イヤフォンとブレイヴ
掲載日:2013/08/31
両耳に挿した紫色のイヤフォンは、いわば私のバリケードだった。
音楽をかけてしまえば外の音は聞こえなくなるし、なにより「なにも聞いていないフリ」ができる。
誰かが私の噂をしていても、聞こえない。なにも聞いていない。
私のことを指差して笑ってたって、そこから視線さえ逸らしてしまえば、なにも見えない、聞こえない。なにも知らない。
ただ、それは相手にどう見えているかという話。
本当は、何も聞こえない分、聞こえないフリをしている分、神経はどんどん過敏になっていく。
だんだん、「何も聞こえないフリ」をするのが、辛くなる。
両耳に挿した紫色のイヤフォンは、言わば私のバリケードだった。
音楽をかけてしまえば外の音は聞こえなくなるし、なにより「何も聞いていないフリ」ができる。
でも、それはあくまで外面上のこと。
いつかは、自分を指差して笑う人達に、仕返さなくちゃいけない日がやってくる。
でも、まだ少し勇気が足りないから、
取り敢えずイヤフォンだけは、外してみようと思う。
今気づいたけど、紫色のイヤフォンって、あんまり売ってませんよねー。
私が持ってるのは無難に白ですし。




