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出会って0秒婚、決めちゃいました

はじめまして!最強勇者の俺、アイルです。

…絶賛婚活失敗中の作者です。


勇者がラスボスにプロポーズしたら、世界はどうなる?

出会って0秒で婚約した爆速ラブ(?)ファンタジー、始まります。


通学・通勤・寝る前の5分に、クスッと笑っていただけたら嬉しいです!


各地に潜むダンジョンを旅して回る最強の勇者アイル。


それが、俺だ。


今日も変わらず、ダンジョンのラスボスを倒して終わるはず、だった。


が、ラスボスとして現れた魔王の娘がとんでもなく俺の好みの美少女だったのだ!




「俺と、結婚してくださーい‼︎」


「はいッ⁉︎」



出会って0秒婚、決めました。






「さ、次がダンジョン最深部だな。」


俺は各地に存在するダンジョンを潰して回る勇者をしている。


最強の勇者と名高い俺に、攻略出来ないダンジョンはなく、今回のダンジョンもあっという間にラスボス前に辿り着いていた。


「んじゃま、行きますか‼︎」



デカくて重たい扉を両手で押す。


ギギー…不快感がする音を立てて扉が開いていく。


隙間から吹き出してきたのは、目が開けていられないほどの熱気。

反射的に防御シールドを展開する。


ゴロゴロと転がる岩、ドロドロに煮えたぎる赤黒い溶岩は泡を立てている。

汗一つも流れないほどの高温だ。

足を踏み入れた時、俺の靴がジュゥと音を立てた。



……そんな中。



「よく来たわね。」




仁王立ちしているのは、

どちゃくそ可愛い美少女だった。

地面に剣を突き刺し、こちらを睨みつけるように続けた。

正直その視線に俺の新しい扉が開きかけた。



「よく来たわね、勇者達。

でも、ざーんねんッ。ここまでよ。

さ、捻り潰してあげるからかかってきなさい。」




いや、もう。その話し方も声もめっちゃタイプです。


出逢えた奇跡に感謝!世界よありがとう‼︎


勇者である事など放り出して俺は、彼女に向かって走った。



「めっちゃタイプです!結婚してください‼︎」


「はいッ⁉︎」


「よっしゃぁあああ‼︎」



彼女無し=年齢の俺、嫁できました‼︎


困惑した表情を向ける彼女を見て、ハッとなった。


いきなり嫁をほっといて喜ぶなんてダメだよな。




「失礼した!俺は勇者アイル。

失礼ですが、お名前を伺っても?」


「…リリスよ。って、戦いに来たのでしょう?

かかって来なさいよ。」



いやいやいやいや…展開が早すぎないか?

戦闘って大賛成だけども。


「俺、順序立てて関係を深めていきたいと思ってます。ご趣味とかありますか?」


俺のヘタレェー!!

地面の熱気など気にせず、床を転げ回りたい気分だ。



「アホだな」


「うん、アホだわ」



後ろから聞こえる仲間・ダンとルシウスの軽蔑するような声がしたが知らん、無視。


ん?


リリスの視線が、後ろの2人の方を向いてないか?


まさか…あいつらの方がタイプなのか!?


それならば、恋のライバルだ。



俺は無言で剣を抜き、リリスに問いかける。



「あの中に2人どちらがタイプですか?

俺の世界には邪魔なので殺して来ます。」


「いないいない!あえていうならあんたが1番怖いわよ‼︎なんなのその威圧感!」


「俺が1番…?いや、俺も1番です!リリスさん。

俺たち気が合いますね!そうだあっちの溶岩でおしゃべりでもしませんか?」


「話すぐらいなら、別にいいけど。

あっちにベンチを置いてるわ」


奥には、確かに2人掛けのベンチが置いてある。

マグマもドロドロと流れていて、風情があってバッチリだ。


「行きましょう。リリスさん」


「…ええ。」


ダンとルシウスは、どこから取り出したのかティーセットで優雅にお茶していた。俺にもよこせ。



ベンチに並んで腰掛ける。

2人掛けの小さなベンチなので、彼女との距離がとてもちかい。

何やらいい匂いもする。



「リリスさん、ラスボスのお仕事大変じゃないですか?」


「そうね。たまに怪我をする事もあるからしんどいわ。」


お、ちょっとリリスの雰囲気柔らかくなってないか?

それより、一つ気になることがある。


「…怪我するのか?」


自分でも驚くほどの低い声が出ていた。



「それはするわよ。仕方ないじゃない。

…本気で戦ってるんだもの。」


彼女の声が震える。強がっているだけで怖いのかもしれない。


「そか。じゃあ俺寝返るわ。」


「は?」


「これから俺がリリスのこと全力で守るからさ、ここに住まわせてくれよ」


「はいッ⁉︎」


「ありがとう!リリスを狙う勇者なんて蹴散らしてやるから安心してくれ!」


「いやあんた、勇者じゃないの?」


「いいえ!今は恋の狩人です。」


「…戦士じゃなかったかしら。まぁいいわ。

それよりここに住むって言われても、何もないわよ?」


「それは大丈夫!ルシウスが家でも建てるから‼︎

俺がついたからにはもう安心だぜ!」


親指を立てる俺に、リリスははじめて笑った。


「ダンジョンに家はやめてちょうだい。

…いいわ。

婚約者(仮)として、お父様に紹介するから屋敷にいらっしゃい。」


そう言ってリリスはベンチから立ち上がって俺をみる。


強気で小柄な美少女を見上げるのもまた格別だった。


最後までお読みいただきありがとうございました!

勇者のくせに即プロポーズとか正気か?って思われたかもしれませんが、

……作者の願望が詰まってます。笑


リリスとの出会いから始まるラブ(?)とバトルの物語、

少しでも楽しんでいただけたなら幸いです!


感想・ブクマ・評価など、励みになります!

よろしければぜひ、よろしくお願いします

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