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迷いの洞窟

俺とケノは洞窟の中を歩き出した。

ただケノが小さすぎて、スピードが合わないので、胸ポケットに入れる事にした。

しかし、小さいオッサンを胸ポケットに入れるのは、どうも抵抗がある。

まぁ仕方がない。


30分ほど歩いても、出口は見つからない。

ふと見るとケノは眠っていた。

腹立つから起こそうとも思ったが、面倒くさくもあるので、寝たままにしておいた。

しかし魔物も敵もでてないから良いが、ちょっと不安でもある。


あれ?俺さっきからぐるぐるおんなじところ通ってへんか。

どうしよ、これ永遠にでられへんパターンや。

ケノに言っても道知らんからな。

ややこしくなるだけや。


こういう時は、あれや。パンを目印にするやったな。

それやってみよ。

あれちょっと待ってくれ。

パンを目印にしたら、俺の食べるパンがなくなるやんか。

どうしよ?


あっそうか。


パンをちぎってまくやろ。

そしたら目印ができる。


でもパンはもったいないな。 


だから、それを拾って食う。


そしたら、また少し進んで、パンをちぎってまく。


またこれで目印ができる。


そしてそれを拾って食う。

これやったら目印はできるし、パンも食える。

完璧や。よしやろ。


俺は10分ほど歩き、振り返る。


あれ目印ないやんか。

これ何かに絶対食べられたやつや。

そういえば、そのパンを撒く話は、目印がなくなるオチがあったわ。

うかつやったわ。

ネズミかなんかおるんやわ。


あっ、でも……

俺さっきパン拾って食ったから、腹は減ってへんから、まだマシやな。


さすが俺氏、頭ええわ。


えっちょっと待ってくれ。

俺なんか見落としてへんか……。


わかった。

これやわ。


『出口』


だって書いてるもん。

『出口』って。


俺は急に気が抜けたのか、

少し膝が抜けそうになった。


「おいケノ、出口ついたで」

と俺はケノをつつく。


ケノが目をこすりながら、

「あぁついたか。おおきにな」

と言った。


俺たちは外に出る。

光が真上から降り注ぎ、世界が黄色と白に見える。


「うわ。目がくらむな」

と俺は額に手をやる。


「ようやく外に出たな。この後はこの道まっすぐや。まっすぐに行ったら街につく」

とケノは言った。


「そうか。

じゃあケノ、

ここでお別れやな」

と俺は言った。


「何を言ってんねん。

もうパーティ組んだやろ」

とケノは怒った。


「そんなん聞いてへんぞ」

と俺はケノを引っ張り出す。

ケノは空中でジタバタしている。


「お前な。小さい子は大切にしろって教わらんかったんかい」

とケノは言った。


「小さいオッサンを大切にしろとは、教わらんかったわ」

と俺は答えた。


「お前な。街の常識とか知ってるか?知らんかったら、面倒なことなんで」

とケノはニヤニヤ笑った。


「わかったわ。じゃあ役に立てよ」

と俺は答えた。


まぁこんな怪しいオッサンでも、

一人でいるよりはマシかと少し思った。


……

俺とケノは街道を歩いた。

街道と言っても、舗装されていない土がむき出しの道だ。


「なぁケノ」

と俺は言った。


「なんや、ヒマなんか」

とケノは答えた。


「前から思っててんけどな。道路の白線がやたら薄いところあるやろ」

と俺は言った。


「あぁあるな」

とケノは答えた。


「あれな。なんとかならんのかな」

と俺は言った。


「なんでや」

とケノは尋ねた。


「もう、めちゃくちゃ勘で走らんとあかんやんか。

めちゃビビるやん」

と俺は言った。


「あれや。間違いない。ポッケにないないしてる奴がおるんやわ」

とケノは答えた。


「ほんまか、それエゲツない悪やな」

と俺は言った。


「まぁ知らんけどな」

とケノは言った。


「知らんのかい」

と俺は突っ込んだ。


ケノは舌を出して、テヘという顔をしたが、次の瞬間……。

舌を噛んだ。


「うわ。舌噛んでもうたやんけ。テヘという顔をする時は、気を使っていったん歩みを止めろやボケ」

とケノは叫んだ。


「知るか。オッサンの癖にテヘとか、するからやろ。ボケ」

と俺は言った。


(キャー)


「ちょっと待て、オッサン言うな。小さいオッサン言え」

とケノは叫んだ。


「小さいオッサン気に入ってんのか。アホやな」

と俺は笑った。


「微妙にカワイイやろ。カワイイとモテるやん」

とケノはモジモジした。


(オラー金目のものをだせ)


「まぁな。カワイイの狙うわな」

と俺は言った。


「そうやろ。ところでなんかさっき聞こえへんかったか?」

とケノは尋ねた。


「あぁ、あれちゃうか」

と俺は指をさした。


遠くの方に、盗賊達に襲われる高そうな馬車があった。

護衛の騎士らしきものが、応戦している。

ただ多勢に無勢。

騎士たちが押されているようだ。


「盗賊か、なんやしょうもな」

とケノは言った。


「しょうもないって、あれはイベントちゃうか。

俺がばこーんと助けて、

それが姫様か、貴族の令嬢、商人の一人娘とかで、

褒美貰えるやつ。

覚醒イベントじゃないけど、

身分を固めるのにはええやつや」

と俺は言った。


「何を眠たい事いってんねん。

そんな都合のいい話があるわけないやろ」

とケノは答えた。


「いや、わかってないな。

こういうのは定番やねん。

助けに行って褒美貰わんと。

あ、あかん。

褒美……、お嬢さん。

人助けをしただけ、そんな物はいらないですよ。

こう言わんとな」

と俺は顎をかいた。


「ほんま。お前眠たい奴やな。

まぁ見とれ。

盗賊はギャフンと言って去っていくから」

とケノは言った。


「いまどきギャフンって、いわんやろ」

と俺は笑った。


騎士と盗賊は激しくやり合っている。

(かんかんかんきーんかんかんかんきーん)


「あのかんかんかんきーんって音、あれええな。

お金に変わる換金みたいで、

あぁパチンコやりたくなってきた」

とケノは言った。


「騎士と盗賊がやり合ってる音聞いて、パチンコの換金連想するやつ。

初めて見たわ」

と俺は笑った。


「もうすぐ終わるで」

とケノは腕を組んだ。


「もうすぐって、まだ盗賊いっぱいおるで」

と俺は言った。


馬車からあどけない少女が一人出てきた。


「危ないで」

と俺は言った。


「まぁ見とれって」

とケノは言った。


少女は小さなお箸のようなものを天にかかげた。


(トキメキトキメキクルルンパツッコミマジボケコンポーネ 出でよ大魔神)


突然空に50㎝ほどの炎でできた人形のようなものが出現した。


「なんやあれは」

と俺は腰を抜かす。


「あれはな。高位のなんかや」

とケノは自慢げに言った。


「いや……。高位のなにやねん」

と俺は尋ねた。


「あのな。高レベルのなんかしか使われへんねん」

とケノは答えた。


「ほんなら、あれで盗賊達は壊滅か?」

と俺は尋ねた。


「間違いないやろ」

とケノは言った。


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