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力こそ全てのハーレム世界、世界最強のハーレムライフ!  作者: オリオン
第5章、番外編、シャンデルナの攻防
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弓兵の訓練

弓兵の訓練というのはちょっと久しいわね。

私はそもそも、国の兵として在籍してない。

そりゃ、シャナさんに何度も誘われたわ。

副騎士団長の席まで用意して貰ってね。

でも、私は不自由に生きるのはごめんだった。

だから、決して私はその勧誘に対し

頷いたことは無かった。

でも、たまに弓兵の訓練をお願いされて

訓練をしたことはあったわ。


「じゃあ、私が弓の扱いを教えるわ」

「はい!」


私の言葉で剣を握ってくれた兵士達は

私に対し悪感情のような物は見せてなかった。

握れなかった兵士達も他の兵士達が説得したからか

私に対し、そこまで反感の目は向けてない。

その方がやりやすいという物よ。


「まず、あなた達に教えるのは弓矢の基本よ。

 当然、同時撃ちなんて面倒な技術は教えないわ。

 私はふつうにやってたけど、これ会得するまで

 私は5年は掛かったし、時間が勿体ないから」

「5年間もやったんですね……

 まだ16歳くらいだし、11歳から」

「え? 何? 私ってそんなに子供っぽく見える?

 私は18よ、18、だから13歳からね」

「そうなんですか!?」


マグナも私の事、16とか思ってたし

なんなのかしら、私って子供っぽく見えるの?

化粧とかして大人っぽく見える様にした方が良いのかしら。

でもなぁ、化粧なんて女々しくて嫌だし。

……まぁ、別に困ることでも無いから良いか。


「私の年齢の事はまぁ良いわ、とにかく教えるわ。

 基本中の基本である弓矢の構えを教える必要は

 無いだろうけど、一応私の構えを見せてあげる」


私はいつも通りに矢を1本、弓に携えて構えた。

私が弓矢を構えたときの基本的な構えは

左手で弓の握りを持ち、弦を右手で引っ張る。

この時、左手の人差し指を目安として扱ってたりする。


「基本的にこんな風に構えてるわ。

 そして、人差し指を目安として距離を計算する。

 風の計算も私は基本的にしてるけど

 今回はまだそこまで解説しないわね。

 そして、小さく息を吐いて、即座に右手を離す」


一瞬で右手を離して、私は矢を放った。

私が放った矢は、的のど真ん中を撃ち抜いた。


「凄い、ど、ど真ん中だ!」

「驚かない、これが普通なのよ。

 いや、これが普通にならないと駄目なの。

 少しでもズレれば仲間を撃つ可能性もあるの。

 場合によっては、1回のミスで死ぬ事もある。

 1人で戦っていれば、なおの事ね」

「そ、そうですね……」


私は冒険者だからね、今まで1人で戦ってきた。

だから、1回でも失敗すれば死ぬ可能性がある。

まぁ、最悪の場合に対処する為に

私は剣術も鍛えてるし銃も鍛えてるけどね。

でも、それは私に自由に努力できる時間が合ったから。

兵士達とは少し方向性が違うわ。


「まず確実に当てる。これを極めていけば

 同時撃ちの応用を鍛えれば良いのだけど

 今はそんな余裕は無いから 当てる事を目指すの」

「は、はい!」

「因みに」


私は再び弓矢を構え、今度は上空に向けた。

角度を計算し、何処に落下するかも考える。

風量も雲の流れから予想して影響力を考えて

僅かに微調整しつつ、矢がズレないように

一気に指を離して矢を上空に向けて放つ。

少しの時間が経ち、上空から落下してきた矢が

案山子の脳天をぶち抜いた。


「え!?」

「これが曲射、因みにこれは 

 そこまで正確に狙う必要は無いわ。

 数を撃つだけだからね。ただまぁ

 手前に飛ばしすぎて仲間に当てたら不味いから

 最低でも仲間に当らない様に撃つ必要はあるわ」

「と、当然これは、ぐ、偶然では…」

「何を言ってるの、当然でしょ? 相手は止まった案山子よ

 これ位は当てないと実戦で使えないでしょ?

