覚醒させるクサヤ
俺たちは、街に入る前にクサヤを食べてしまおうと、焚き木を集め出した。
そして少し開けたところに、焚き木した跡があったので、ここでクサヤを焼くことにする。
「なぁ、火ってどうするんや」
と俺は言った。
「火打ち石とか持っとらんのかい」
とケノは尋ねた。
俺はカバンの中を探し出す。
それっぽいのがあった。
「これか」
と俺は尋ねた。
「そうや」
とケノは答えた。
「どうすんねん?こんなん使ったことないぞ」
と俺は言った。
「なんやだらしない奴やな。ほら貸してみ」
とケノは手を差しだす。
俺は火打石を渡すと、火打石が大きすぎて、倒れ込む。
「なんやだらしない奴やな」
と俺は言った。
「小さいサイズのやつ出せや」
とケノは叫んだ。
「そんなんないわ」
と俺は答えた。
「しゃあないな。こう石と石をぶつけあうねん。ほんなら火花が出るから、その火花を燃えやすいものにつけんねん」
とケノは言った。
「燃えやすいもの……、
なんかあるかな?
あっあったわ、汚い布。
これ燃やそ」
と俺は言った。
「ちょっと待て、それ俺のパンツや。燃やすな。替えがないねん」
とケノは叫んだ。
「ほんまか。小さすぎてわからんかったわ」
と俺は言った。
ケノはふてくされている。
どうにか火が付き、
クサヤを焼き始めた。
「なぁ。プライベートな事聞くけど、お前なんで死んだんや」
とケノは呟いた。
「あぁ俺はな。
多分ノックアウト強盗にあったと思う。
売上3万円盗まれて、死んだんや。
お前は?」
と俺は言った。
「俺はな。喧嘩や。
喧嘩で刺されて死んだんや」
とケノは呟いた。
「喧嘩?あんまり強そうには見えんけど」
と俺は尋ねた。
「こう見えてもな。昔は大きかったんやで、身長が185cmで体重は88㎏あった」
とケノは頭をかいた。
「えらい落差が激しいな。なんでそんな小さいオッサンになったん?」
と俺は尋ねた。
「俺な。子供のころから図体がデカくて、よく絡まれてん。毎日喧嘩や。そして挙句の果てに、刺されて亡くなったやろ。神様にな。もうあんな大きい身体は嫌や。カワイイ感じになりたいんやって言うてん」
とケノは答えた。
「小さすぎるやろ」
と俺は言った。
「せやろ。こんな小さくなるなんて思わんやん。ほんまビックリしたわ」
とケノは頭をかいた。
クサヤが焼けた。
「クサヤ焼けたで。食おか……」
と俺は言った。
俺たちはひたすらクサヤを焼き続け、ひたすらクサヤを食った。
「なぁクサヤ美味いけど、こればっかりはきついな。なんかないんか」
とケノは尋ねた。
「そうやな。パンやったらあるで。食うか?」
と俺は答えた。
「頼むわ」
とケノは言った。
俺はパンを渡す。
「この世界のパンって堅いねんな。おしゃれなパンみたいや」
と俺は呟いた。
「あるよな。おしゃれなパン屋。めっちゃ堅いから、若い女しかいけへんねん」
とケノは言った。
「何言ってんねん。俺行ってたで」
と俺は胸を張る。
「どうせ、店員が可愛いからとかやろ」
とケノは言った。
「なんでわかんねん。お前はエスパーか」
と俺は眉間にしわを寄せる。
「わかるわ。そんなん。お前堅いパン好きそうな顔してへんやろ」
とケノは笑った。
「ちょっと待て。俺今見た目若いやろ。年齢18くらいやで」
と俺は言った。
「わかってないな。お前は中身がオッサンなんはスグにわかる」
とケノは答えた。
「まぁオッサンやけどな。ちょっと待て、眠たくなってきた……」
と俺は、そのまま眠ってしまった。
(ぱちぱちぱちぱち)
焚き木の音が、なんだか子守歌のように聞こえていた。
……
「おいミック。
おいミック。
しゃーないな」
「いてててててて」
俺は鼻に違和感を感じて、飛び起きた。
気が付くと、ケノがニタニタ笑ってる。
「起きへんから、鼻毛引っ張ったってん」
とケノは笑った。
「なにすんねん。なんなん。人が気持ちよく寝てんのに」
と俺は言った。
「お前さっきから、通知がとんでもないスピードで来てるで」
とケノは答えた。
俺はステータスを確認する。
「ステータスオープン」
(ぽよん)
おっ開いた開いた。
なになに。
名前:ミック
年齢:18歳くらい
職業:伝説級の荷物持ち
レベル:58
体力:ものすごい
知力:ものすごいアホ
攻撃力:ものすごい
防御力:ものすごい
魔力:ものすごい
力:ものすごい
魅力:ものすごい
素早さ:ものすごい
器用さ:ものすごい
運:ものすごい
経験値:マシ
HP:ものすごい
MP:ものすごい
所持金:10G
アイテム:荷物袋、薬草、パン、水、
魔法:-
----
あれなんか滅茶苦茶に上がってへんか?
さっきナンボやった。
レベルは10やった気がするけど、58になってるやん。
ちょっと待て。知力のところアホが、ものすごいアホになってるやん。
あとほとんどのステータスがものすごいに変わってる。
「なぁケノ。これってスゴイ強いんちゃうか?もしかしたら覚醒したんかもな」
と俺は言った。
「強い思うで、こんだけレベルが高かったら、あれや。ドラゴンとかも一発で倒せるわ」
とケノは答えた。
「なんや。これ神様にもらったクサヤが覚醒アイテムやったんか?ケノお前はレベル上がってへんのか?」
と俺は尋ねた。
「ちょっと待ってな。うーん上がってへんな。お前だけが覚醒したんちゃうか」
とケノは腕を組んで考え込んでいる。
「まぁでも。これで後は楽勝やな。チート状態で無双できるわ」
と俺は笑った。
「ほんまや。伝説の勇者様とか言われんで」
とケノは言った。
「もうすでに伝説級の荷物持ちって称号になってんねん」
と俺はステータスを見せた。
「始めてみたわ。伝説級の荷物持ちなんか……、
お前本当にすごい奴やってんね」
とケノは俺の顔をまじまじ見る。
突然ケノの身体が黄金に輝きだした。
「お前なんか光ってんぞ。覚醒したんちゃうか」
と俺は言った。
ケノはそのまま倒れた。
「ケノ大丈夫か?」
と俺はケノを指でさする。




