆から賞賛の声を浴びる。

良くわからない状況なのは変わらないが気分が良いことは間違いない。

序に、その女の子に状況を聞くことにした。


「貴方は救世主様なのです」


 なるほどね、よく分からん。

その後もいくつか質問を繰り返し、ようやく状況を理解するに至った。

 つまり俺は長らく続いてきたこの村の予言である『この泉から勇者が現れる』

という、予言通りに現れたらしい。

それでも救世主“様”という風に敬われるのはこれまでに味わったことのない充実感。

最高に気持ちがいい。


「今夜は救世主様の出現を祝う為の宴を執り行います。どうかご参加ください」


「あぁ、構わないよ。俺の力が必要なら貸すから、その時は言ってくれ」


「はい!」


 それから村人達と共に宴が行われるという村へと向かった。

俺が現れた泉から徒歩10分程だろうか。久しぶりにこんなに歩いた気がする。

その村は良く見るような農村で都心といった感じのところからは離れの場所のようだ。


「そうです救世主様、村の村長へのご挨拶を宜しければ…」


「あぁ、構わないぜ。案内してくれるか?」


 そのまま村長の家へと案内される。

出てきたのは恰幅の良いお祖母ちゃん、この人がこの村の村長の様だ。


「お祖母ちゃん、救世主様が現れました」


「ふむ……其方が救世主か、私はこの村の村長。ユールだ」


「俺は広瀬 綾汰だ」


「アヤタか……宴の準備の間、救世主が現れるという伝承を聞かぬか?」


「そうだな、何かわかるかもしれないし。頼むよ」


 宴の準備の間、俺は泉から現れる救世主の伝承の話を聞いた。

 内容はこうだった。

この世界は長らく魔族と戦ってきている事。

そして救世主はその戦いを終わらせる様な力をもって世界を救う事。

その救世主は時が満ちた日のあの時間に、あの泉から出現する事。

 どう考えても俺が救世主だった。となるとこの世界を救うようなスンバラシイ力が俺に備わってるってことか。

なるほど、これもまた悪くないな。


「了解。そしてその救世主ってのが俺ってことか」


「そうなるな、その力をこの世界のために使ってくれんだろうか?」


 人から頼みごとをされるなんて何年ぶりだろうか。

普段は頼まれるというより命令されると言ったほうがしっくりくる感じだったし…

何処か高ぶりを感じる。


「あぁ、まだ余り実感はないが俺に力があるなら協力するさ」


 なんかいきなりこんな良くわからない世界に来てしまったが帰る手段も分からない、

序にこんな特別な力をもって世界に招かれたのなら世界を救ってもいいだろう。

 さて、ずぶ濡れのシャツと短パンから黒一色の中世のコート

のような衣装にチェンジしたわけだが、世界を救うって、俺が特別な力とやらを

駆使しして魔族をぶっ殺していけばいいのだろうか。この世界にきて、分からないこと

だらけだが、元の世界でくそみたいな生活を送るくらいなら、この世界で救世主にでもなってやる。


「協力するのはいいが、俺はこの辺りの事をあまり知らないんだが。案内とか頼んでもいいか?」


「そうだな……リアよ、アヤタにこの村の案内を頼むよ」


「は、はい! 分かりました。救世主様、ご案内いたします」


「よろしく頼むよ……ってか、救世主様って呼ばれるのも悪くないけど、アヤタで構わないよ。もっとフランクでさ!」


「わかりました。アヤタさん、行きましょ!」


異世界に召喚されたアヤタ。

救世主としての最初のお仕事はこの村の現状を知ることから始まった。

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