 まぁ、たまに失敗するけどね。

 私は100回中96回は当るわ」

「そ、そんなに試したのですか!?」

「えぇ、実際に使えないと困るからね。

 だから、実戦でほぼ外さない程度の精度にしたわ。

 まぁ、あまり使わないんだけどね、曲射は」

「ど、どうすれば出来るとかは」

「そうねぇ、弓の性能で大分変わるから何とも。

 まぁ、あなた達が弓矢を手足のように扱えるくらいに

 馴染めば安定して当てられるようになるわ。

 だから、まずは練習あるのみ。

 今回は曲射の実演としてやっただけだから

 そこまで気にしなくて良いわ」


流石にこの精度を要求するのは無理だからね。

曲射を完璧に扱える様になるよりも

複数の矢を射る方が正直楽だし。


「大事なのは命中精度だからね。

 ある程度の命中精度が確保できたら

 同時射撃、こんな感じね」


実演で2本の矢を放ち、2箇所の的を同時に射貫く。


「に、2本はなって全てど真ん中!」

「で、これ」


今度は3本放ち、3箇所の的を射貫く。


「3本も完璧に命中してる……」

「これは上級技術だからあくまで出来れば良い程度。

 まずは1本の矢を確実に当てられるようにするのよ。

 実戦で使うのは確実に出来る技だけよ」

「つまり、フェイトさんが実戦で使ってたのは」

「えぇ、全て確実に出来ると言う自信がある技だけ。

 やらなきゃならない場面以外で

 確実な技術以外は基本的に試さないわ。

 失敗すれば死ぬのだから、確実を選ぶのは当然よ」

「じゃあ、5本も」

「えぇ、絶対に当てられるという自信があるからよ」


訓練では出来ないかも知れないことをするけどね。

そりゃ訓練だし、練習あるのみよ。


「どうすればそこまで……」

「練習するだけよ、毎日毎日暇があればね。

 剣術も体術も射撃も防御も全て

 暇がある時に徹底的に鍛え上げてきたわ。

 その中でも最も自信があるのがこの弓術。

 そりゃ、私は剣技も出来るし槍術も出来る

 剣と盾も使えるし、二刀流だって使えるわ。

 格闘術も出来るし斧もナイフも短刀も使える。

 でも、1番出来ると言えるのは、この弓術よ」


私が最も自信があるのがこの弓術だからね。

城壁の上からだろうとも味方の近くに居る敵を

味方に当てずに撃つ事なんて造作ないし

弓の射程限界でも当てる事は出来るわ。

射程限界ギリギリの奴が頭に乗せてるりんごを

撃ち抜くことだって出来ると断言できる。


「何故、そこまで……」

「前にも言ったけど、私は努力できる環境に生まれた。

 私の姉が、私を救ってくれたから私は努力できるの。

 そんな環境に生まれたのに努力しないわけが無いわ。

 例えどれだけ劣等感に苛まれようとも

 私は努力をしてきた、誰にも負けないために

 誰にも支配されないために、自由に生きたいから」

「……」

「でもまぁ、マグナには負けるんだけどね。

 当然、シャナさんにも負けてるわ、私もまだまだよ」

「謙遜しないでくださいよ、フェイトさん」

「謙遜では無いわ、事実だからね。でも、私は楽しんでる。

 目標があるのは良いわ、まぁ、マグナには勝てそうに無いけど」

「そ、それは仕方ないかと……」


兵士達がマグナを思い出しながら苦笑いをしてる。

そりゃねぇ、マグナは魔法使わなくても

ゴブリンを馬鹿みたいな勢いで仕留めてるからね。

しかも全員に怪我1つさせずに全て仕留めてる。

そりゃ、そんな姿を見たら苦笑いも出るわ。

あんなのに勝てるわけが無いと確信出来るし。


「ま、あいつの事は良いわ、今は訓練ね。

 まずは最初に私が当てた的を射貫いてみて」

「は、はい!」

「弓矢はここに用意してるわ。

 まずは10本ね、順番に打ってみて

 時間掛かるでしょうけど、あなた達の技量を

 私が同時に測れるのは10人までが限界よ。

 シャナさんなら100とか1000とか

 同時に測れるでしょうけどね」

「本当に凄いんですね、シャナさんって」

「えぇ、それは断言できるわ。

 バスロミアの兵士全員の憧れだからね。

 でも、私はそこまでじゃないから

 まだ10人が限界、だから、これでお願いね。

 技量を知るのは大事だから」

「はい!」


そして、兵士達が私の指示通りに矢を射る。

全員が矢を射るまでに結構時間が掛かったけど

お陰で誰がどれ位の技量か分かった。

じゃ、しばらく分けるのを頑張るとしましょうか。

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