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騎士達の交流会

ゴブリン掃討作戦からしばらくの時間が過ぎた。

まだアンデッドの宴ってのは始まらないが

今回は作戦会議兼交流会と言う事で

各地方の騎士団長達が集合する。


「さて、と言う訳で今回は

 各国の騎士団長を集めての交流会だが」

「交流会って事は」

「そう言う事ですわよね?」


騎士団長達はバチバチに火花を散らしていた。

作戦会議はまだなんだがなぁ。

やっぱり本命はこっちだったのだろう。

あの時、ドリーズが行なったかなりの挑発で

騎士団長達は全員、やる気MAXだしな。


「誰が2番目に強いか!」

「証明するときが来たね!」


だがまぁ、目標は2番目なのだが。

やっぱり1番はシャナというのは変わらないのだろう。


「やはり2番目なのじゃな」

「まぁ、シャナさん最強は今更揺らがないしね」


バチバチに火花を散らしてる騎士団長達の後ろで

少しだけ呆れた表情を見せるシャナが見えた。

シャナ的には、ただの交流会がしたかったんだろうが

まぁうん、この状況じゃそりゃ無理だわなぁ。


「はぁ、私としてはそう言う交流会では無く

 単純に今後の連携を取るために

 お互い仲良くしようという話だったのだが」

「ま、まぁ、仕方ありませんよ」

「リーデルフォン! お前は参加するのか!?」

「いえ、私は補助型ですので」


リーデルフォンは防御魔法が得意だっけ。

確か特属性魔法だったよな。

その中でも防御の魔法を得意とするとか。

そう考えれば、強い事に興味は無いのかも知れない。


「防御魔法だからね、騎士団長は」

「そうだね、私は攻撃には向いて無いんだ」

「野心が足りないんじゃ無いかぁ?

 魔法にばっかり頼って

 鍛錬してないようじゃ、部下は付いてこねぇぞ?」

「うぐ!」

「守るだけでは、相手を倒すことは出来ないと思うけど」

「ぐぅ!」

「いえ、守りは大事ですわ。

 攻めを任せられる相手が居るのであれば

 守りが得意な物は守りを重視するのは当然ですわ」

「イリス殿、本当にありがとうございます」


シャーリスとジーニスは結構容赦ないが

イリスは意外と相手をフォローするんだな。

いや本当、最初の印象とは全然違うなぁ。

まぁ、ジュリアも最初の印象と実際は違ったが。


「騎士団長、とりあえず頑張った方が良いかもね」

「そ、そうだね……魔法にばっかり頼ってるのも

 情け無いかも知れない。

 私もフェイトさんの様に努力をしよう」

「フェイトの様にはかなり苦労すると思うぞ?

 フェイトの執念は異常と言えるくらいだからね」

「いえ、私なんてまだまだですよ。

 シャナさんには劣ります」


シャナとフェイトって、やっぱり仲良さげだよなぁ。


「……なぁ、もしフェイトがバルキリー部隊に入ったらよ

 俺達、いよいよ持ってヤバい気がするんだが」

「元々かなりヤバいけど、何か尊厳的にもっとヤバそうだね」

「わ、私には信頼出来る部下が居ますわ! ね! アース!」

「そ、そそ! そうですよ!」

「……」

「……」


ジーニスとシャーリスが自分達の部下の方を向いた。

副騎士団長達は、総じて視線を逸らす。


「うし! お前達! まずは戦え!」

「え!? 騎士団長!?」

「そうだね、戦いなさい」

「えぇ!? あ、あたいがですか!?」

「まずは副騎士団長同士だ! バスロミアはフェイト!」

「え? あ、私もです? あの、私は副騎士団長じゃ」

「じゃあ、こっちはリンですかね」

「は、はい! 騎士団長!」


今回はシャンデルナも副騎士団長が来てたからな。

前はそれぞれ代表ともう1人だったって感じだったから

シャンデルナはジュリアを連れてきてたわけだ。


因みにバスロミアには副騎士団長が居ない。

フェイトをそこに所属させたいみたいだが

フェイトが頷かないから空席のままなんだろう。

本来なら用意した方が良いのかも知れないが

フェイト以外の副騎士団長とか、

バスロミアの騎士達は従わないだろうし

誰もその席に収まりたいとは思わねぇだろうな。


「そういや、副騎士団長の名前って何だ?

 俺、名前聞いて無かったような気がするんだが」

「そう言えば言ってなかったですわね」

「そうじゃな、雑魚に興味は無かったしのぅ」

「うぅ……」

「自己紹介しなさい、アース」

「は、はい。私はアース・シリアルです」

「む、名字か。そう言えば騎士団長達の名字も知らぬな。

 シャナの名字すら聞いて無い気がするのじゃ」

「案外、自己紹介ってのはしてないかもな」


まぁうん、急ぎだったし名字までは気が回らなかった。

ちょっと前に自己紹介してたわけだが

あん時に、俺もミントの名字初めて知ったし?

