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魔法の練習

シルフの家庭教師が決まって次の日

早速元気いっぱいのジュリアがやって来た。

彼女は何人かの荷物持ちと一緒にやって来て

大量の書物を俺達が過ごすこの家へ運ぶ。


当然、結構部屋数が多いこの部屋には

問題無くその本は全て収納できた。


「大量の本を持ってくるとはな」

「えぇ、あたしが用意した魔法の教材よ!

 全部このあたしが買ってきたわ!

 あなた達に譲渡するつもりだからね」

「くれるのか? この数、かなり多いし

 相当金が掛ったんじゃねぇの?」

「端金よ、これでもあたしは幹部の一員よ。

 お給料は相当貰ってるわ!

 まだ15歳だからって、侮らないでね!」

「そういや15歳だったのか、そりゃスゲぇな」

「ふふん、まぁシルフちゃんほどじゃないけど」


そりゃまぁ、シルフの年齢と比べればな。


「でも、あんたも相当貰ってるんでしょ? 男だし

 自国のお姫様の護衛までしてくるんだし。

 男なのに随分と信頼されてるわね」

「まぁ、俺は見ての通り滅茶苦茶紳士だからな。

 スーパー紳士で滅茶苦茶強ーからな!」

「ま、まぁ、あんたがあたしの兄貴と親父と比べれば

 マシな男なのは、まぁ、分かるけど」


それでも、紳士とか何言ってんだ? って表情だな。

まぁ、こう言う表情を良く向けられるから慣れてる。

そりゃまぁ、俺は結構ギャグな男だからな。

紳士的と言っても、そこまで紳士と感じねぇだろう。


「あ、それとだ、1つお願いしても良いか?」

「何を?」

「フェイトの事もいくらか鍛えてやって欲しいんだ。

 あいつも頑張ってるからな、

 魔法を使えるようになれば

 あいつはもっと自分に自信を持てるようになる筈だ」

「フェイトさんの事、あなた大事にしてるんだね」

「あぁ、そりゃ当然だ。あいつが居なかったら

 俺達は今でも野宿してただろうし

 誰にも会えてねぇだろうからな。

 シルフも今ほど笑ってねぇかも知れねぇ

 だから、マジに感謝してるんだよ」

「ふーん、ま、勿論あたしだって

 努力しようとしてる人を見捨てないわ。

 しっかり鍛えて、魔法を使えるようにしてあげる!

 別にあなたに言われなくてもやると思うけど

 あなたに言われたからには、絶対にするわ!」

「お、そりゃ嬉しいな! サンキュー!」


これでフェイトも成長出来るかも知れねぇ。

魔法の専門家に鍛えて貰えば、大きく進歩するだろう。

あいつは頑張り屋さんだからな。


「で、あなたはどうするの? 魔法」

「え? 俺も鍛えるの?」

「勿論、あたしは鍛えた方が良いと思う!

 あなたの才能も絶対凄いに違いないわ!

 魔法を制御出来るようになれば

 あなただって魔法を使って戦えるし!

 その先を目指すことだって出来る筈よ!


 シルフちゃんだって、お兄さんと一緒に

 頑張るなら、きっと凄く頑張れると思う!」

「うーん、た、確かにシルフの事を思えば……

 ま、まぁ、あまり自信は無いが…や、やってみるか」

「決まりね!」


実際、シルフが頑張ってるのに自分は何もしないのはな。

ちょっとは俺も魔法を鍛えてみるのも良いだろう。

殲滅戦の時に使えれば、中々便利だろうしな。

ゴブリンアーミーだとかアンデッド祭だとか

そう言う、殲滅が重要になりそうなイベントが控えてるし

殲滅力を上げるって意味でも、必要な事か。


「じゃあ、早速魔法を鍛えてあげるわ!

 規模が相当だから、国の外で練習しましょう」

「大丈夫なのか? 今は大騒ぎだぜ?

