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図書館

さて、フェイトの鍛冶屋探索終わって

俺達はそのまま家に……は、帰らない。

流石にこんな場面であっさりは良くない!


「じゃ、家に」

「いや、こんな状況でそりゃ良くない。

 ジュリアもバスロミアに興味あるなら

 このままでー……か、観光をだな!」

「でーって何よ」

「デートよ! そうに違いないわ!

 きゃー! ついに私もマグナ様とデートよ!」

「おう! お買い物デートだ!」

「くだらない、家で訓練した方が良いわ」

「良いではないか、フェイトよ。

 努力は無論重要ではあるが

 折角出来た機会、息抜きも大事じゃぞ?」

「息抜きしてる暇は無いでしょうに」

「忙しくなる前に体と心を休めるのは大事だよ。

 あたしもよくお姉ちゃん達に言われてたの。

 たまに息抜きをした方が

 良い発想が降りてくるって」


特にジュリアみたいな研究者は重要だろうな。

ずっと部屋にこもりっぱなしじゃ

新しい発想ってのも降りてこないだろうからよ。


「適度に体を休めるのも重要な鍛錬じゃぞ?」

「何で私まで誘うのよ」

「そりゃ、俺がフェイトとも一緒に回りたいからだぜ」

「ん、私も一緒が良い」

「……はぁ、分かったわよ」

「おぉ!」


やっぱりフェイトって、頼まれたら断れないタイプだな。

色々言ってるが面倒見も良いし

やっぱり一緒に居ると、かなり楽しいな!


「じゃ! 皆でデートね! まずは何処に行こうかしら」

「じゃあ、あたし、図書館行ってみたいの」

「図書館?」

「うん、バスロミアの歴史とか興味あるし

 ……いや、駄目ね、あたし図書館に行ったら

 しばらくそこから動かなくなりそう。

 可愛い服も見て見たいし、で、でもやっぱり

 私はここの本に興味があるわ!

 服も興味あるけど……」


そりゃ、ジュリアは結構お洒落だからな。

滅茶苦茶可愛い服を着てたりもする。

だが、どんな時も魔女帽子だけは外さない。

流石に風呂に入るときとかは被らねぇが

そう言うところ以外は、大体魔女帽子だ。


それもこだわりがあるのか常に黒い魔女帽子。

その黒い魔女帽子に色々な装飾を付けてたりする。

可愛らしいリボンを付けてみたり

カラフルな花の装飾品を用意したり

フリルみたいなのを付けたりな。


他にも髪型も結構変えてたりする。

サイドの三つ編みだったり、ツインテールだったり

ポニーテールだったり、完全に降ろしたりな。

髪の毛は染めることはなく、基本的には赤だが。


シルフももうちょっと髪型変えたり

お洒落しても良いような気もするんだがなぁ。

だが、最近たまにジュリアの真似をして

三つ編みにしてたりするが

基本的にはストレートだな、シルフは。

帽子とかも被ったことはない。


服は俺が買った白いワンピースをよく着てる。

もうちょっと色々と服を着替えて欲しいが

大体、似たような格好なんだよな、シルフ。


あ、そう言えば前にジュリアから

お揃いの魔女服を貰ってたな。

今度、シルフに着てみて貰おう。

確かジュリアは帽子を力説してたな

あの帽子はこだわりなんだろう。


「じゃあ、図書館に行きましょう!

 しばらくここに居るし、服はいくらでも買えるしね!」

「う、うん!」

「本って……まぁ良いけど」

「儂は実に興味があるのぅ

 人の歴史をこの目で見ておったとは言え

 人にはどのように伝わっておるのか興味がある」

「本……楽しみ」


俺はあまり本は読まないから暇しそうだが

ま、ジュリアからしてみれば大事な事だろう。

ほぼ仕事みたいな気もするが

ジュリアは嬉々として研究するだろうからな。

知的好奇心を満たすのもジュリアの中では

重要な息抜きになるって事だろう。


シルフも少し興味ありげだし

無理に否定する理由も無いしな。


「……ね、フェイトちゃん」

「何?」

「図書館って、何処?」

「……こっちよ」

「ありがとー!」


ミント、図書館の場所知らなかったのか。

やっぱり料理のことばかりだったんだろうなぁ

調べるのも図書館とかじゃなく自力だったのか?

いや、ミントの場合、何度か行ってたとしても

忘れてそうって印象もあるが。


「はい、ここがバスロミアの図書館。

 バリデンス大図書館って奴ね」

「これが、噂に聞いてたバリデンス大図書館!

 さ、流石に大きいね!」

「ここ、来たことがある様な気がぁ……」

「そりゃあるでしょうね

 てか正直、忘れてたってのが驚いたわ」

「うーん……は! 学校の授業で来たわ!」

「そうね、来たわね」


やっぱり1度来たことあるけど忘れてたのか。

だが、フェイトは覚えてたんだな。

やっぱり興味無いって雰囲気だしてても

フェイトはやっぱり色々知ってるな。


「うむ、楽しみじゃな、では行こう」

「おー!」

「ミント、マグナ、一応言っておくけど

 ……ここで騒がないでよ?」

「騒がねぇよ、図書館では静かにってのは常識だ」

「わ、私も我慢するわ」


その会話の後、俺達は図書館の中に入る。

ひれぇなぁ、流石は大図書館って言うだけはある。


「こ、これが……バリデンス大図書館!

 早速回るね!」

「走り回ったら駄目よ?」

「それ位は知ってるよ」


ジュリアが図書館を笑顔のまま見渡してる。

その後ろを俺達は着いていきながら

シルフが好きそうな本を探してみる。


「ん? 何これ……」

「あぁ、それは古い言語で記入されてる書物ね。

 大体の言語は解読されてるけど

 そうね、シャンデルナが使ってた記号がでてるわ」

「お、本当だ」


一部だけ英語みたいなのが記入されてるな。

ほーん、やっぱり人ってのは似たような言語になるのかねぇ。

まぁ読めねぇが。


「あ、これってシャンデルナ様が使ってた。

 へぇ、シャンデルナ様のあの記号は

 バスロミア由来だったんだね」


ジュリアは一応、いくらか読めてるみたいだ。


「……」


そして、その本を見てしばらくジュリアが固まる。

集中してる状態らしいな。


「ジュリアちゃん、熱中してるわね」

「あぁ、流石は研究家だな」

「今日はここで1日終わりそうじゃなぁ」

「修練で良かったんじゃないの? これ」


結局はジュリアが色々な本を読みあさりながら

笑顔でバスロミアの歴史を堪能してた。

俺達がこの日得たのはジュリアの笑顔と

ちょっとした知識程度だったな。

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