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力こそ全てのハーレム世界、世界最強のハーレムライフ!  作者: オリオン
第5章、番外編、シャンデルナの攻防
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妥協できない努力

ジュリアちゃんは一応魔法を教えてくれた。

でも、何処か上の空だったわね。

たまに不意に顔を赤くしてたりしてるし。

こりゃ、確実に脈ありよね。


「あれは確実に脈があるわ!

 仲間が増えそうね!」

「そ、そうね……」


私はよく分かんないんだけどね。

そりゃ、あいつがマシなのはそうなんだけど。

襲うわけでも無いしね、でも男は嫌い。

私はずっと独り身で生きていくつもりだし。


「フェイトちゃんは顔を赤くしないわね。

 いや、顔を赤くすることはあるけど

 怒った顔しかしないわよね~」

「私がどうして顔を赤くするのよ」

「マグナ様相手に」

「しないわ、私は別にあいつの事どうでも」

「嘘よ! 絶対に好きでしょ!」

「好きなわけあるか!」

「むしろ惚れない要素無いわ!」

「惚れない要素は色々あるけど

 まず1つ、あいつ馬鹿じゃ無いの」


マグナはどっちかというと馬鹿だからね。

そりゃぁ、結構テンション高いし

速攻色んな子に告白しようとしたりする事もあるし

アホみたいな事をガンガンやるからね。

いや、あいつが色々ヤバいせいで

私達の常識が通じないだけかも知れないけど

全体的に馬鹿っぽいのは間違いないわ。


「もう! そこが良いんじゃ無い!

 確かに馬鹿っぽいけど、そのお陰で

 私達は気安くマグナ様に接することが出来るの!

 何か変な事を言っても機嫌を損ねることは無い!

 シルフちゃんにエッチな知識を与えようとしたら

 本気で怒られるのは間違いないけど!」

「そりゃね、あいつは妙にシルフちゃんを

 健全に育てようとしてるからね。

 このご時世で、その知識無しでやってくのは

 絶対に無理でしょと思うけど」


目の前に案山子に向って短刀を2本投げる。

駄目ね、心臓には当ったけど頭には当らなかった。


「確かに難しいわよねぇ、特にドリーズちゃんのせいで」

「あー、あいつ勢い凄いからね」


2回目、今度は頭に当ったけど心臓には当らない。

本当に難しいわね、この同時投擲。

シャナさんは普通にやってたけど、本当に凄い。


「でも、マグナ様はドリーズちゃんを追い出さないわよね」

「あいつは無理に追い出そうとはしないでしょ。

 てか、追い出してもドリーズは多分付いてくるわよ。

 絶対に離れないでしょ、あれ」


3回目……駄目ね、意識しすぎて心臓にも頭にも当らない。

それぞれ近くには行ったけど、当る前には至ってない。

難しい……本当に10回に1回くらいしか成功しないし。


「そうよねー、所でフェイトちゃん。

 さっきから同じ事をやってるけど魔法は?」

「ジュリアちゃんが部屋に籠もっちゃったしね。

 1人でやっても難しいだろうから別の事よ。

 シャナさんの真似をしようとしてるの」

「そうなの、全部当ってて凄いわ!

