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それぞれの属性適性

案内された奥地では

まるで数値のような物が表示されてる

変わった設備が存在してた。


「これは?」

「賢者であるシャンデルナ様が作って

 師匠が改良した測定装置よ。

 魔法適性を細かく解析して

 数値化することが出来るよ。

 この水晶に触れる事で魔力を読み取って

 どんな魔法が得意なのかを表示してくれる。

 表示はこの文字で別れてるの。


 適性が無い属性       ランクE

 ちょっとしか適性が無い   ランクD

 頑張れば使える程度     ランクC

 鍛えれば十分使える程度   ランクB

 開発すれば即座に使える   ランクA

 開発する必要も無い程の適性 ランクS

 シャンデルナ様レベル    ランクX 

 理論上は存在する魔法適性  ランクZ


 最後はあたしも聞いたこと無いけど

 シャンデルナ様の推測では

 このランクは存在するらしいわ

 言うなれば、最高の適性がランクZよ」


意外と別れてるんだな、ランクって。

しかし、分かりやすいような別れ方だ。


「しかし、変わった記号ね、何これ」

「シャンデルナ様が作った区分でね。

 あたしもよく分からないんだけど

 分かりやすいからこんな風に分けたって

 でも、この表示の仕方が今は流行ってて

 ここ以外でもこの記号は使われてるわ」


ふーん、記号自体はシャンデルナが考えたと。

……どっかで見たことがある様な気がするが

俺も記憶が曖昧だし、いまいち覚えてねぇな。


「さ、じゃあ、ここに触れて」

「……良いの? 壊れるかも」

「大丈夫よ、壊れないって」

「でも、水晶は壊れた」

「これは大丈夫、頑丈さが違うし!」

「……フェイト」

「え? 私? そんなに嫌なの?」

「ん、ちょっと見て見たい」

「何よ、怖がってるの? まぁ良いけど。

 フェイトってあなたよね、前に来たけど

 適性が無かった」

「そ、そうよ…ここに案内はされて無い」

「じゃあ、折角の機会だし、触ってみる?

 フェイトさんが良ければだけど」

「そ、そうね」


ちょっとだけ不安げな表情だが

フェイトは水晶に手を触れた。

少しして設備が動き出し、表示が動いた後

水晶の近くが開いて紙が出て来た。


「紙?」

「えぇ、そこに適性が書いてあるわ」


フェイトの適性か気になるな。


「火属性適性、C

 水属性適性、D

 木属性適性、E

 氷属性適性、D

 雷属性適性、E

 光属性適性、E

 特属性適性、E

 ず、ズタボロね…」

「いや、適性Cが1つあるわね。

 十分才能があると言えるわ。

 あなたが諦めないで努力すれば

 火属性魔法が使えるかも知れないわね。

 そう簡単には出来ないかも知れないけど

 大丈夫よ、諦めない心を忘れないで」

「あ、う、うん……意外と優しいわね…」


相手を馬鹿にするわけで無く励ましたな。

貶してくるタイプかと思ったが

案外優しく寄り添おうとするタイプらしい。


「じゃあ、私もやってみたいわ!」

「えぇ、良いわよ、ちょっと待てって」


そう言って、ジュリアは奥の部屋に行き

紙を何枚か持ってきた。

あれ、人数分持ってきてるな。

そして、水晶の隣にその紙をセットする。


「はい、じゃあ水晶に触って」

「はーい!」


ミントが嬉しそうに水晶に手を触れる。

しばらくして、設備が動き出し

フェイトの時と同じ様に紙が出てくる。


「火属性適性、D

 水属性適性、E

 木属性適性、D

 氷属性適性、E

 雷属性適性、E

 光属性適性、E

 特属性適性、D

 同じ様な物しか無いわ-!」

「これが普通だから気に病むこと無いわ

 女の子は男と違って魔力の性質が

 攻撃に向いて無いだけなのよ。

 子供を育てる為の魔力だからね」

「うー、寂しい」


これが一般人の適性なんだろうな。

だから、Cランクがあったフェイトは

才能が皆無という訳では無いと。


「で、次は…あなた?」

「む? 儂か? 儂の魔力の性質は

 人の魔力の性質が違うと思うのじゃが」

「え? 変な事を言うわね。

 そう言う設定なの? 尻尾とか

 翼とかのアクセサリーなんて付けて」

「言っておくが、これはアクセサリーでは無い」

「え!? 動くの!? 可動式なの!?

 ど、何処!? 何処にあるの!?

