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第一話〜翼を持った少年〜

〜桜花陸上競技場〜

『100m走決勝です。選手の皆さんはレーンへとお願いします』

競技場にけたましいスピーカーの音が響く


「さて、行くか」

今、一人の少年によって

一つの伝説が始まろうとしていた


※この作品はフィクションです。実際の人物名、地名

団体名、施設名などは現実と一切関係ありません。

『四番レーン、結崎 翔。朱音西中学』


俺は結崎 翔。朱音西中学三年二組。

俺は今、陸上競技場のレーンの上に立っている。赤々としたコース、透き通るような白い白線のライン、ここにたったのはこの大会が初めてだ。

だが俺はこうして全国大会の決勝まで来た。

優勝するため、そして”誰よりも速くなりたいから”

俺の小さい時からの夢であり、人生の目標。

ただ純粋に”速くなりたい”そしてトップになりたい。

この大会が俺の初出場になったには理由がある、俺が納得するまで試合には出ない、と

固く監督に言っていたからである。我ながら餓鬼だなとは思うが。

でも本当は、走ることが何よりも好きだ。

だから大会に出て走れないことは自分にとってつらいものだったことは間違いない。

だから俺は努力した。自分の納得できるところに登りつめるために。

その甲斐あってか、決勝までは力を抜いて走っても楽々勝てた。

自分の中でも、確かな手応えがあった。

俺は絶対誰よりも速くなってみせる。絶対に。

審判は銃を高々と上げた。そして・・・・・・

パンッ!

決戦の火蓋は今、風を切るように響いた。

スタートダッシュからフルで行く。

ダッダッダッダッ

風を切り、大地を踏みしめ、俺は走る。

周りにはかなりの大差がついており、優勝は確定的だった。だが俺は抜かない。

自分の最大限のスピードで、最後まで行く。


翔の走りは美しく、気高く、優雅で、まるで風に乗っているような、そんな感覚さえ感じる

一人の観客がこう言った。

「まるで、天を翔けているみたい・・・そう・・・まるで・・・・翼が生えているみたいに」

観客の誰もが、彼の走りをそう評した。翼があり天を翔けている、そんな感覚。

そして、翼はゴールラインを優雅に舞った。華麗に・・・そして・・確かに。

その姿は、観客の目を虜にした。


俺は電光掲示板に目をやる。タイム・・・・・・・・・

<10秒52>

そう掲示板には表示されている。

間違いなく中学最高記録。紛れも無い、天才の誕生だった。

「よっしゃ」

俺は小さくガッツポーズをする。

嬉しい。自分の努力が結果となり、こうして出てきたことが。

本当は叫びたい。だが僅かながら心にある恥ずかしさがそれを押しとめた。

 

そして表彰台に上る。

・・・・いい景色だ

雲ひとつ無い青空が陸上競技場の天に広がる

今日の景色をおれはいつになっても語ることができるだろう。

メダルがかけられたとき、観客からは拍手の嵐が沸き起こった。

そのとき初めて俺は優勝の喜びを知り、そして頬には、大粒の涙が俺の頬を濡らしていた。

父さん、母さん、天国で見てるかな・・・

俺、優勝したよ。

拍手はいつまでも、いつまでも、陸上競技場を包んでいた。

あたたかい、ぬくもりと共に・・・・・・・・・


__数日後。


〔優勝タイム10秒52!朱音西中学結崎翔!陸上界に激震走る!〕

〔突如現れた天才!日本陸上界の救世主となるか?〕


飛躍しすぎだし過大評価しすぎだっつのw

俺なんてまだまだだ。もっと努力して、もっと速くなんなきゃな・・・

まあでも・・・・・悪い気分じゃ、無いかな。自分の努力が評価されたってのはさ

コンコン

ん?誰だ?

「はい、どなたでしょうか?」

外に立っていたのはひげを生やした40過ぎの人だった。みるからに温厚で、優しそうな人

「天神学園の林というものです。話を、聞かせてくれないかな?」

天神学園・・・・・?スポーツの名門で、数多くのアスリートを輩出している、あの?

「あ、あの・・立ち話もなんなんで中でどうですか?」

「ああ、そうさせてもらおうかな」

いったい・・・何のようだろう?まさかスカウト?まさか・・・な

「私が今日ここに来たのは、君に2つ聞きたいことがあったからだ」

聞きたいこと・・・?俺に・・・・?

「俺に・・・ですか?」

「ああ、そうだ。」

いったい・・・・・・?

「まずひとつ・・君の夢はなんだい?」

夢・・・・俺は・・・・

「誰よりも速くなりたいです。誰も追いつけないぐらい・・・速く。」

俺の正直な気持ち。そして俺のかけがえの無い・・・・夢。

「なるほど、じゃあもうひとつ。いや・・・頼みだ。うちに来てくれないか?我が天神高校陸上部に・・・・・君が必要だ。」

俺が・・・・天神に・・・・・

「はい!喜んでいかせてもらいます!」

そして俺は林さんと固く握手をかわした

「詳しいことはまた連絡する。私の連絡先をわたしておく。」

「はい、分かりました。」

「じゃあ、また」

「はい!」

そして林さんは帰っていった。

「天神・・・・俺が天神に行けるなんて・・夢みてえだ」

翔は名門に認められた嬉しさと、憧れの天神にいけることを心から喜んでいた。


そしてその日から翔は陸上界で、走るときの優雅さゆえにこう呼ばれるようになった。

”天翔ける翼”と。

この日、伝説ができた。”天翔ける翼”という生ける伝説・・・・・

だがこのときはまだ誰も知らなかった。

結崎 翔を待つ悲惨な運命と、彼の背負う大きな運命を、このときはまだ誰も知らない・・・



運命という波は大きくうねり、静かに動き始めた・・・・・・・・


”天翔ける翼”を待つ、多大な運命・・・・・・


結崎 翔。一つの運命が・・天空に漂っていく・・・・・・



                          to be continue.........

















第一話、更新いたしました

気に入っていただけると嬉しいです

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