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休憩時間の一時

フェイトが休憩をして居る間に

ジュリアが騎士団長達に資料を渡した。

これは、例の作戦についての資料だな。


「さて、少しは目を通しておこうかな」

「だな、俺達がやり合っても時間掛かるしよ」


騎士団長同士の戦いなのだから

当然、かなりの時間が掛かるのだろう。


「クク、しかし主らも結構強いのぅ。

 フェイトを倒せるとは驚きじゃ」

「当然だ、俺達は騎士団長だぜ?

 あんたらみたいな規格外には

 そりゃ及ばねぇかも知れねぇが

 国を守る騎士達の長が弱かったら

 示しがつかねぇからな」

「それに、私達は1つを突き詰めてきましたわ。

 フェイトはシャナに憧れて

 多種多様な技量を満遍なく鍛えていますが

 我々は1つ、自身が誇れる技術を鍛え抜いてますわ」

「まぁ、それでもシャナには勝てないんだけどね」


自分の技術に絶対の自信を持っては居るが

それでもシャナには敵わないって確信があると。

マジで強いんだな、流石はシャナだ。


「我が家は歴代の当主達が残してきた技術があります。

 主には剣技ですが、各代で得意な得物も変わっており

 その技術全てを次代に引き継いで居た歴史があります。

 当然、今代の当主は歴代全ての当主よりも強く

 あらゆる技術を学ぶのは当然の事ですよ」

「俺はそんな由緒正しい家柄じゃねぇからな」

「私の家は昔から騎士団長でしたわね。

 とは言え、我が家は初代から今代まで

 槍を扱った技術のみを極めてますわ」

「こっちは最近だからね、拳銃は」

「私もですね、魔法が一般に普及したのは最近ですし」


そう考えてみると、結構差が出てくるのかもな。

シャナ、イリスはかなりの歴史がある家であり

技術とかの英才教育を受けてただろうが

他の3人は結構違うってのは明確だろう。

ジーニスの銃器も最近出来た装備らしいし

シャンデルナの魔法も最近普及した物だしな。

シャーリスは戦い方の荒々しさから考えても

歴史の深い家柄って感じはあまり感じ無い。


「家柄というのも重要なのじゃな。

 まぁ、儂は分からぬが」

「そりゃ、お前は400年以上生きてるしな」

「まぁのぅ、因みに主らは得意とする技術で

 シャナに勝てると言う自信はあるのかのぅ?」

「いえ、私は槍術でもシャナには劣りますわ

 そもそも、私の家に伝わる技術は主には

 防御に優れた技術ですわ。

 速度に特化しているシャナに勝つのは困難かと」

「銃器の扱いだったら自信あるよ?

 そりゃね、銃器扱ってあまり経ってないシャナに

 かなり長い間触れてる私が負けるのは……

 いや、下手したら負けそうな気はするけど」

「俺は無理だな、大剣振っても当る気がしねぇ」

「私としても、シャナさんが魔法開発を行なった場合

 才能で負けるのは間違いないと思ってますよ。

 私の目からしても、シャナさんには魔法の才能がある。

 恐らくは風属性の魔法でしょうが」

「風属性の魔法適性と? 何故そう思うんだ?」

「風塵の剣がありますし、可能性は高いかと」

「そうじゃな、儂もその可能性はあると思うのじゃ」


宝具が覚醒したって訳だし、

もしかしたら才能があるのかもって事か。

しかし、風属性の魔法かぁ、シャナにそれがあるとすれば

かなり応用してきそうだよなぁ。


「いえ、あれは家宝の剣が覚醒しただけだと」

「宝具の覚醒条件は予想が大半を占めておるが

 儂の経験上、武具を作った者の願いがこもっておる。

 もしくは、使用者が長く使い続けたことにより

 その魔力が武具に付与されて宝具になる。

 あるいは、その両方では無いかと予想しておる。


 つまりは、主の宝具が覚醒したのは

 歴代の主の先祖が武具を使い続けたことにより

 魔力が武具に蓄積され続けておる状況で

 主が危機的状況に陥った際に

 無意識に力を込め、その際に主の魔力に武具が呼応し

 一気に宝具として覚醒したのかも知れぬ」

「うーむ、どうなのでしょう」


宝具の覚醒条件って、ドリーズも分かってないんだな。


「じゃが、宝具という物は一代で出来る事もある。

 その時に握っていた者の心が大きいのかもしれぬな」

「じゃあ、ダンジョンとかに宝具はねぇのか?」

「いや、あるのじゃ。特別な力を得た武器を

 その際の持ち主が危険視して人が近付かないような

 そんな場所に納品しておく事は何度かあるからのぅ。

 じゃが、偶然生えてくるような物ではない」

「つまり宝具というのは」

「その武具を持っておった者の修練が至った境地

 その武具を持つと言うことはその者の勲章じゃ。

 とは言え、入手経路次第では飾りではあるが

 たまに代々受け継いできた家宝という場合もあるが

 それはそれで先祖の勲章じゃからなぁ

 まぁ、安易にそれを自分の力として振うのは良くないが」


色々と調べたっけか、そう判断したんだろうな。


「因みに、儂が人類を滅ぼさない理由はこれじゃ」

「え!?」

「人間が鍛錬の末、今までに無かった物を生み出す。

 うむ、これを見ておると、人類は面白いと

 そう感じてきたのじゃ。

 まぁ、儂に相応しい人間のオスが生まれないかもと

 少し期待してたのもあったがのぅ」

「そっちはおまけだったのか?」

「うむ、あり得ないと思っておった。

 人間のオスは魔法だよりで貧弱で軟弱。

 努力もせずに欲に従うだけじゃったからのぅ

 しかし、しかしじゃ! うむ! うむうむ!」


俺の方を向いて、滅茶苦茶嬉しそうにドリーズが頷く。

満面の笑みだし、頬まで赤らめてやがる。


「滅茶苦茶嬉しそうだな……ドリーズさん」

「当然じゃ! 400年じゃぞ!? 400年!

