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力こそ全てのハーレム世界、世界最強のハーレムライフ!  作者: オリオン
第5章、番外編、シャンデルナの攻防
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激闘の後

今回の被害を受けて魔法騎士団達が

一斉に沈黙し、地面を見つめてる。

魔法が扱えてた魔法使いの中で

比較的元気そうなのはジュリアちゃん位だ。

他の魔法使い達は悔しそうにして居た。


「ど、どうしたのさ、お姉ちゃん達…」

「ジュリア……うん、ごめんね。

 ちょっと……情け無くて」

「何が?」

「この結果……私達は魔法が使えるのに

 そこまで役に立ってなかったなって……」

「切り抜けたんだし次の対策考えれば良いのよ。

 色付きの対処方法も大分分かったし

 悔しそうにしてる暇無いでしょ?」


他の魔法使い達は総じて落ち込んでいるけど

ジュリアちゃんだけはそこまで落ち込んでない。

死んでしまった兵士達に対し辛そうな表情は見せたけど

それでも、すぐに次の対策を考えようとしてる。


「……あなたは、悔しくないの?」

「何が?」

「だって、私達は……所詮、この程度なのよ。

 マグナさん達が居るときはなんの被害も無かった。

 なのに、マグナさん達が居なくなって

 私達で対処しないと行けないってなった時この被害。

 魔法を使えたって、私達は所詮弱い、どう頑張っても

 強い人達の足下にも及ばない」

「はぁ? 何を言ってんの? 情け無い」


姉達の言葉を聞いて、ジュリアちゃんが

結構辛辣なことを姉達に伝えた。


「今回だって、フェイトさんのお陰で

 なんとか事無きを得たと言うだけで」

「じゃあ、次に被害を抑えるように立ち回れば良いじゃん。

 そもそも、あたし達魔法使いは研究者よ。

 研究者は常にチャレンジャー無くっちゃ!


 常に挑み続けて先に1歩ずつ進んでいくのがあたし達!

 今回は危なかったけどなんとか挑戦に勝てたの!

 なら、次の挑戦に向けて、すぐに動かなきゃ勿体ない!

 

 1人でも多くの女の子達に魔法を届けるために努力する。

 その為にも国を魔物なんかに支配されるわけには行かない!

 だから今度戦うために情報を集めて対策を練るの!


 うなだれたり後悔するなんて時間が勿体ない!

 時間は常に有限! 死なないように殺されないように

 そして、誰も殺させない為に努力あるのみ!

 マグナさん達が居ないから、あたし達が守る為に

 頭を動かさないと駄目なの! 得意分野だし!」


本当にドリーズが高く評価するだけはあるわ。

あいつの観察眼は本当に凄いと言える。

ジュリアちゃんは確実に人を導く才能がある。

マグナがもし、ジュリアちゃんを連れて行くとか言ったら

シャンデルナの被害、甚大すぎるんじゃ無いかしら。


「とにかくあたしは急いで情報を用意するわ!

 兵士達は急いで被害を確認して!」

「はい、ジュリア様」

「死傷者の確認と家族の確認をして。

 その間に、あたしは今回の襲撃で出て来た

 色付きのゴブリンの情報を

 フェイトさんと一緒に書き出して

 対策とかの資料を急いで用意するから!

 その間! 警戒をお願い!」

「はい!」

「騎士団長もそこでうなだれてる暇は無いよ!

 時間は有限! 好きな言葉でしょ?」

「ジュリア、君は……情け無いとは思わないのか?」

「思う! だから行動するの!」

「……」

「それにさ、あたし達が今、無駄な時間を過ごして

 今度の襲撃時に何も守れないってなったら

 あたしは絶対にそっちの方が嫌!」

「……そう、だね」


ジュリアちゃんの言葉でリーデルフォンさんが前を見た。

そして、即座に兵士達に指示を始める。

私の言葉を聞いて剣を握ってくれた兵士達は

騎士団長の指示を素直に聞いて行動を開始する。

だけど、剣を握らなかった兵士達は動きが鈍い。


「あなた達も急ぎなさいよね!

 時間がないのよ時間が!」

「私達が何かをしても、なんの成果も」

「そこ! 馬鹿な事言わない!

 ちょっと考えれば分かるでしょ!?

 あなたの背後に10人の戦えない市民が居て

 あなたの目の前に弱いゴブリンが1匹!

