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2人の作戦会議

ドラゴンが落とされた今回の戦い。

ドリーズはあの報告の後

結構不機嫌なままで過ごしてる。

ただ怒りに身を任せての行動はせずに

人類への協力を優先してる状態だ。

やはり長としての誇りがあるのだろう。


「さて、非常に不愉快な連中ではあるが

 今はこらえ、先を作る為に立ち回ろう」


ちょっとだけ不機嫌そうに呟いた後

ドリーズは空へ飛び上がる。


「どうしたんだ? 何処へ行くつもりだ?」

「うむ、索敵じゃな、おおよその目星を付ける。

 部下達のみに任せて被害が広がるのは困るのじゃ。

 故に、儂も自ら行動して索敵をするまでじゃ」


しばらくは暇だろうからな

その間に索敵して攻撃の目星を付けようとしてるのか。

そりゃまぁ、必要な行程としか言えないな。

準備が出来ても索敵で時間が掛る可能性は大いにある。

暇な時間にその可能性を少しでも潰そうとしてるのだろう。


当然、索敵にはドリーズが1番向いてる。

飛行能力も高く移動速度が速い。

そして何より、ドリーズは小さいからな。

体が小さいから接近にバレにくいという訳だ。

仮に見付かったとしてもドリーズの場合は

攻撃の全てに対処が可能だろうしな。


「まぁ、必要だよな、気を付けろよ」

「うむ、滅ぼさぬように気を付けるのじゃ」


気を付けるのはそこって言うのがドリーズらしい。

今、結構キレてる状態だからな、あいつ。

怒りを抑えてないとゴブリンを殲滅しかねない。

それでは、ゴブリンアーミーで

人類の練度を上げようとしてるのに無意味になるしな。


「防衛はしばらくマグナに任せるのじゃ」

「あぁ、任せとけ、お前も索敵に躍起になるなよ?

 俺達の役目は書状を集めて運ぶ事だからな。

 お前が帰ってこなきゃ、行動出来やしねぇ」

「うむ、分かっておる」


その後、ドリーズは素早い速度で飛んでいく。

俺はシルフを背負い、城壁から降りて家へ戻った。


「じゃ、俺達はしばらく待機だが

 それはそれで、あまり良くねぇからな。

 ひとまずだ、兵士達と合流するか」

「ん、分かった」


全員が行動してる中、俺達がのんびりは良くねぇ。

とりあえず作戦会議をしておこう。


「うし、シルフ、作戦会議をしよう」

「ん、立ち回りの」

「その通りだ、俺達はそりゃ強いからな。

 だが、正直俺達はあまりにも強すぎて

 次の襲撃時にやり過ぎたら兵士達の訓練にならない。

 特にシルフの魔法は範囲が馬鹿広いからな」

「ん……」


ちょっとだけ怒りにまかせて放っただけで

大量のゴブリンを一瞬で殲滅できるからな。

そりゃまぁ、俺も同じ事が言えるけど。

俺の場合はちょっと規模が異常で制御が出来ないから

使えても出来ないってのは間違いねぇ

てか、下手にやり過ぎると仲間が巻き込まれるし。


「当然、俺だって下手にやり過ぎちまうと纏めて吹っ飛ばす。

 だから、適度に手加減しねぇと駄目だ」

「ん、そうだね」

「と言う訳で、合体技を考えてみようぜ

 火力の制御が十分可能な合体技を」

「面白そう」


俺の物理特化な攻撃力と

シルフの魔法特化な攻撃力。

あわせれば殲滅の規模を一気に増やせるだろうが

それじゃ、あまり意味は無いと言える。

そもそも合体しなくても規模は十分だし。


いや、俺の場合は合体させるとより殲滅力があがるが

今回の作戦会議に多大な殲滅力はよろしくない。

と言う訳で、適度に加減しても一定の効果を出すために

合体技の会議みたいなのをするとしよう。


「でも、例えばどんな感じ?」

「あぁ、例えばシルフが氷属性の魔法を使って

 周囲の温度を落として、俺が拳を振って

 周囲の冷気を敵にぶつけて凍えさせたりな」

「凍えさせて意味あるの?」

「あぁ、動きが鈍くなる」


あくまで相手が行動しにくくなる程度の影響だ。

これなら、兵士達も戦いやすくなることだろう。

シルフもあまり冷気を出す必要も無いし

俺もあまり全力で拳を振う必要も無い。


「他にも氷塊を出して俺がそれをぶん殴って

 氷片を放ってある程度のダメージを与えたりな。

 そりゃ、俺が全力でぶん殴れば威力はヤベぇが

 適度の手加減すりゃ、相手を殺さないで

 相手に行動を阻害させたり出来るだろうしな」

「ん、確かにそれで私が氷片を操って

 足を凍らせたりも出来るかも知れない」

「だろ? 結構面白そうだと思うぜ」

「ん、私もそう思う」


しかもこの合体技を考えるって言うのも

実は俺達の戦力強化にだってなる。

だって、合体技を本気で放てばマジで威力が上がる。

最初の周囲の冷気を操った後に

俺が拳を振ってって連携も

シルフが本気で俺の周りだけを冷やした後に

俺が本気で拳を振えば殲滅力は相当だろう。

下手すりゃ、一瞬で相手を氷漬けに出来ちまう。


氷塊の連携だって同じ事が言えるだろう。

シルフが氷塊の硬度を上げて展開した後に

俺が本気でぶん殴って氷片をぶっ放せば

殲滅力はとんでもねぇ事になるだろうしな。


そして俺も、シルフと合体技が出来てテンションが上がる。

まさに良い事しか無い作戦会議だろう。


「うし、じゃあ考えるぞ、色々と」

「ん、頑張ろう」


シルフの多種多様な魔法と俺の物理攻撃力。

この2つをどう組み合わせて火力を上げるのか

あるいは火力を制御するのかを考えるのは

かなり楽しいって事が分かったぜ。

実戦で使うのが実に楽しみだ!

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