 流石はフェイトちゃん!」

「いや、1回も成功してないわよ」

「え? 当ってるじゃ無いの」

「あのね、心臓と頭に当ってないから駄目よ」

「え? 当ってるじゃ無いの」

「……いや、当ってないのこれ、ズレてる」

「えー! 私には当ってるようにしか見えないわ!」


私は結構外れてるように思えるんだけどね。

さて、4回目、今度も失敗。本当に難しい……


「これは成功なの?」

「失敗よ」

「あ、当ってるようにしか見えないわ……」

「心臓はここ、頭はここ、私の投げた短刀は

 心臓には当らず、恐らくは肺。

 頭の方は当ってるには当ってるけど

 眉間には刺さってない、顔面よこれ」

「あ、当ってるじゃ無いの……」

「いや、外れてる。急所じゃないし」


もっと完璧にしないと駄目なのに難しいわ。


「私にはサッパリ分からないわ、

 ずっと当ってるように見えるし」

「まぁ、当てるだけなら4本でも行けるし」


今度は試しに4本同時に投擲してみる。

心臓付近に2本、頭部には1本ギリギリ当り

もう1本は右肩辺りに当ってる。失敗ね。


「す、凄いわ! 4本とも当ったわ! 流石!」

「いや、失敗よこれ、全然成功じゃ無い」

「フェイトちゃん自分に厳しすぎよ-!」

「この程度でやったと思ったら駄目なのよ。

 私より凄い奴は滅茶苦茶多いんだから。

 マグナ、ドリーズ、シャナさん、シルフちゃん。

 私が出会った中でもこれだけ上の相手が居る。

 守られてばかりは絶対に嫌だし、役に立ちたい。

 そして、誰にも負けたくないのよ。


 私は努力できる環境に生まれたのよ。

 だから、努力し続けてやる。

 自分に甘くなったら駄目なのよ、私は弱いの。

 ただでさえ弱いのに

 自分に甘ければ上には行けない」


例え無謀だと言われても私は上を目指す。

私は弱い、弱いと言われているのに

弱いままで良いはずが無い。私は上に行く。

私は強くなる。誰にも、誰にも私の自由は奪わせない。

私は強く、強く、誰よりも強くなる。

絶対に男共の言いなりにならない!


「私は強くなるのよ、男共の奴隷になりたくない。

 だから、私は鍛えるのよ、無駄だと言われようともね。

 私は努力できる環境に居る。だから、努力するまで!」

「す、凄い熱量ね、さ、流石はフェイトちゃん……

 やっぱりフェイトちゃんなら魔法も使えるに違いない!」

「そうね、やってみせるわ。でも、今はこれよ。

 努力は万全な場面でやることで最も効果が出る。

 がむしゃらにやっても意味ないからね」


ジュリアちゃんが居る場面が魔法を鍛える上では

1番努力できる状況なのは間違いないわ。

魔法の専門家に付きっ切りで教えて貰う状況こそ

私が魔法に関して最大限努力できる環境。


1人でやっても自信を無くすだけよ。

自分の考えが重要な魔法で自信を無くす行動は

どう考えても愚行なのだから。


「さて、まだまだ」


案山子に刺さった短刀を引き抜き、構えようとしたとき

嫌な音が聞えてくる。


「警鐘!?」

「ま、またゴブリンなの!? ど、どうしよう!

 ま、マグナ様も居ないのに!」

「……そ、そうね、今回はヤバいかもしれない!」


ドリーズの部下達が対処してるから

まだ大丈夫かも知れないけど

マグナ達が居ないから結構ヤバいわ。


「とにかく急ごう、ミントは城へ逃げて!」

「で、でも!」

「戦場になりかねない、戦えないあなたは」

「だけど、わ、私はマグナ様のお嫁さんなのよ!

 この場所は私が守るわ!」

「何を馬鹿な!」

「だ、大丈夫よ! 多分!」

「変な自信は良いからお城へ逃げなさいよ!」

「フェイトさん! ヤバいよこれ!」

「分かってるわ!」


急いで自分の武器を取り出す。

銃に弓に10本の短刀に剣。

鎧とか無いから、私は結構恐いけど

冒険者である私が鎧は結構ね。

矢の数は万全、既に確認してる。

弾丸は100発もあるから十分。


「急ぐわよ! ジュリアちゃん!」

「うん!」

「待ってるからね! フェイトちゃん!」

「あんたは城へ行きなさい!」

「いや! 私は皆が帰ってくる前にご飯を作るわ!」

「馬鹿言うな!」

「皆の為に美味しい料理を作るのが私の役目よ!」

「あぁもう! 大人しく城へ!」

「押し問答してる場合じゃ無いよ、フェイトさん!

 時間がない、い、急がないと!」

「……そ、そうね、とにかくミント! 避難しなさいよ!」


あの子が避難する事を祈るしか無い。

普通に家で料理作ってそうで恐いけど!

でも、今は急ぐしか無いわ。

襲撃されてるのは間違いないのだから。

1分1秒でも早く、私達は対処しないと!

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