弐
頭のなかが混乱する。
何をされるの?
剥製?臓器売買?麻酔なしの手術?
「臓器売買なんかしねぇよ。臓器なんて見てられっかよ気持ちわりい」
男は不貞腐れたように言った。感じ悪…。
「翠さん、悪いけど茶出して下せぇ。全員分お願いします。兄貴も飲みますよね?」
サングラスにスキンヘッドが特徴的な男(以後、グラサン)が言った。
「飲む」
兄貴と呼ばれた男(以後、ボス)は相変わらず不貞腐れたように言った。私と目が合えば顔を赤らめて、グラサンにつつかれていた。
お茶だけではあれなので、お茶菓子やお酒も出した。
「太っ腹〜♪いや、悪いね翠さん」
グラサンはルンルンして言った。
「みんな、飲もうぜ〜」
午後1時の宴が始まった。
お酒がはいり、ほろ酔い…ではなく、宴会が始まった。
はやく帰ってきてよ、おじいちゃん。はやく帰れよ、馬鹿溜まり…。迷惑である。
「翠、悪いな」
全くだ。
「本当に、じーさんが何処に行ったのか知らないのか?」
「はい」
「マジかよ…。弱ったな」
ボスは髪の毛をくしゃりと掴んだ。
「あの、そんなにお金を借りているんですか?」
心配になってきた。借金の額が億単位だったらどうしよう…。
「借金なんて、たいした額じゃねぇ」
え?
「俺達は借金取りに見えるかもしれないが、違う。本当の目的は金じゃねぇ。借金とは言うがほんの数千円だ」
ボスはそう言うとあくびをした。
「本当の目的は、じーさんから聞きな。あとで知ることになると思うがな」