 あなたが弱いままで殺されれば10人の市民は死ぬ!

 けど、あなたが少しでも強くてゴブリンを倒せば

 後ろに居る10人の市民は救われるのよ!」

「努力した程度で、私の様な能無しは」

「努力してないくせに文句言うな!

 私は毎日努力して何度も惨めな思いして!

 それでも努力してんのよ!」

「誰もがあなたみたいに強くはない」

「あっそ、付属品のままで良いなら

 もう何も言わないわ。

 兵士止めて親の穴になりなさいよ、

 そっちの方が貢献できるわ」

「そんなのごめんですよ! 私はあんな奴!」

「じゃあ文句垂れるな! 生きてた足跡を残したいなら!

 残すための努力を惜しむんじゃ無い!

 努力できる環境に立つ事が出来たなら!

 努力できなかった奴の分まで努力しなさい!


 私はそうしてきたのよ! 私の代わりに犠牲になった

 私の大事な姉が作ってくれたこの環境で!

 自分を諦めて生きていくのはごめんだからね!」

「……」


私が努力できるのはそれが理由だ。

お姉ちゃんが私の代わりに犠牲になってくれた。

だから、私は努力してお姉ちゃんの行動が

無駄じゃ無かったと、そう知らしめるために!

心も壊れちゃったお姉ちゃんは

そんな私の努力を見ても

何も感じ無いかも知れない。

でも、私はお姉ちゃんに救われた。

なら、諦める事無く努力するまでよ。

それが、お姉ちゃんに対する恩返しなんだから!


「行きましょう、ジュリア、次に備えるわ」

「……うん」


ジュリアちゃんは私の話を聞いてるからね。

どんな過去があったかを知ってる。

だから、あまり深く何も言わない。


「……ね、頑張ろう」

「なんで」

「フェイトさんの姿を見たでしょ?

 魔法を使えなくても、私達の為に必死に……

 ボロボロになって、血まみれになりながらも」

「でも、あれは所詮獣人種だから、私は人間。

 純粋な人間には」

「獣人種だろうと純人間だろうと関係無い。

 強くなろうとしたから、あの人は強いんだ。

 戦おうとする精神や努力しようとする精神に

 種族の差なんて関係無いんだから。

 それをしないのは……所詮、言い訳だよ」

「……そうだね、分かってる。情け無いって

 でも、認めたくなくて……努力してなかったって

 だから、り、理由を付けて……自分に言い訳して…」

「なら、今から努力しよう、一緒に。

 大丈夫……一緒に居るから」

「……うん」


兵士達の僅かな会話が私の耳に聞えてきた。

これもまた、種族特性という奴よね。

獣人種は耳が良い。でも、これ以上は何も言わない。

同じ立場の仲間が支えてくれるのが1番よ。


その後、私は家に戻りジュリアちゃんと一緒に

ゴブリン達の特性を考える事にした。


「ふぇ、ふぇいどじゃーん!」

「ミント……泣かないでよ」

「ゆ、指が-! フェイトちゃんの指がー!

 そ、それにボロボロで! だ、大丈夫!?

 大丈夫だったの!? 死んで無い!?」

「死んでたらここに居ないっての!」

「良かった! 幽霊じゃ無いのね!」

「不吉な事言うなー!」


こんな風に大声を上げてたりするけど

私はミントと話をするの楽しいと感じるわ。

悪意や嫉妬も無く、相手を褒めて自分も努力する。

それが、ミントだから。


「じゃあ、早速お料理をどうぞ! お、美味しいわ!

 この料理を食べて指を完治させて!」

「そんな便利な料理があったら是非とも欲しいけど

 まぁありがとう、美味しく頂くわ」

「美味しく美味しく食べて!」


ミントが用意してくれた料理を食べたけど

やっぱり、この子の料理は本当に美味しいわね。


「じゃ、フェイトさん」

「えぇ、今回の襲撃で対処した色付きの解説をするわ」

「お願い、対策も考えるから」


大分カラフルだったし、そろそろ纏めたいしね。

新種っぽいのも居たし、ひとまずは纏めましょうか。

ドリーズが居れば色々と分かるんだろうけどね。

まぁ、無いものねだりね、今は私達の知識で纏めるしか無い。

次の襲撃が無いとは言えないからね。

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