前世
「さて、気を取り直して会議をしよう」
机に向かい合い(結局会議室)、会議を始める。
「会議っつっても何すんの?」
確かに何すんだ・・・。 室内に沈黙の時間が流れる。
「討伐っていつやんの? 今日?」
「別に今日でもいいけどさー、もっとこう、何かない?」
「何かとは?」
「・・・こう、準備とか」
「別に準備なしで行けるっしょ」
この感じ、あいつに似てるな・・・。
「準備なしで行けるんだったら、まあ今行ってもいいか」
「よし、行こう! ソウキ、転移して」
ソウキ!?・・・いや、名前が同じだけの別人か。同一人物だったとしても前世の名前で呼ぶわけないもんな。
ソウキと呼ばれた銀髪の少年の足元に魔法陣が刻まれ、周囲を光に包んだ。
____________________________________
俺には前世の記憶がある。
宮川京矢、記憶の通りであれば地球で十六年三か月を生きた。
代り映えしない生活の中で俺を変えたのは一つの光。
雨雲の上から雲を蹴散らしながら落ち、俺含め辺りの数人を天に送ったであろうあの
____________________________________
光がおさまると、俺たちは木々に囲まれた場所にいた。
何処だここ。
「ここはザンドル森林、竜がいる森だよ」
銀髪の解説。
へえ、ここがねー。
OKOK、じゃ千里眼発動。
『!?』
周りが驚く気配が伝わってくる。それも当然、俺の眼球からとんでもない量の魔力が出てるはずだし。お、竜発見。
千里眼を切る。
「今のは、何?」
警戒しながら青髪が訊いてくる。
「千里眼」
銀髪がこのワードに反応して術式を組み始めた。 どうやらこの銀髪、千里眼の出自を知ってるみたいだ。
「千里眼って・・・あれのこと?」
「いや、そっちの千里眼じゃなくてもっと別のもの。この世界の魔術とはちょっと違う魔法・・・魔族限定のね」
今までしゃべったことのない薄紫の髪の少年の質問に銀髪が答える。
それを聞いた全員が臨戦態勢をとり、武器を向け、術式を組む。
どう説明したもんかなぁ。