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お姫様との面会

兵士達に案内されて城内を歩む。

いやぁ、しかし流石はハーレム国家!

周りに居る兵士達は皆女の子だ!


そして、その女の子達も全員例外なく

俺達の姿を見て、奇異な目を向けているな。

特にフェイトに向ってる視線が多い気がする。


俺もかなり珍しい部類だとは思うが

やっぱり色々とスカウトされてたらしい

フェイトがかなり注目されてんだな。


「すげーな、フェイト。めっちゃ見られてるぜ?」

「あんたじゃないの? 見られてるの。

 もしくは、あんたの背中に乗ってるシルフちゃん」

「いやいや、ありゃ絶対にフェイトを見てるな」


フェイトは自分が注目されてることに気付いてないな。

多分、フェイトは自覚ねぇ間に注目されてるタイプだ。

無自覚の天才って奴? 意外と鈍い雰囲気あるしな!


「フェイトさんはシャナ様が注目される御仁です。

 それに、シャナ様からの直接勧誘を受けるほどです。

 それ程の実力を持つ彼女が注目されぬはずもない。


 更に、我々は総じて半端な男よりも強い。

 ひ弱そうな男には興味など抱きません。

 我々が興味ある男は我らより強い人物のみです」

「なら! 俺には興味とか持ってくれるな!」

「……多少の興味が出る程度でしょう」

「おぉ! ならチャンス!」

「今は駄目よ! 城内よ! 城内!」

「わ、分かってるって」


ここでハーレム探しというのは確かに良くないなぁ。

あまり暴れるとおもてなしして貰えねぇかも知れねぇ。

それはシルフに申し訳ねぇって奴だ。


「……あなたは他の男と違って随分と」

「ん? 大人しいって? おぅ、何度も言われたぜ!

 まぁ、馬鹿とかもよく言われてるがな!」

「堂々と宣言しないでよね」

「殆どお前が言ったんじゃねぇかよ」

「そ、そうだけどさ……」


ま、こんな会話をのんびりしながら城内を歩く。

で、ようやく来たな!

これ見よがしに巨大な扉!


「では、こちらへ」

「うし!」

「マグナ、扉を開ける前に

 まずはシルフちゃんを降ろしなさい」

「あ、やっぱ駄目? この状態」

「当然でしょうが、国王様に面会すんのよ?

 妹を背負って面会とか、無礼にも程があるわ。

 ……と言うか、服装ってこれで良いのかしら」

「国王様は構わないと仰ってます」

「え? そうなの?」

「はい、皆様の事は既にお伝えしてますからね。

 無論、フェイトさんが一緒に面会することも許可されてます。

 背負ってる方は、流石によろしくはありませんけど」

「あ、やっぱ駄目? 仕方ねぇな、シルフ。

 悪いけど、俺の背中から降りてくれるか?」

「……ん」

「そう悲しむなって、話が終わったらもう一度背負ってやるから」

「……」


シルフが少しだけ悲しそうな返事をした後

大人しく俺の背中から降りてくれた。

その後、少し沈黙して俺の足に抱き付く。


「はは、可愛い奴め。でも、これならまだ大丈夫だろ」

「……本当に、仲がよろしいのですね」

「あぁ、可愛い妹だろ?」

「……否定はしません……羨ましい」


彼女が小さく呟く。

まぁ、聞えないように呟いたのかも知れねぇけど

流石にこの距離だし俺も耳が良いから聞えた。


やっぱり俺はこの世界においては理想のお兄ちゃんなのだろう。

ふふん、何だか少しだけ誇らしく感じるぜ!

とは言え、声を荒げたら怒られそうだから黙ろう。


「では、ご無礼の無いように」

「分かった、ありがとよ」


そう言って、俺達を案内してくれた兵士の子が扉を開ける。

すると、扉の先にある玉座には女の子が座ってた。


金色の長い髪の毛に、可愛らしく王冠がちょこんと乗ってる。

どうして落下しないのかはよく分からないのだが

その王冠は真っ直ぐではなく若干斜めだった。

更には髪の毛の頂点からはぴょんと跳ねてる毛が見えた。


座ってる姿も、何と言うか堂々としている。

若干股を開いて、こう、王様と言う雰囲気が凄い。

まるで女の子の様な艶がある肌ではあるが

雰囲気は男っぽいのか?


だが、髪の毛だってかなり手入れされてる。

遠目だろうとサラサラなのが分かった。

格好も軽い胸当てもあり、格好いい服装

まるで王子のような風貌だった。


当然、王子のような風貌なのだから

服装は決してスカート等ではなく、ズボンだな。


聞いた話じゃ、国王様は男だって聞いたけど

……ま、まさか! これが噂の男の娘か!?

王子のような格好だし、そんな気がするが

雰囲気は女の子っぽいが、やはり男の娘!?


「ようこそいらっしゃいました、歓迎しますわ」

「……え!? 国王様って男の娘だったのかぁ!?」

「コラ!」

「あだ!」


つ、つい驚きのあまり口が勝手に動いてしまった!

