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力こそ全てのハーレム世界、世界最強のハーレムライフ!  作者: オリオン
第5章、番外編、シャンデルナの攻防
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剣技の訓練

ジュリアちゃんの格闘技を教えながら

兵士達に弓の練習をして結構経った。

今回は剣技の練習をすることになる。


「騎士団長、フェイトさんに頼りすぎじゃ無い?」

「あぁ、私もそう思うのだが……」

「じゃ、訓練始めるわよ」

「はい!」


私の言葉で兵士達が全員同時に大声で答えた。


「……もう、あの人が騎士団長で良いのでは……」

「自信持ってよ、騎士団長でしょ?」


リーデルフォンさんがかなり自信なさげに…

私、ちょっと兵士達に慕われすぎじゃ無いの?

私は群れるの好きじゃ無いんだけどなぁ。


先の事を考えると、あまり良くないわよね。

でも、先の事を考える余裕は無い。

マグナ達が居ない以上、

私達で何とかする必要がある。


いつ襲撃が起こるか分からないんだし

今は今を切り抜けることを考えるしか無い。


「さて、あなた達には今回課す訓練は

 対ゴブリンを想定した戦いよ。

 既に伝えたと思うけど

 色付きゴブリンの対処を再確認するわ」

「はい!」

「まず青ゴブリン、こいつは非常に動きが速く

 接近攻撃さえ避けられる可能性が高い。

 でも、攻撃を回避するときの癖として

 回避後に飛び上がるという特徴がある。

 この時なら攻撃を当てる事が出来る筈よ。

 理想は弓矢での狙撃だけど……

 あんたらにゃ無理でしょ?」

「は、はい…」


私は出来るけど、まだ兵士達には出来ないからね。

そりゃ、一朝一夕で出来る技術じゃ無いわ。

これは私が何年も掛けて極めた技術。

私が扱える技術で最も優れた技術。

そう簡単に極められたら、私が悔しさで死ぬわ。


「だから、2段攻撃をする様に対処しなさい。

 青ゴブリンへの対処は最低でも2人でね。

 1人が攻撃、回避されたら青ゴブリンが飛び上がる。

 この時にもう1人が攻撃すれば対処は可能よ。

 まぁ、完璧な連携が居る訳だから

 あくまで最低、理想は5人くらい欲しいわね」


5人ならいくらでも対処出来るからね。

そりゃ、布陣を君で対処出来れば楽でしょうけど

流石にそこまで即座に動けるほどの連携は辛いわ。


「次は赤ゴブリン、こいつは非常に危険よ。

 掴まればほぼ助からないわ。

 だから、あなた達は基本的に逃げる事

 掴まらないことを優先して動くこと。

 こいつらは魔法使い達が対処してくれるはずだから

 遭遇したら攻撃を喰らわないように意識して」

「はい……」

「黒ゴブリンは足を攻撃して動きを奪って

 即座に後方に撤退して城壁からの弓兵の攻撃で

 確実に仕留めるのが理想よ。


 足の攻撃が困難だというなら、合図と同時に

 即座に後ろに下がることを考えて。

 足への攻撃が成功した場合も同じで

 合図と同時に逃げる。分かった?」

「はい」


黒ゴブリンは歩兵で対処出来る相手じゃ無いわ。

大剣を扱えるならそりゃ、ワンチャン

コアと思われる場所を破壊する事は可能でしょうけど

あいつらの筋肉量的にそりゃ難易度高いわ。


槍による貫通攻撃で破壊も

可能性もあるにはあるけど、あまりにもリスクが高い。

そりゃ、コアの正確な位置が分かるなら

槍の攻撃も視野に入るけど、そんな方法無いからね。


槍刺して外れでしたってなって

槍を引き抜けず反撃とかリスクヤバすぎよ。


「他にも色付きは色々といるけど

 基本的に歩兵で撃破出来るのは

 青ゴブリンくらいだからね。

 だから、今回はその連携の練習をするわ」

「はい!」


とりあえず何通りかの布陣を考えて

兵士達をメンバー分けすることにした。

そして、攻撃の対処方を教えて実践させてみる。

前衛が攻撃して、上に逃げた相手を後衛が攻撃する。

それを、何人かの魔法使いに協力して貰って

実戦に近い形でやって貰った。


「そ、こんな感じね。次は動きの訓練をするわ」

「どのようにして行なうのですか?」

「えぇ、あなた達、今度は3人で集まって」

「はい」


私の指示通りに3人に別れてくれたわね。


「よし、じゃあ全チームに指示するわ。

 3人はそれぞれ役割を決めて貰う。

 1人は攻撃役、1人は防御役

 もう1人は防御役の後ろに立って

 防御役が防御を崩した瞬間に

 攻撃役に攻撃をするの。


 攻撃役はひたすらに防御役を攻撃して

 防御を崩す事のみ考えなさい。

 防御役はひたすらに後ろを守りながら

 攻撃側に隙を作ることを考えて。