 ゴブリンアーミーの最中だ」

「だ、大丈夫よ多分!」

「まぁ、そう言うなら何も言わねぇが」


結構不安そうだが、何とか許可は下りたらしい。

俺達はそのままジュリアの後に付いていき

魔法の実技訓練をする事になった。


「それじゃあ、魔法の実技訓練を行なうわ!」

「普通は座学じゃねぇの?」

「夜は座学、お昼は実技をするわよ。

 夜は危ないからね、お昼ならまだ大丈夫」


大丈夫なのか分からないが、まぁいいか。

こいつが大丈夫というなら多分そうだ。

そもそも、シルフは魔法を使えるからな

シルフが頑張るだけなら実技でも問題無いか。


「まず魔法の種類は既に軽く伝えた通りよ。

 改めて伝えると火属性魔法、水属性魔法

 木属性魔法、氷属性魔法、雷属性魔法

 光属性魔法、特属性魔法

 この7属性が現状、区分されてる魔法。

 だけど、実際はもうちょっとあるわ。

 闇属性魔法、地属性魔法、風属性魔法

 特属性魔法はこれらに類しない魔法ね」

「何故闇、地、風は区分されておらぬ?」

「それは属性適性を測る設備でも

 まだ検出することが出来てないからよ。

 存在は把握されるけど、検出する方法が無い。

 これらの属性を把握しようとしても

 どうしても検出不能になるわ。

 恐らく魔力の性質が他とは違うんだと思う」


ふーん、検出する方法が確立されてないから

存在は把握されてても出来ないと言う訳か。


「それらは特属性魔法って区分けにはなってないの?」

「うん、特属性魔法は一応検出は出来るからね。

 闇、地、風はそもそも検出できてないの。

 使い手は居るのに検出不可なのよ」

「使い手は誰なんだ?」

「シャンデルナ様は使えてるわ。

 で、リーズロードって言う人もね。

 後、何人かの男もこの使い手が居るわね」


使い手が居るけど検出できない魔法ねぇ

そんな魔法があるとは結構意外だ。

シャンデルナは使えるらしいから把握できそうだが

何で性質その物が違うのかねぇ。


「その属性を検出する方法を模索するのも

 あたし達の目標の1つではあるけど

 そこは今、どうにか出来る話じゃ無いからね。

 今はあなた達に魔法を教えるわ」

「あぁ、それが目的だからな」

「で、魔法を使う方法だけど

 本来、魔法を扱う際には魔法名が必要なの。

 あ、口に出す必要は無いのよ、脳内で大丈夫。

 木属性の初級魔法はウッドウィップ。

 どんな形で召喚するかをイメージして

 ウッドウィップと脳内で呟けば出てくる」

「え? 私はそんなの…」

「そう、一定以上の適性があれば

 魔法名すら必要無いのよ!

 一定の魔法適性があればイメージでOK!

 こんな感じかなでも出来るの」


ほうほう、つまりイメージ通りの物が出るのか

一定以上の適性がある場合は。


「シルフちゃんの場合は

 ほぼイメージ通りの物が出るわ。

 多分、全力で何か出ろでも魔法が出るわ。


 シルフちゃんの才能的に

 全力で何か出ろって思ったら

 最上級魔法がしれっと出てくると思う」


あぁ、だからドリーズと戦った時

シルフが全力で何か出ろとか思ったから

木属性の最上級魔法が出たのか。


「でも、この場合で出した魔法の威力は

 本来の威力よりも大きく落ちるわ。

 魔法名とイメージ図があればより威力が増す。

 例えばあたしが扱える火属性魔法だけど

 イメージとか無しで出ろって思ったら

 ただの火球が出て来て来るんだけど」


そう言って、ジュリアは

不意に出て来たゴブリンに火球を飛ばす。

火球はゴブリンに当ったが倒せず

熱そうに走り回ってるだけだ。


「イメージして、魔法名を唱えると

 あ、火属性魔法の下級魔法はファイヤーよ」

「シンプルじゃな」

「下級だし覚えやすいからOKよ」


そう言って放たれた火球は最初に出て来た

小さな火の玉と比べればかなり巨大で

ゴブリンを吹き飛ばし撃破するだけの威力があった。


「こんな感じで、威力が大分上昇するわ」

「ふむふむ」

「Sランクなら中級魔法が

 Xランクなら上位魔法が

 Zランクなら多分最上位魔法よ」

「最後は多分なんだ」

「えぇ、だってZランクとか初だし」


理論上は存在するだけで

存在してるかは分かってなかったらしいしな。

シルフとドリーズが魔法ギルド的には初のZランクだろう。


「全力で出ろってイメージだけすればAランクは中級魔法

 Sランクは上級魔法、Xランクは最上級魔法

 Zランクは多分高威力の最上級魔法だと思うわ」

「ふむふむ、で、魔法名やイメージがあれば」

「えぇ、威力が凄い上がるの」

「じゃあ、魔法名とやらを知ってた方が良いんだな」

「そうね、ただXランクならオリジナル魔法も出来るわ。

 魔法名やイメージ図があればその人オリジナルが出来る。

 ただ今回はシャンデルナ様が作った魔法でやりましょう」

「分かった」


さて、一応ジュリアから魔法名とやらを聞いて

軽いイメージ図を教えて貰ってから

シルフに試して貰うとするかな。

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