しかも、同時にフェイトからキツい一撃が飛んで来る。


「す、すみませんリスティア姫様!

 この馬鹿が失礼な事を!」

「い、いえ、確かに驚きましたけど大丈夫です。

 気にしてません。

 え、えっと、コホン。では改めて。


 わ、私はバスロミア王国、第1皇女リスティアと申します。

 リスティア・F・バスロードミリアス。


 お父様は今、病床に伏しております故

 時期女王である私がお出迎えさせていただきましたわ」


あ、男っぽい格好だが女の子なんだな。

男っぽい方が舐められないからあんな格好なのか?


「はぁ、俺はド田舎育ちだからよく分からねぇけど

 意外と、女性が王様って国は普通なのか?」

「け、敬語使いなさいよ……」

「あっと……えー、よ、よろしくお願いいたしますですはい」

「あんた、敬語も使えないわけ?」

「つ、使ったことねぇし、聞いたこともねぇ……」


前世の記憶があるとは言えこれも結構曖昧だ。

そりゃ、地獄で何億年も戦ってたんだし

過去の記憶が曖昧になってもしょうがねぇ。


何億年もの間に敬語なんて聞いてなかったし

かなーりうろ覚えなんだよなぁ、これが。


「いえいえ、構いませんよ。敬語を使っていただかなくとも。

 しかし、フェイト様と随分と仲がよろしいのですね」


あれ? これはどうだ? どうすれば良い?

敬語を使わなくても良いと姫様は言ってるが……

どうする? 敬語無しで行くか? よし、無しで行こう!

つか、覚えてねぇし下手な子というわけにもいかねぇ。


それにまぁ、最悪の場合は国から逃げりゃ良いし。

……いや、それだとフェイトに滅茶苦茶悪い事をする。

だが、敬語をあまり使えないし……

うし、と、とりあえずは敬語無しでいこう。

そっちの方がやっぱり俺らしい会話も出来るだろう。


「っと、敬語無しで良いならこのままで……」

「……え、えっと。ま、マグナは……

 あ、そうだ、じ、自己紹介よ」

「あ! そうだな、自己紹介だ! え、えっと……

 コホン、俺はマグナって言うぜ、見ての通り男だ。

 名字はバーストだ、よろしくお願いするぜ。


 で、こっちの白髪で滅茶苦茶可愛いのが妹のシルフだ。

 兄妹だし当然名字は同じだ、会話はあまり得意じゃないから

 殆ど喋らないけど、ほら、可愛いから許して欲しい」

「シルフ様とマグナ様ですね」


姫様はニコニコと笑いながら答えてくれた。

うーん、何だかやりにくい感じもするが。

何と言うか、こう言うのはからっきしだったしな。


「さて、お二人のお名前も知れましたし問いに答えます。

 まず、そうですね。女性の王が多いのかという事ですが

 はい、意外とよくあるのが事実ですわ。


 理由は語るまでもなく、

 男性が生まれる可能性が非常に低い。

 その為、初代王が男であっても男性が生まれず

 女性が王として玉座に座ることはよくあります」


まぁ、確かに男性が少ないって言う事はつまり

男性が生まれる可能性が限り無く低いって事だしな。

フェイトの話を聞くには1000人に1人。

そのまま文面通りに考えるとすれば

1000回に1回って訳だしな、至極当然か。


色んな奴と関係持っても、1人の野郎が

1000人も子供を作るのはかなりムズいだろうし

流石に身も持たねぇだろう。

それに、1回だけで確実に出来る訳でもねぇしな。


そう考えりゃ、王様が女って方が当然か。

それにまぁ、俺もそうなんだが聞いた話じゃ

男ってのは戦う事しか出来ねぇみてぇだし?

国の統治とか、正直相当ムズいんじゃねぇかな。


つか、ガキを作って男生んで貰わないとだし

男の王様っつっても、子作りばかりだろう。

そう考えると国の覇権ってのは女優位だな。


「そりゃ大変だなぁ、国王様ってのも」

「本当、あんた馴れ馴れしくしすぎよ……」

「構いませんわ、男性の方は国の宝ですもの」

「いやぁ、そりゃ嬉しい」

「では、このままの流れで交渉をさせてくださいませ」

「交渉?」

「はい、このバスロミア王国に永住していただきたいのです」

「永住?」

「はい、男性というのは非常に数も少なく

 国家存続に欠かせない存在なのです。

 このバスロミア王国も男の数は少なく

 僅か50名程度しか、その人数は居ません」

「……少なくね? フェイトの話じゃ500人って」

「結構多い方よ、1つの国に50人も居るのよ」

「でも、ここは1番デカい国って」

「小さい国も何処にも所属してない小さな村も

 かなり沢山あるんだから」


そりゃまぁ、俺が生まれた場所も小さいしな。

と言っても、俺ら家族しか住んでなかったから

そもそも村ですらないというのが事実だが。


「無論、永住して下さるのであれば

 不自由ない生活をお約束しましょう。

 金銭も住処も地位も差し上げます。

 