意外と改めて言わねぇと名字までは覚えねぇよなぁ。


「いや、最初に会ったときに言ったと思うんだが」

「そうだっけ? 名前は覚えてたんだけど

 あん時、俺は滅茶苦茶焦ってたからな。

 フェイトの事とか滅茶苦茶心配でなぁ」

「実際、ゴブリンアーミーの最中だったし」 

「でも、リーデルフォンの名字は聞いたな。

 確かババ……ババ」

「その、バンリーズです」

「おぉ! それだ!」

「因みに私の部下はリン・クエーストです」

「よ、よろしくお願いします」


いやぁ、少しだけ記憶にはあったんだが

やっぱり覚えてなかったなぁ。

リンって子の名字はそもそも知らない気がするが。


「はぁ、全くあんたって奴は。

 リーデルフォンさんの名字は覚えてると思ったけど

 まさか、シャナさんの名字すら覚えてないとは」

「いや、軽い挨拶程度だったからな、最初は。

 改めて自己紹介を行なった方が良いかもな。

 私の名字はグランリンズだ」

「あー! そう言えば言ってたな!

 グランリンズ家の当主とか何とか!」

「思い出して貰えて良かったです」


そう言えば、風塵の剣って奴の話をするときに。


「おぉ! 儂も思い出したのじゃ! あの時か!」

「ちょっと前じゃ無いの、記憶力なさ過ぎ」


いやぁ、完全に忘れてたぜ、頭使うの苦手だからな。

今回みたいな場合なら覚えるかも知れねぇが

あん時は作戦会議とか面倒くさかったし。


「……俗世離れするとそうなるのか?」

「いやぁ、長い間シルフと二人っきりだったし?

 何なら戦ってばかりだったような気もするからなぁ。

 そう言う、頭を使うっての、あんましないんだよ」

「儂は興味の無い事柄に記憶はあまり割かぬのじゃ

 長い時を生きておる訳じゃし? あ、因みにじゃ

 儂はウィンバードじゃからな?」

「俺はバーストだ! 覚えやすくて良いだろ?」


やっぱり名字ってのは楽な方が良いなぁ。

出来れば、三文字くらいが丁度良い。


「これ、俺達自己紹介してもまた忘れられるんじゃねぇか?」

「い、今なら覚えてくれるのでは?」

「おぉ! 多分覚える!」

「……じゃあ、名字を言うんだけど

 あたしはシリンガースだね。

 フルネームはジーニス・シリンガースだ。

 で、副騎士団長の方は」

「あ、はい、カイス・シリンガースです」

「お? 姉妹か?」

「シリンガース家の出身だからね、あたし達。

 まぁ、カイスは狙うのはかなり上手いんだけど

 早撃ちが下手でね、でも、銃器を正確に扱えるのは

 かなり少ないから、結構能力高いんだよね」

「はい、お姉様と比べれば、私は半人前です」


実際、姉妹と言われたら似てるような気もするなぁ。

鎧も色合いは近しいし、髪色も結構似てる。

でも、余裕の雰囲気はあまり見えないなぁ。

ジーニスは少し飄々としてるが

カイスの方は少し弱々しい雰囲気がある。

だが、鎧の形状は違うんだな。

ジーニスは必要最低限って感じではあるが

カイスは全身鎧で覆われている。


狙うのは上手いけど速く撃つのは苦手って事は

どっちかというと後衛なんだろう。

……いや、遠距離武器は後衛が普通か、うん。

フェイトはガンガン前線に出てるけど。


「俺の名字はドリアードだ。

 フルで言えばシャーリス・ドリアードって所だな。

 で、ほら、言え」

「えっと、アートス・ストーシルです」

「アーストかぁ」


鎧はやはり騎士団長に少し近いが

鎧の重厚さはシャーリスの方が上だな。

アートスはどっちかというと軽装より。

つまりは素早く動くタイプなのだと分かる。


「では最後に、私ですわね。

 私の名字はプリアンスト・E・クロスリーア

 フルネームで名を名乗りますと

 イリス・プリアンスト・Eエーテル・クロスリーア」

「……ん、覚えるの面倒くさい」

「はい、覚えなくても結構ですわ。

 イリスだけで構いませんの」


イリスの名字だけは妙に長いなぁ。

貴族だからか? 貴族的な感じだからか?

実際、ギルフェリーは貴族というか

そう言う、何か優雅そうな国だったが。


「やっぱ、お前の名字だけは長いなぁ」

「えぇ、私の家は代々騎士団長となる家ですわ。

 昔、ギルフェリー国が建国された際に

 初代国王様により騎士の団長として任命された家。

 それが私の家であり、色々な名を持つ貴族を

 吸収して名を残し続けてきたので名字が多いのです」


よく分かんねぇけど、結構歴史があるんだなぁ。

とは言え、俺には何も分からないんだが。


「じゃあ、自己紹介はここまでにするか。

 まずは副騎士団長同士の戦いだな」

「そうですわね。まずは負けてきなさい」

「が、頑張ります」


まずは前座として副騎士団長の戦いになるが

正直だ、勝負は見えてるよなぁ。

絶対に勝つのフェイトだろ、これ。

まぁ前座には丁度良いのかもしれねぇな。

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