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魔法の座学

ゴブリン襲撃とかもあったり

俺の魔法が色々とぶっ飛んだりしてたが

まぁ、特に大きな問題も無く家に戻る。

そして、ジュリアは早速本を纏めて

俺達に色々な資料を用意してくれた。


「さて、では魔法の区分などを教えるわ」

「はーい」


その言葉の後、ジュリアが俺達に書類を配る。

書類には色々な内容が表記されている。


「魔法には色々な種類があるわ。

 最初に軽く伝えた属性の中でも

 特に特殊なのが名前の通り、特殊属性」


ジュリアが渡してくれたのは特殊属性の内容か。

特殊属性魔法の概要などが書いてあるな。


「特殊属性はその名の通り、他の属性魔法には

 分類することが出来ない特殊な魔法を差すわ。

 私が使う回復魔法もこの特殊属性なの」

「そう言ってたな」

「で、特殊属性は男性よりも女性が発現しやすい。

 理由はシンプルな話で、何度も言ったとおり

 魔法はイメージが重要だからね。

 特殊属性は特にイメージが重要な属性になるの。

 だから、男性が発動させる特殊属性魔法は

 身体強化の魔法が多いの」


へぇ、やっぱり身体強化が分かりやすいのかな。

実際、滅茶苦茶強くなるって思えばそれで良いし

割と分かりやすいのかもな。


「ふーん、じゃあ、男の特殊能力とかはこれ?」

「いいえ、特殊能力はこの特殊属性では無いわ。

 あれは無意識に発動させてる能力だから

 意識しないと発動しない魔法とは根本的に違うの」

「特殊能力は無意識に発動して

 特殊属性魔法は意識する必要があると」

「そうよ、その人物が持つ潜在的な能力と言えるわ。

 魔法と特殊能力は意識してるか無意識かで別れる。

 例えば身体強化が特殊能力だった場合は

 その身体強化は基本的に発動してて

 更に魔法を使えば重ね掛けでより強くなるの」

「ふーん」

「催眠術は操りたいと思えば勝手に発動する。

 ただ実は特殊属性魔法でも似たような事が出来るの」

「じゃあ、ほぼ特殊属性魔法なのか」

「えぇ、あくまで無意識に発動出来るかどうかよ。

 ただ特殊属性でも再現できない特殊能力もあるから

 潜在的な能力の方が効力が高いと言えるわね。

 後、効力も特殊能力の方が上なのよね」


再現できると言っても、劣化コピーって感じか。

特殊能力その物と比べれば効力は落ちると。


「なる程なぁ、あくまで劣化コピー

 正確に再現することは出来ないと」

「そうよ」

「そう言えば、女性も特殊能力が発動出来るらしいが

 どうやって発動させるんだ?」

「魔法の才能を開花させてしばらく鍛えて行くと

 特殊能力が発動するようになるのよ。

 勝手に意識してない特殊な力が出るようになる。

 こうなれば、特殊能力が発現したと言えるわ」


最終的に無意識に魔法の様な形で発動すると。

これが特殊能力と分類されるのか。


「例えば心を読む特殊能力があるわ。

 3人ほどその能力を持ってる子が居るんだけど

 この子達は意識をしないと

 相手の心が読めちゃうらしいの。

 ちょっと不便だけど、制御出来るなら御の字ね。

 極めたら才能も即座に探知できるとか」

「あぁ、あの人達か」


領主が情報を正しいかどうかを知る為に

わざわざ呼んだのは、やっぱり確信があったからか。


「あ、そうなんだ、あの人達は城の方で仕事をしてるし

 お姫様の護衛で来たあなた達は知ってるんだ」

「そうだな、ゴブリンアーミーの情報を信じて貰えなくて

 領主がその人達を呼んだんだ」

「そんな意味の分からない情報……

 あぁ、ドリーズね、あたしも信じられないけど

 竜人種なんだっけ」

「うむ、そうじゃよ? じゃから測定きとやらで

 儂の適性は把握できなかったわけじゃからな」

「そうね…あれは驚いたわ」


絶対だと思ってた装置が測定できないなんて

想定すらしてないだろうからな。

それでも結構あっさり受入れてたが。