 400年待った相手じゃからな!?」

「何度も言うが、俺はお前には欲情しない」

「400年じゃぞ!?」

「いいじゃん400年程度」

「程度とは何じゃ! 程度とは!」

「たまーにマグナさん、馬鹿っぽいよな」

「う、うん、マグナ君、ちょっと変な部分あるよね」

「しかし、マグナさんが絡んだ場合

 ドリーズさんも少し馬鹿っぽくなりますわね」


えー、でもなぁ、400年とか一瞬じゃね?

案外、大した事なくね? その程度なら。


「全く! 400年が程度じゃというなら

 お主はどれ位が長いと言う基準になると言うのか」

「え? 10億年くらい?」

「世界滅んでおるわ!」

「えー、10億年程度で滅ぶわけねぇじゃん」

「滅ぶわ! 数字が分からぬのかお主は!」

「……色々と感覚変だよな、あの人」

「は、はい」


地獄の時間と比べりゃ大した事無いよなぁ

10億でもまだ生易しいんじゃねぇの?

どっかで滅茶苦茶な桁数聞いたような……

いや、ほぼ覚えてねぇけどな?


「結構真剣だったけど、一瞬で壊れたね」

「あ、あはは、家でもたまにこのやり取りしてるけど

 本当にマグナさん、男とは思えない位には優しいよね」

「でも、凄く面白いから私は大好きよ!

 マグナ様素敵ー!」


かなり怒ってるドリーズに揺すられてる訳だが

全くこいつはすぐにこう言う話しに行くんだからなぁ。


「にーに」

「は! この流れは!」


シルフの言葉に反応したドリーズが一瞬で青ざめた。

冷や汗も溢れ出してるような気がする。


「わ、悪気があったわけでは無いのじゃ!

 すまぬ! すまぬマグナよ!」


そして、土下座した。

滅茶苦茶当たり前の様に土下座した。


「えぇ!?」


騎士団長達がその動きを見て驚きの表情を見せた。

いやな、そりゃ今まで見ていたドリーズの雰囲気から

土下座とか絶対にあり得ないと思ってただろうが

今、全力で俺に土下座してるからな。

そりゃあんな表情にもなるよなぁと。


「ドリーズ、焦りすぎじゃね?」

「この流れは確実に睨まれる流れじゃ!

 あの目で睨まれたら恐怖で死にかねぬ!」

「え? はぁ?」


当然、ドリーズの強さを知ってる騎士団長達は

滅茶苦茶焦りながら俺の方を向いた。

今回はシャナも同じだった。うん、そりゃなぁ

シャナもこのやり取り知らないからなぁ。


「ドリーズ、今回は別に睨まないが」

「本当か!?」

「あぁ、別に今回はお前、何も変な事言ってないし」

「なぬ!? では、シルフは何を言おうと!」

「お腹空いて来たんだろうな」

「ん、お腹空いたの」

「そ、そうか!」

「なら! 急いで料理を作るわ!」

「あ、そっか昼飯時だね」

「じゃあ、お昼ご飯を食べたら再開ね。

 はぁ、情け無いわ……回復遅すぎるわね、私」

「……あいつらは何であんなに冷静なんだよ、シャナ」

「い、いや、私も分からないが……」


この異常なやり取りを見て全く動揺をしていない

フェイト達を見て、かなり焦ってる様子だな。


「そ、その、ジュリア。これは何かあるのかな?」

「あ、そうだね、騎士団長は知らないよね。

 マグナさん、シルフちゃんに変な知識を与えると

 滅茶苦茶怒るの。

 それはもう、睨まれただけで死にそうになるくらい。

 ドリーズさん結構勢いでそう言う事言うから

 何度もマグナさん怒らせてるんだよね。

 その度にこうやって、土下座で謝っててね」

「は、はぁ……え? あのドリーズさんがかい?」

「うん、あたしも少し巻き込まれたことあるけど……

 し、死ぬかと思った」


あの時だなぁ、咄嗟にキレたから巻き込んだしな。

ミントも巻き込んじまって、かなり悪い事したよ。


「……まぁ、マグナさんは威圧だけでゴブリン殺すし

 そう考えればありえるのかな」

「それもおかしくねぇか!?

 威圧だけで魔物殺すのかこの人!?」

「あぁ、俺はぶち切れてたから記憶ないけど

 泡吹いて死んだらしいぜ」

「ま、マジかぁ……これ、マグナ君とか言ってたけど

 あれ? マグナ様の方が良いかなこれ」

「好きに呼んでくれても構わないぞ?」

「あ、あはは……」

「あ、改めて最強というのがどう言う物なのか

 よく分かった気がしますわ……

 次元が違うというのはこう言うことなのですわね」

「あぁ、私も驚いたが。ふふ、やはり凄いですね、マグナ殿。

 いつか越えられるよう、私も精進しなくては」

「お前の向上心、やっぱいかれてるよ、シャナ」


真剣な話が一気に崩壊するのはいつもの事だな。

やっぱり俺が絡むとこうなるよなぁ。

まぁ、良い息抜きになったかも知れねぇけどな。

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