 後ろに居る後衛は前に出ないように注意しつつ

 攻撃側に確実に当てられると思う隙が出来るまで

 ひたすらに防衛側の後ろで隙を伺いなさい。


 攻撃側に後衛役が攻撃を当てる事が出来れば

 次は交代するという形ね。

 あ、後衛役が攻撃するチャンスは1回だけ。

 1回が外れる、もしくは防がれた場合

 後衛と防衛役は失敗だから、

 防衛役と後衛役を交代して2回目をやって。

 2回とも失敗した場合は攻撃側が

 防衛か後衛になって防衛か後衛が攻撃側よ。

 これをひたすらに行ないなさい」

「はい!」

「手とか抜いたり、あまり駄目な奴は

 最後に指摘するから本気でやりなさいよ!

 じゃぁ、始め!」

「は!」


兵士達が私の指示通りに動き、練習を始めた。

手を抜いてないかとかをしっかり見ながら

私は全員の動きを観察することにする。

その状態がしばらく続き、お昼が過ぎる。


「ご飯よー!」

「はぁ、はぁ!」


ミントの元気そうな声が響き渡り

兵士達が息を荒くしながら微笑む。

だが、訓練はそのまま続けてるわね。

まだ私がそこまでと言ってないからね。


「……はい、そこまで」

「お、終わった……」

「……じゃ、あなたとあなたと」


そして、何人かの兵士を指差して私の元に来させた。


「さて、あなた達、何故呼ばれたかは分かるわよね?」

「は、はい、駄目駄目すぎて……」

「全然出来ませんでした……」


見るからに上手く行ってなかった子達を呼び出す。

この子達の何処が悪かったかはよく分かるわ。


「あなた達、あまり声かけとかしてないでしょ」

「は、はい……」

「恐いの?」

「……は、はい」

「駄目よ、会話は大事、連携には必要不可欠なの。

 まずは言葉から繋がらなきゃ駄目でしょ?

 大丈夫よこれは訓練なんだから、グイグイ行きなさい。

 ……いや、むしろあなた達で組んでみなさい」

「え!? わ、私達で……ですか!?」

「えぇ」

「駄目駄目な私達は

 み、惨めな思いをするだけで」

「馬鹿言わない、惨めで良いじゃ無いのよ。

 死ぬ方がいやでしょ?

 それに、あんたらは似たもの同士なんだし

 仲良くなれるんじゃ無いの? まずはそれで良いわ。

 近寄れる仲間作っときなさいよ、

 困ったときに近くに行って頼れる仲間をね」

「は、はい」

「だから、まずあんたらは仲良く同じ席で飯よ。

 そこにミントを向わせるから」

「え? あ、はい……え? 何で?」

「いいから」


とりあえずそいつらを席に着かせた後に

ミントに声を掛けて彼女達の場所へ連れて行く。


「あなた達が何か喋るのが苦手な子達ね!」

「そ、そんなハッキリと……」

「私はミント! よろしくね!」

「よ、よろしくお願いします……」

「それじゃ早速、私が作ったご飯は美味しい!?」

「あ、は、はい、す、凄く美味しいです」

「きゃー! 良かったー! うふふ、沢山食べてね?

 私、料理には凄く自信があるのよ!

 私はあなた達みたいに頑張って戦う事が出来ないから

 本当に尊敬するわ! だって、私恐いの戦うの!

 でも、あなた達は戦ってるし凄いわ!」

「そ、それは……その、わ、私はそれしか無くて」

「わ、私も……りょ、料理出来ても……

 い、家で隅に追いやられるの嫌だったし…」

「どんな理由であれ、兵士さんを選んだって事は

 凄い事だって分かるわ! 戦えない私達の為に

 必死に頑張ってくれてるんですもの! 凄いわ!」

「わ、私達はそんな凄いなんて、よ、弱いし…」

「いいえ! あなた達は凄いわ! 弱くなんかない!

 私はあなた達を尊敬しちゃう!」

「そ、その……」


彼女達はミントの勢いに若干押されてるが

心の底から褒められてると分かるからか

少しだけ頬が緩んでるように見えた。


ミントは自信を持てない相手に自信を与えるには

本当に良い人物だとよく分かるわ。

だってこの子、心の底からそう言ってるし

即座に相手を褒めるからね。


そのままミントはしばらくの間、彼女達を褒めて

少しだけ自信を与え、昼食の時間が終わる。

昼休憩が終わるすぐにミントは動き出して

食器を鼻歌交じりに集めて厨房に帰る。


そして、あの兵士達は少しだけ自信を得たような

そんな表情をして午後の訓練に臨む。

午前よりも成果が出て来たわね。

よし、これも結構効果的と言える。


「じゃ、これで今日はお終いね、解散!」

「はい!」


しばらくこれで訓練させるとしましょうと、そう思った。

でも、どうやら平和な時間は終りらしい。

……新たな襲撃、私達だけで対処しなければならない

2度目の襲撃……今度は被害を出させない!

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