秋空に昇る20年後の君へ
20年後の君は、気付いてしまっただろうか? 僕はどこにでもいる一人の人間で、ともすれば君を苛立たせる存在でもあると言うことを。
だとすれば、謝らなくてはいけない。僕だって、君の前では、ずっと完璧な存在で居たかったんだ。そうすれば君は、いつまでも僕のそばに居てくれたのかもしれない。
今僕は、雲ひとつ無い秋空の下にいる。
君はあの秋空のような、雲ひとつ無い澄み切った未来に向かって昇ってゆくのだろう。
あまりに何も無い空は、時に君を不安にさせ、地面に戻りたくなってしまうかもしれない。
でも、安心してほしい。そこにはいつだって僕がいる。完璧では無くなった存在は、今でも君を愛し続けているのだから。
その時は、暖かいスープをつくってあげよう。
そして聞かせて欲しいんだ。
君の過ごしてきた20年を。
僕に聞かせて欲しいんだ。
君を愛する父より
娘はもうすぐ4才になります。
時がたつのは早いものですね。