「まぁ良いわ、とにかくそんな感じで

 特殊能力は結構無意識に発動出来るの。

 ただ特殊属性魔法は意識しないと発動しない。

 意識しないと発動しないのと無意識でも発動する。

 この差はかなり大きいから

 特殊能力は特殊属性魔法とは違うのよね。

 紛らわしいかも知れないけど」


根本は近いのかもしれないが効力が雲泥の差と。


「じゃあ、特殊属性魔法の話しに戻るわね。

 特殊属性魔法は結構融通が利く魔法なの。

 例えば防御だって出来るし、転移とかも出来る。

 出来ると思えば色々な事が出来るわけだから

 特殊属性魔法に適性があるのはかなり大きいの。


 ただ、特殊属性魔法の性質も色々とあって

 例えば他者に影響を与えるタイプの特殊属性魔法

 あたしが扱う回復はこの部類に入るわ。

 催眠術もこの部分に入るけど、あたしは出来ない。

 

 次は空間に影響を与えるタイプの特殊属性魔法

 防御魔法や転移なんかがこの分類に入るわね。

 因みに流通してるマジックバックとかは

 この空間に影響を与えるタイプの特殊能力なの。

 シャンデルナ様が用いてて、シャンデルナ様の

 娘さんがこの特殊能力を受け継いでるの

 

 最後に自分に影響を与えるタイプの特殊属性魔法。

 これは身体強化とかが分類されるわ。

 自己回復もここに当るけど、効果が違うの。


 回復魔法は自分も他者も回復させられるけど

 回復速度が全然違ってて

 自己回復は一瞬で治癒できるのよね。

 あくまで自分にしか効果が無いから

 他者を超速で回復させる事は出来ないけど」


特殊属性と一言で言っても、結構分類が違うんだな。

中々難しいが、あの装置で区分を分けてないと言う事は

見分けるのが難しいからと言う事か。


「本来ならここも区分したいけど

 似たような性質だからなのか

 中々難しくて、かなり苦戦してるのよね。

 シャンデルナ様だって苦労するレベルだし

 そう簡単には別けられないんだと思う。

 あたしも頑張らないとって思うんだけど

 ちょっとまだあたしの実力だとね」


ただ諦めてるという雰囲気では無いな。

今はまだ無理だけど、いつか出来るようになる。

そんな心意気が表情から読み取れた。


「ふむふむ、私はどれだろう」

「シルフちゃんは恐らく全部使えると思うわ。

 回復とかは使ったりする?」

「使ったこと無い……」

「試してみるか?」

「どうやって?」

「俺の体で」

「いや、あ、あんたは怪我しないでしょ…」

「自分で攻撃すれば傷は付くぜ」

「で、でも……」

「気にすんな、フェイト達が怪我したときに

 治そうとして治せなかったってなるよりはマシだ」


実験も兼ねて、俺は自分の体に傷を付けか。

流石に女の子達に怪我をさせるわけにはいかねぇ。


「じゃ、行くぜ!」


怪我をする為に、ちょっとだけ離れて

そこそこ力を入れて、自分の腕を攻撃。


「きゃ!」


かなりデカい音が響いたからなのか

フェイト達の小さな悲鳴が聞えた。

で、俺の方はしっかり怪我をしたな。


「うーん、そこそこ力を入れたが、まぁこんなもんか」


あまり深く傷は入らなかった。

力もかなり抑えて、怪我が出来るようにしたが

やっぱり俺の防御力は相当らしい。


「ほれ、治せるか?」

「にーに、だ、大丈夫…? 血が結構…」

「大丈夫だって、この程度は大した事ねぇ」

「儂の全身全霊を放ったときの怪我よりも深いのぅ。

 流石は自分の攻撃力で放っただけはある。

 さっき、かなり馬鹿でかい音も響いたしのぅ」

「まぁ、結構力入れねぇと入らねぇからな」

「ん、た、試してみる」


ちょっと心配そうにしながらシルフが俺の怪我に触れる。

シルフの手が少しだけ緑色に光り、俺の傷が完治した。


「お、治ったな!」

「……う、うぅ」

「シルフ!? 大丈夫か!?」

「だ、大丈夫、ちょっとクラッとして…」

「そ、そうね、魔力消費がかなりの物だったんだと…

 1回の回復でこうなるとは…あまり適性が無い?

