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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

結論として、誰でもJKになる

作者: 孤独

ある日になると、大量の請求書が届くものだ。

それは国家を支える世界最高峰の科学者の一人とて、例外ではない。


「フレッシュマン博士。この研究費はなんだ?」

「あ~、それはのぅ。昔々、……儂が研究し、完成させた」


”誰でも女子高生になれる薬” の賠償請求に当てている研究費だ。


「…………お前、頭おかしいな」

「お前まで言うか、ダーリヤ!!言っておくが、儂は嘘を突いてないからな!もう20年以上も前になる研究成果に、未だに文句を言う奴等がおって、敵わんわ!!ダーリヤ、お前がこいつ等を消してくれ!」

「フレッシュマン博士にやるのは、研究費とその土地を貸すくらいだ。お前の昔の出来事など、知るか」


ロシアの最高軍事総司令に対して、こんな軽口で気の合う人物として話せる科学者。

キルメイバ・フレッシュマン博士は、各国で様々な偉業と災害を成した、紛れもなく天才狂科学者であり、何よりも巨大さにロマンを追い求める人物。だが、


「天才だからこそ、神様がバカというのを与えたような男め」


巨大ロボットを開発して、小国を潰しちゃったり。宇宙開発の多くに関わるが、国全体を宇宙空間に放り込もうと計画と実行をしたり、AI技術の発展にも貢献し過ぎてしまい、大国の機密情報をAIが自動で吸い上げては情報を攪乱させてばら撒いてしまうモノを作ったり。鯨を食べるくらいになるほど蟻を巨大化させたり……。

とにかく、幅広く分野に精通して、功績を残すが、多くの国が手放すほどの人的被害を生み出した科学者。その実力”だけ”を評価し、現在はロシアの最高科学者として雇用されている。彼の暴走を抑えられるのも、匹敵する奴がいないといけないわけだ。


「ダーリヤ!この話は、儂は全然!!悪くないからな!!」



◇          ◇



フレッシュマン博士は大きいモノにロマンを感じる。

大望するならば、


「宇宙の規模を越えた存在を作り上げる!!」


地球という星すらカスの一つにしか思っておらず、その地球の中で暮らしている自分も、それほどの存在とも思っている。

巨大化にはロマンがある。


「儂はこれより!ある研究に励む!どうか金を貸してくれ!!」


まぁ、なんにしても金がいるのだ。

かなり色々とかいつまんで、嘘偽りなく、キャッチ―なフレーズで投資者達を刺激しなければ……。この頃のフレッシュマン博士も、すでに有名な流浪な科学者だった。


「結論として!!誰でも女子高生になれる!!!」


その一言は衝撃であった。


「その薬を作り上げる!!この儂ならば、半年で制作してみせよう!!生物の遺伝子を刺激し、必ずやその姿形になることを皆に証明してみせる!!世界に普及するまでに、2年とかからないはずだ!!」


半年という研究期間で成すなど、完全なる詐欺師の手口に思えるが……言っているのは、あの科学者だ。その結果が10年後、20年後となれば、ともかく。自分が生きている時代にそんな世紀の発明ができるのならば、……使わぬ金が各国から彼に渡されるのは、当たり前だった。


「きゃーーー!!若返り薬ができるのなら、投資に遠慮はいたしませんわ!!」

「これは革命になる!!たった2年でそんな成果がでると、豪語するなら!!」

「ぶひーーーっ!!俺達だって、女子高生になりたーい!」

「トランスジェンダー歓喜の薬じゃないかーー!!」


老若男女問わず、……若返り薬 かつ 性転換ができるという薬。

投資される金額は、フレッシュマン博士のバカげたロマンに協力する金額を、軽々と超えて来た。みんなして思う。

若返り薬は欲しいし、色んな意味で生まれ変われる薬を望む者達は多いのだ。


そして、大量の資金と用意された研究所、協力してくれる者達と共にフレッシュマン博士は……


「完成したぞい。5か月でできてもうたわ」


自分が研究の中で簡単に成長しちゃうくらいに、天才ではあった。確かに天才であったのだが



◇         ◇


「ま~ったく、用法はちゃんと読まんかい。ムカつく連中じゃわい」


人々はフレッシュマン博士が若返り薬や性転換する薬を作ってくれるかと思ったが、


「新生児を、1時間だけ、高校生ほどに成長できる薬を作ってやったというのに……!!なんで儂を嘘つき扱いするんじゃ!そもそも、勘違いして服用した者達が薬害を訴えるとは……!」


フレッシュマン博士が作った薬は、超強力な成長促進剤であった。確かに若返るなんてことは一言も言っていない。勝手に相手が勘違いしただけである。もちろん、その中身を知っていて投資した国家もいるのだが


「大人並に大きくなっても、知能は赤子同然では、社会的にも軍事的にも役に立たんな」

「儂は!!身体を成長させる薬は作るけど、道徳などをどうこうする薬は作らん!興味ない!!」


新生児が段階を大きく飛ばして大人になっても、役に立つわけもない。そして、3歳以上からの服用に成長が暴走してしまい、老化まで到達するのだから困った代物。こんな薬を大人が服用したらとんでもないね。

とはいえ、1時間ほどの効果で、元に戻れる仕様にしているのは、フレッシュマン博士は……


「若返りなんぞ、今に生きる人間達の冒涜じゃ!」

「確かにな。死があってこその挑戦だ」


ダーリヤも、概ね、フレッシュマン博士の意見と同じく。

それとは別に興味本位。ダーリヤが言う分には、普通に回答するだろう。権力に溺れる存在だったら、逆鱗に触れて殺されるだろう。


「……実際、お前なら作れるんだろ?」

「若返り薬のことか?今なら2か月ほどで作れるが?(体の状態に限るが)お前みたいに今も成長できる奴は欲しがらないだろ?」


フレッシュマン博士さぁ…………

そこが人類の敵らしさではあるんだけどさぁー……



おまけ:


ダーリヤ:しかし、未だにこの薬が製造されているのはなぜだ?

フレッシュマン博士:ん?ああ、真面目なお主には理解できんだろうが

ダーリヤ:?

フレッシュマン博士:赤子が大人の身体を持つことを喜ぶ界隈がおるそうだからの

ダーリヤ:…………とても不愉快だな

フレッシュマン博士:儂は人間共に説明するために生まれてきておらんわ!


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