ため息
掲載日:2026/07/30
なにもいらないことが
一番強いことだと想っていた
困った青春の季節
いまでは
なにももたない恐怖に震え出して
なにももたないことが一番美しいと想う
ほんとうに
生きさせてもらえて
ありがとう
誰に告げればいいのかわからないまま
深く腰を折り
苦しみを流すように御礼を云う
飢えの恐怖を知っている
言葉に飢えたこともある
やさしく騙されたこともある
二度と許せないやさしいだけの愛
からだを引き裂かれた涙が凍ったとき
どんな風も肌に吹きはしなかった
陽光を遮る悲しみの灰色の雲
手を伸ばしても届かない
大気に混ざるみずいろのため息