 でも、回復が出来るって事は……いや、まさか

 あなたの回復をしたから消耗が凄かったとか?」

「ん? そうか? あ、ジュリアも試してみてくれ」


もう一回、自分で自分を傷付けて見た。

流石にシルフが適性が無いから疲れたなら

あまり多用するわけには行かないからな。

俺の傷を治したから疲れたのか

シルフが適性無いのに無理矢理治したことで

疲労したのかを把握する必要があるしな。


そりゃ、俺は誰1人として怪我をさせるつもりはねぇが

最悪の場合に対処出来る手段はしっかりと知っておきたい。


「じゃ、じゃあ」


今度はジュリアが俺の傷を治そうとしてくれた。

しかしだ、俺の傷はサッパリ治らない。


「う、うぅ、む、無理……」

「全然治ってないけど…」

「全く影響が……凄い魔力使ったのに…

 こ、これ以上やったら、あ、あたしが倒れる…」

「適性があるジュリアさんはマグナの怪我を治せない

 だけど、シルフちゃんはマグナの怪我を治せた。

 つまりシルフちゃんはかなりの適性があるけど、

 マグナを回復させるのは疲れた。

 そう言う事か……マグナ、あんた何なのよ」

「さぁ? 俺もサッパリ」


怪我をした場所に力を込めて怪我を治す。


「自力で治せるの!?」

「え? そりゃまぁ、筋肉で止血すれば」

「筋肉そんな万能じゃ無いけど!?」

「ふっふっふ、良いか? 筋肉ってのは万能だ。

 とりあえず筋肉さえあれば大体何とかなる。

 魔法だろうが怪我だろうが病気だろうが

 筋肉鍛えてたら何とかなるんだよ

 筋肉鍛えたら頭も良くなるしな!」

「なるわけあるかぁ!」

「おべ! 容赦ないグーパン!

 おいおい、お前それでまた怪我したらどうするよ。

 今はシルフもヘロヘロだしジュリアもヘロヘロだ。

 怪我したら痛いぜ?」

「だ、大丈夫よ、ちょっと痛いだけ……」


少し痛そうに自分の拳を撫でてるな。


「ふむ、やはり筋肉は万能じゃな」

「あんたも連鎖的にボケないで!」

「まぁそう焦ることは無かろう

 とりあえずマグナだからで解決じゃ」

「そうね……もうそれで万事解決する気がするわ」

「流石俺!」

「こ、これが男なのね……め、滅茶苦茶強い気がするけど

 ここまで底抜けに馬鹿だとは予想外よ。

 あたしの兄貴と父さんはここまで馬鹿じゃ無い様な…

 いや、馬鹿だけど、クズだけど……

 正直、マグナさんほど馬鹿なら逆に接しやすいけど…」

「お? さん付けしてくれるんだな、サンキュー

 いくらか距離縮んだ気がして素直に嬉しいよ」

「そ、そう……」


少し圧倒されてる風だけど、まぁ良いか。

大体俺と会話した奴は圧倒されてるしな。

これがまぁ、逆に正しい反応なきがする。


「と、とりあえず最後、圧倒されたけど…

 ま、まぁここまでにしましょう…ちょっと疲れたし」

「う、うん、疲れた…」

「すまねぇな、ここまで疲れるとは思わなくてよ」

「いや、大事な事だと思う……にーには悪くない」

「そうね、大事な事だから、適性の判断は必須だし」

「ふむ、まぁマグナは怪我などせぬじゃろうから

 マグナの怪我を治せないのは問題では無いしの」

「あぁ、俺はそうそう怪我しねぇからな」


ただまぁ、シルフに回復の適性があるのは分かった。

これは重要な情報と言えるかもな。

もし誰かが怪我をしたら回復出来るわけだし。

俺は怪我をさせないように頑張るけど

あらゆる状況で手を貸せるわけじゃねぇからな。

最悪の場合の保険があるのは大事だ。

ま、飯食って明日に備えるとするか。

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