 我々に出来る事であれば、可能な限り協力もいたします。

 女性も同じく、あなた様に付き従いたいという女性を集め

 あなた様が子を沢山作れる様に尽力もいたしましょう。

 

 最低限の節度さえ守っていただけるのであれば

 我々はあなた方に危害なども加えません。

 男性に怨みを持つ女性から

 あなたを守る為の護衛も用意しましょう。


 悪くない条件だとは思うのですが、如何でしょうか?」


スゲー好条件だな。それだけ男は貴重なんだろ。

しかし、男として生まれればこれだけの権利が貰えるとは。

え? 可愛い美少女ちゃんも紹介してくれるとは驚きだ。


とは言え、俺としてはお気に入りの女の子以外は

出来る限りハーレムには入れない予定ではある。

手当たり次第に女の子に手を出すのは俺じゃねぇしな。


「なる程なぁ、そいつはスゲー好条件だ。

 家とか、住める場所も用意してくれるって凄いな」

「それだけ、あなた方は貴重な存在なのです。

 何か他にも欲しい権限などがあるのであれば

 私にお伝えしていただければ、可能な限り協力します」


だがまぁ、俺としては大冒険をしてみたい気持ちもある。

最強の肉体で、魔獣とか魔物とかそう言うのが居る世界だ。

そんな世界で、俺が何処まで通用するかも試してぇ。


とは言え、俺は貴重な男性である以上

どっかでのたれ死なれても困るだろうし

それを良しとは言わねぇだろうしなぁ。

だが、一応言った方が良いだろう。


「確かに好条件なんだけど、俺はほら、冒険とかしたいし」

「そ、それは流石に……貴重な男性であるあなたを

 危険が多い国外に向わせるわけには行きません。

 それに、他国もあなたを放ってはおきません。

 危険があまりにも多いのです、なのでそれは」

「俺は強いからな、何処まで通用するのか試してぇ。

 男ってのはそう言うもんさ、何処まで歳くっても

 どっかでそう言う、熱い衝動に身を任せてぇ時もある。

 ましてや強いんだ、その衝動を抑える事は出来ねぇ」

「……」

「当然、拘束されるってのも俺の好みじゃない。

 色々とやってくれるってのは嬉しいんだが

 冒険できないなら、俺はここには長居しないさ」


俺の返事を聞いた姫様がかなり顔を歪めてる。

彼女はこの国の長に最も近い存在だからな。

貴重な男を逃したくないと思うのは間違いない。


とは言え、俺は拘束され続けるのも嫌だ。

冒険したいというのが俺の思うところだ。


「し、しかし……そ、そうだ!

 ぼ、冒険よりも子供を作られる方が」

「勿論、それも最終目標としちゃありだがな。

 それが全てってのは寂しいだろ?

 俺は強く生まれたんだ、出来る事はなんでもやりたい」

「ま、まさか……こんな男性の方が……

 わ、分かりました。正し条件があります!」

「条件?」

「はい、あなたが強いと……そう、証明していただきたい。

 国の外に出ようと命を落とさないほどに強いと。

 それを証明出来ないのであれば……無理矢理にでも」

「へへ、良いぜ! 俺の強さを見せてやるさ!

 どうすれば良い?」

「では、シャナ!」

「はい」


姫様の言葉の後、シャナと言われた少女が前に出て来た。

赤く髪の毛ではあるが、髪の毛は長くはなく

短く切ってある。


で、ぎっちぎちの鎧を着ていた。

鎧は銀色で、彼女は兜は着けては居なかった。

まぁ、兜着けてたら顔見えねぇし

こっちとしちゃ、可愛らしい顔が見れて嬉しいな。


身長は俺ほどじゃねぇが、結構高い方だな。

胸も大きいんだろうなぁ、鎧の上から少し分かる位だ。

多分、そう言う特注の鎧なんだろう。

デカいから普通の鎧じゃ邪魔なんだろうな。


そしてだ、可愛らしい顔ではあるのだが

彼女の頬には引っ掻き傷の様な傷跡があった。

歴戦の騎士って奴か? 目付きもかなり鋭いしな。

金色に光ってる瞳は、かなり鋭いな。

面白ぇ、つえーのが分かる。


「しゃ、シャナさん……ちょ、ちょっとマグナ…」

「大丈夫だって、試してぇし」

「私がシャナだ、マグナ殿。よろしく頼む」

「よろしく、騎士団長さん。色々話は聞いたぞ。

 なんかスゲー強いんだっけ? 

 実はちょっと戦ってみたかったんだ」

「戦いたいとは、あなたは雰囲気とは違い

 随分と好戦的なのだな」

「いや、好戦的っつうか、試したいんだ。

 つえー奴と戦うってのは、やっぱ燃えるだろ?」

「……左様か、面白い人だな、男とは思えない」

「男ってのは、本来そう言うもんなのさ」

「……マグナ様、約束してください」

「分かってる。俺がこの人に負けたら

 俺は冒険には出ねぇよ。

 国から出ることも無く、ここにずっと住むとしよう。

 だが、俺が勝てば……俺が出回るの許してくれよ?」

「はい、約束しましょう」


うし、楽しみだな!

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