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圧倒的な強さ

1ヶ月の道中ってのも、結構長いな。


「ほい、いっちょ上がり。ドラゴンとか見かけ倒しだぜ!」

「……こいつ、なんか恐いんだけど…」

「にーに…強い…から…」

「いやぁ、フェイトと出会ってからと言う物

 なんか、ドンドンシルフが話すようになって嬉しい反面。

 何故今まで話してくれなかったのか…ちょっと悲しいぜ…」

「……必要…無くて…」

「んぁ? おぉ、そうだな。俺とお前は結構お互い理解してるしな。

 別に言葉が無くても、割と意思疎通できてたしよ」

「…ん」


そうかそうか、考えてみればそうだよな!

俺と2人で過ごしてたときは、俺だけだったし

わざわざ言葉を発する必要も無く、俺は意思を汲み取ってた。

だが、フェイトが来た以上は、多少は話さないと意思疎通が出来ない。


だから、こいつと合流してからと言う物、結構喋るようになった。

うん、そう言う事だな。納得と同時に一安心だぜ!


「いやぁ、嫌われてないことは分かってたが

 ちょっと俺と話すのしんどいのかと思ってたぜ!」

「……楽しい」

「お、そりゃ良かった! 一安心だな!」


ふぅ、いやぁ、シルフが今まで喋れなかった理由が分かったお陰で

かなーり気分が良いぜ!


「…うーん、あなた無駄に強いのに…妹には…あまり高圧的じゃ…」

「高圧的なわけねーじゃん! 可愛い妹だぜ?

 高圧的に接する訳がねーよ! 嫌われるの嫌だしな!」

「…嫌いになるわけ…無い…」


しかし、この旅路ってのも良いね! 最高だぜ!

いやぁ、大事な可愛い妹にカワイ子ちゃん!

あっはっは! 毎日毎日最高の気分だ!


「はぁ、仲が良いのかいまいち分からないけど。

 まぁいいや、とりあえず先に進みましょう。

 そろそろ街が近いからね…しかし、マグナ」

「なんだ?」

「…あなた、2週間、ほ、本当に手を出さなかったわね…驚いたわ」

「出さないって言ったじゃねぇか! まぁ、出して欲しいなら出すぞ!」

「誰が出して良いと言った! 驚いただけよ!」

「ちぇ、ちょっと残念だぜ。ま、別に良いんだがよ」

「…ねぇ、お兄さん」


そんな会話をしていると、不意に背後から声を掛けられる。

中々妖艶な声だな、お姉さんの声という雰囲気がする!


「おぉ! 女の子が俺に声を掛けてくるとは!

 お姉さん、俺に何の用だい?」

「ふふ、そんな色気の無い女なんか捨てて

 私と一緒に遊ばない?」


後ろを振り向くと、凄く胸がデカい美少女が立ってた。

しかも…なんか裸だぞ! こ、これはぁ!


「にゃ、にゃにぃ! お、俺が逆ナンされた!?

 おぉ! こりゃ最高だ!

 しかしながら、服は着ておいてくれ」

「あら、どうして? ふふ」

「妹が見てるんだよ、そう言う格好はよろしくないんだ。

 あいつが変な知識を覚えたら困るからな」


逆ナンされたことは素直に嬉しいし、興奮もするが。

それよりもシルフが見ているという方が問題だ。

シルフが変な知識を覚えたら大変だからな。


「あら、妹さんなの? あらあら、そちらの白髪の子?」

「……」

「あら、両手を組んで、堂々とした子ね」

「にーに、に、触ら…ないで」

「うふふ、あなたもお兄ちゃんに可愛がられてるのね。

 何回位やったの?」

「何…を?」

「おい姉さん、俺の妹に変な知識与えないでくれよ。

 まだこいつには早いんだからさ」

「…え? もしかして…手を出してないの…?」

「手なんざ出すかよ、大事な妹だぞ?」

「……お、驚いたわ」


んぁ? やっぱり驚く事なんだろうか…?