 あたし、獣耳とか尻尾とかに憧れが!」

「いや、アクセサリーではなくてじゃな…」


ドリーズが若干押され気味なのは少し珍しい。

彼女の圧に若干押されるとはらしくないが

それ位、ジュリアは尻尾とかに興味があるのだろう。


「正直、尻尾と耳があっても

 手入れがちょっと面倒だぜ?」

「そうなのよね、尻尾と耳は敏感だから」

「で、でも、可愛いじゃない! 羨ましい…」

「儂の翼や尾は可愛らしい要素など無いがのぅ」

「強靭だからね、あんたの尻尾は」

「はぁ……まぁ、無いものねだりよね…

 てか、アクセサリーじゃ無いなら何よ。

 獣人種は聞いたことあるけど

 あなたみたいなドラゴンみたいな尻尾や

 翼を生えてる種族を私は知らないんだけど」

「知らぬのは当然じゃ、儂1人しかおらぬからな。

 マグナが頷いてくれれば増えるじゃろうが

 マグナは強情じゃから、儂を孕まそうとせぬ」

「はぁ? 小さいのに……や、やっぱり変態」

「あいつの言葉を聞けよ、俺は手を出してねぇ」

「儂は手を出して欲しいのに、此奴は出そうとせぬ!

 儂は400年以上生きておると言うのに!」

「その話は良いだろ…」

「400年? や、やっぱりそう言うせ、設定?」

「設定ではない、儂は竜人種という種族じゃ」


自分は人とは違うと証明するためなのだろう

ドリーズはわざわざ翼を羽ばたかせ

少しだけ空を飛んで見せた。


「そ、空を飛んで!」

「まぁ、竜人種じゃからな」


今度は尻尾でバランスを取って見せた。


「し、尻尾で立ってる!?」

「これで分かったかのぅ、儂は珍しい種族じゃ。

 じゃから、儂が持つ魔力の性質が

 純粋な人が持つ魔力とは違うかも知れぬ」

「そ、そう、でも試せば良いじゃ無いの」

「……自信があるのじゃなぁ」

「そうよ! シャンデルナ様が作ったし

 あたしの師匠だって手を貸してるのよ!

 何があっても何とかなるわ!」

「ふむ、そこまで言うのであれば試してみよう」


ドリーズは魔物だが、人と同じ様な魔力なのか?

よく分からねぇが、まぁ試すつもりらしい。

ドリーズは宣言通り、水晶玉に手を触れた。

少しして設備が変わった動きをした後に

紙が出て来た。


「ほぅ、少しはでるのじゃな。

 火属性適性とやらがZか」

「な!? Z!? 嘘!?」

「残りは不明と出たがのぅ」


ドリーズの表示は火属性だけがZであり

残りは全て、測定不可と表示されてた。


「ひ、火属性だけ出たのは何でよ…」

「儂の種族的な特徴じゃろ、ドラゴンじゃし

 そこは少しだけ、人の魔法に近かったのじゃな。

 マグナに放ったあの全身全霊の一撃が

 魔法に類した能力じゃったかも知れぬと言う訳か」

「あれがお前の魔法なら、まぁZにはなるか」


そりゃ、足下が溶ける位だしな。

それだけの火力が出るならZだろ。


「こ、こんな馬鹿な事が……あ、あなた名前は!?」

「む? 儂か? 儂の名はドリーズじゃ

 ドリーズ・ウィンバード、これから嫌でも聞くぞ?

 今のうちに覚えておくのじゃ」

「ドリーズ・ウィンバード、うん。

 じゃあ、規則であなたを勧誘するわ!」

「勧誘?」

「えぇ、魔法ギルドに参加して欲しいの!」

「何故?」

「魔法適性がA以上の女性の魔法使いが居た場合

 魔法ギルドに勧誘して共に切磋琢磨するのよ!

