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説明
「えーと、まず落ち着こう。言っとくけど俺は魔族じゃあない。吸血鬼ってだけ」
「変わんないじゃ「変わるよ」・・・」
「魔族は魔族。吸血鬼とか悪魔とかは魔族じゃない。魔族は魔族で、吸血鬼は吸血鬼」
「じゃあさっきの千里眼は?」
「そもそもあれは魔族の技じゃなくて、魔力量が多い種族が鍛錬したら使えるようになるものだよ」
「OK。魔族じゃないってことはわかった。でも吸血鬼なら殺さなきゃいけない気がする」
「それが同郷の者だったとしても?」
「どういうこと?」
察し悪いなー。
「こういうこと」
『!!』
「分かった?」
「それって、日本語だよね?」
「聞いての通り」
「うわー、俺ら以外にも日本人っていたんだな。感ど「静かに」ん?」
辺りに気配。
「ゴオオオオオオオオオオオオ!!」
木々を突き破って迫るのは、四本足に二枚の羽根を背に持つ竜だった。