まぁ、フェイトも結構普通に男は家族にも手を出すとか言ってたか。

ふんふん、なる程、俺って割とレアケースなのか。


ふふん、男がレアなのに、更にレア。激レアだな。

まぁ、俺の親父はゲスでは無かったし、

意外とレアでは無いのかも知れないが。


「じゃあ、そっちの子にも手は出してないの?」

「出してないぞ? 案内して貰ってるだけだ」

「驚いたわ、自制心が利く男が居るなんて…ふぅ、なら良いわ。

 どうやら、あなたは私が出会うべき人では無かったみたい」

「んー?」


そう言い残し、彼女は俺の前から消えた。

おぉ、ナイフを手に持ってたんだな…殺意とかあったのか。

いやぁ、女の子でも男に怨みを持つ奴が多いみたいだな。

こりゃ恐い…まぁ、俺の場合は不意で刺されても刃が入らないが。


「…ああ言うタイプは、結構男に怨みを持つ場合が多い。

 男に捕まって、散々弄ばれた後に捨てられたり

 怒りに限界が来て、男の不意を突いて殺したり。


 その後、路頭に迷ってたりしてることが多いのよ。

 少なくとも、国の外に居る女の子は私の様な冒険者か

 彼女のような、男に殺意を抱く女が多いから気を付けなさい」

「ふーん、恐いなぁ、この世界も結構」

「……大体、男が悪いのよ。でも、あなた良く付いていかなかったわね。

 あんな色仕掛けを受ければ、男は大体欲望全開で襲うのに」

「シルフがいる前でそんな事するかよ、欲望はあったけどな。

 しかし、恵まれない境遇の子も結構居るみたいだな」

「まぁね…因みに冒険者の末路が大体あんな感じよ」

「…それを知ってるのに、お前は冒険者してるのか?」

「ふん、あんなクソみたいな家で過ごす方が嫌だからね。

 それに、強ければ別に問題は無いのよ…男に負けないくらい

 とにかく強くあれば、それで不幸な目には遭わない」


いやぁ、この世界は結構殺伐としているようだな。こりゃ恐い。

ふふん、俺のハーレムとなった美少女達には幸せな思いをさせねば。

男と女の子達が相思相愛でこそハーレムなのだ! 不幸にはさせんぞ!


「……まぁ、今回の事であなたは信頼に値すると思ったわ。

 もしあの色仕掛けにホイホイ付いていったら見捨ててたけど」

「見捨てても多分、俺は平気な顔して帰ってくるぞ?」

「でしょうね…多分、刃が入らないだろうし…

 あなたどうなってるのよ」

「鋼の肉体なのだよ」

「あ-、そう…まぁ帰ってきたとしても私はあなたを信じない」

「それは嫌だな、だが今は信じてくれるんだろう?」

「まぁ…ギリギリセーフって所ね」

「ギリギリでもセーフなら問題無いぜ!」

「……にーに」

「ん? どうしたシルフ?」

「手を出すって」

「…お前はまだ覚えなくて良い事だからな? 気にするな」

「……? うん」


ふぅ、シルフが変な知識を覚えてしまったら大変だからな。

まだ小さいし、そんな知識を覚えさせるわけにはいかないからな。

シルフは年齢で言えば、小学生低学年位だしな。


その年齢で、そう言った知識はあまりにも早すぎる。

まだ子供はコウノトリが運んでくると言う認識で良いのだ。


「そう言うやり取りを見ると、意外とほっこりするわね。

 …本来あるべき、兄妹の形は多分…こう言うのだと思うけど」

「そりゃな、兄は妹を可愛がる物だからな。

 勿論、愛でるという意味でな。悪い意味は無い」

「そうね…それが…普通よね」

「そうさ、よし、じゃあさっさと進もうか」

「えぇ…って、ドラゴンがまた来たわよ!」

「おぉ、今度はデカいな…まぁ関係無いけど」


ドラゴンが俺に飛びかかってくるが、ひとまず攻撃を避けて

ドラゴンが攻撃を仕掛けてきた足を掴み、地面に叩き付ける。

唐突に地面に叩き付けられたドラゴンは少しの間だ動かなかった。


「ほい、危ないから休んでな」

「ぎぎゃ…」


叩き落としたドラゴンの意識を奪うためにドラゴンを蹴る。

この一撃を受けて、ドラゴンは情け無い小さな悲鳴を上げて

それ以降、動かなくなった。結構凶暴らしいが、大した事無いな。


「よーし、討伐完了。行こうか」

「……何故、こいつはここまで化け物なのかしら…

 …しかし、夫婦が来たのかと思ったけど、このドラゴン

 両方メスなのね…どうして? 姉妹かしら」

「さぁ? 魔物もメスの方が多いんじゃねーの?」

「魔物ってメスもオスも同じくらいだと思うんだけどね…」


ふーん、そうなんだな。じゃあ、人類だけが女の子率高いのか。

 