 魔法ギルドの最高幹部よ! 出世コース!」

「いや、儂は興味無いから良いわ

 そもそも、あやつら意外を従える気にもならぬ」

「も、もう誰かを従えてるのね…じゃあ

 その子達も所属させるわ!」

「いや、奴らはドラゴンじゃから無理じゃぞ」

「……はぁ? ど、ドラゴン?」

「うむ、ドラゴンじゃ、奴らが飛来すれば

 大惨事にも程があろう。

 まぁ、それを差し引いても

 儂は今、バスロミアに所属しておるしな」

「そ、そうよね、フェイトさんの所属が

 バスロミア何だし、一緒に来てるなら

 バスロミアの人か、も、勿体ない…」


適性があったら勧誘する方向性なんだな。

でも、流石に他国の人間を無理矢理は誘わないと。


「仕方ない、気を取り直してシルフちゃん

 そろそろあなたが触る番よ」

「……に、にーに」

「そんな不安がるなって、大丈夫だろ」

「う、うん」


少し嫌がってるが、了承してくれたな。

俺はシルフを抱き上げて水晶に近寄らせる。


「あんたは離れてなさい、反応するでしょ

 そこに高めの椅子を用意してるから

 そこにシルフちゃんを乗せて」

「あぁ、そのつもりだ」


俺は用意されてた高い椅子にシルフを乗せた。

そして、シルフは小さく一息を吐いて

水晶に手を触れる。


「お、おぉ! 凄い反応!」


シルフが水晶に触れると同時に設備が激しく動き

他のメンバーとは比較になら無い時間稼働し

少しして紙が出て来た。


「壊れなかったな」

「ん……」

「適性は……うわ、な、何これ…!?」

「火属性適性、Z

 水属性適性、X

 木属性適性、X

 氷属性適性、Z

 雷属性適性、X

 光属性適性、X

 特属性適性、Z」


シャンデルナ以上の才能の持ち主だったか。

火属性、氷属性、特殊属性は

シャンデルナ以上の才能があるってのが確定してる。

こりゃスゲーな、流石はシルフだ。


「しゃ、シャンデルナ様以上のさ、才能……

 全属性適性にZランクまで存在してる。

 こ、この齢で、こ、この才能……」

「……」

「す、凄いわあなた! て、天才ね!」

「え?」


嫌がるかと思ったが、むしろ喜んでるな。

驚いては居るが、シルフを妬むことも無い。

純粋に凄いとシルフを褒めている。


「こんな事があるなんて……奇跡よ奇跡!

 ね、ねぇ、マグナだっけ、あなたも測って!」

「え? 何でだ?」

「あなたシルフちゃんのお兄さんなんでしょ!?

 なら、シルフちゃんと同等かそれ以上の才能よ!

 ね、ねぇ! あなた達のご両親は!?」

「い、いやまぁ、その、りょ、両親は

 い、居なくてだな……」

「そ、そうなんだ、ご、ごめんなさい、興奮して」


この子……普通に良い子なのでは!?


「ただあなたにも測って欲しいの」

「あ、あぁ、分かった、そ、そこまで言うなら」

「本当!?」

「あ、あぁ…」


ちょっと驚きながら、今度は俺が水晶に触れる。

設備がシルフの時以上にガタガタ言ってるし

シルフの時以上に紙が出てくるまで時間が掛った。

そして、長い時間を掛けて紙が出てくる。


「えっと、え!? 何これ!」

「火属性適性、エラー

 水属性適性、エラー

 木属性適性、エラー

 氷属性適性、エラー

 雷属性適性、エラー

 光属性適性、エラー

 特属性適性、エラー」

 全てエラー……

 測定不能とはどう違うんだ?」

「エラーが出るのは魔法測定が出来てないから…

 測定不能は測定は出来たけど性質が分からない場合

 確か師匠がそんな風に言ってたような…」

「つまり?」

「つまり、さっぱり分からない、全く測れてないのよ。

 測定不能は測れたけど性質が分からない場合

 エラーはそもそも測れてない場合……だった筈」


そもそも測れなかったという訳なのか、俺の場合。

ドリーズは測れたが性質が分からない場合

魔物だから一応、測れたが魔力の質が違った

そう言う事なんだろうが

俺の場合はそもそも測ることすら出来てねぇと。


「こんな事があるなんて、す、凄いわ!

 ここまで未知が溢れ出すなんて最高よ!

 ね、ねぇ、この紙を預っても!?」

「あ、あぁ、良いけど」

「シルフちゃんとウィンバードのも!」

「構わぬが」

「ん、好きにして」

「じゃあ、師匠にも相談して話をしよう!

 あ、一応聞いておくけど、魔法ギルドには」

「参加しない」

「あぁ、所属してる国が違うしな」

「そ、そうよね……うぅ、も、勿体ない。

 でも、良い情報が手に入ったから嬉しい!」

「そりゃ良かった」

「じゃあ、帰るのか?」

「そうだな、家に戻ろう」

「名残惜しいけど仕方ないわね、また来て!」

「あ、あぁ、分かった」


結構色々あったが、シルフが思ってたより

彼女がポジティブなタイプで良かったな。

本当に天才だったってのがよく分かる。

こう言うときに楽しめるのはやはり才能だ。


「じゃあ、また! あ、フェイトさん!

 あなたは十分才能があるわ!

 諦めないで鍛えれば、きっと魔法使えるから!」

「そ、そう、ありがとう」

「ミントさんも落ち込む必要は無いからね!

 魔法以外でも出来る事は沢山あるから

 出来る事を頑張ってね!」

「あ、ありがとう!」


ジュリアは満面の笑みで俺達に手を振ってくれた。

フェイト達への配慮も忘れないとは流石だな。

最初の印象と今の印象はサッパリ別物だ。

やっぱり第一印象だけじゃ分からねぇもんだな。

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