「あ、因みに女の子と男の対比ってどんな感じなんだ?」

「男1割、女9割よ…正確には、男は1割ほど居ないけど。

 1000人に1人くらい…対比が凄い開いてるって言う感じ」

「良く人類続いてるな、そんなアホみたいな対比で」

「人類の数は50万ほどと言われてるわ。結構少ないのよ」

「じゃあ、男って500人位しか居ないんじゃねーの?」

「そうよ、かなり少ないわ…だから、あなたは相当レアなの。

 で、男は大体が性欲お化けでね…最悪よ」

「でもさ、お前も親父は居るんだろ?」

「えぇ、居るわよ! 妹も姉もわんさか居るわ! 母親もね!

 お姉さんがお母さんになる事もあるわね! アハハハハ!

 マジ腹立つあのクソ親父! 私にまで手を出そうとしやがって!

 今度手を出そうとしたら絶対にぶっ殺してやる!」

「こ、恐い恐い、そんな怒りを爆発させないでくれよ。

 だがしかし、そんなにも男の数が少ないなら

 さっきの女の子って、相当な重罪人なんじゃねぇの?」

「…そうよ、極刑レベルの重罪人…私は見逃すけどね。

 男が悪いんだから…あの人が可哀想よ」


男を殺すのは、最悪人類存続に関わるほどの重罪みたいだしな。

しかしながら、フェイトの言う事も分かる。

男が悪いのだ。ハーレムを作るというなら全員に愛を注がねばな。

愛を注がぬハーレムなど、家畜の繁殖と同じ様な物だ。


「そりゃな、一夫多妻も良いが、全員にちゃんと愛情を注ぐべきだよな」

「…そう言えば、思ったんだけど…あなたの妹はシルフちゃんだけなの?

 どうしてよ、父親が居るんなら、もっと沢山姉妹がいても」

「言ったじゃ無いか、俺とシルフの親父はゲスじゃ無かったんだよ。

 母さんだけを大事にしててな、まぁ出会いが無かったのもあるかもな。

 俺らが育った場所って殆ど人が居なかったしよ」

「それで? どうなったの?」

「……」

「え? 何で無言のまま私に近付いて!」

「……シルフが腹に居るとき…母さんとシルフを庇って死んだ」

「な……」

「俺はその場に居なかった…その場に居れば、助けられただろうが

 運が悪いことに、俺はその場に居なかった…シルフには言わないで欲しい。

 自分が嫌われたくないと言うのもあるが…何より、あいつには辛い話だ」

「……そう、私には後者の方が大きな理由に聞えたけどね」

「…そうだよ」

「で、母親は…?」

「……シルフを生むと同時に…死んだ。こっちの方が言わないで欲しい。

 自分が母親を殺したなんて、シルフが思ったら…可哀想だ」

「……そ、そうね」


シルフにはこの事は伝えてない。お父さんは病気で死んで

お母さんはシルフを生んで、少しして病気で死んだと伝えた。

死んだと伝えるのは辛いが、伝えなくてはならない事だ。


いつか会えるかも知れないと言う、淡い希望を抱かせ

実はもう会えないと知らされるよりは…きっと良いと思った。


「……にーに?」

「おぉ、悪いな放置しちまって。実は告白しようと思ったんだが

 やっぱりまだ駄目だってさ、信頼されてると思ったがまだまだだ」

「そ、そうよ! こいつ、いきなりふざけた事言って!」

「……にーに、格好いい…よ?」

「おぉ! そう思ってくれるなら嬉しいぜ!

 これからも格好いい兄ちゃんで居るからな!」

「……ん」


シルフが少しだけ頬を赤くして、笑いながら答えてくれた。

いやぁ! 可愛い! こいつはクール系に見えて

実は凄い感情表現豊かだからな! 

表情が良く変ってより可愛い!


「……マグナ、最初にあなたを誤解しちゃって…謝罪するわね」

「大丈夫だ、誤解が解けたようで何よりだよ。

 それじゃあ、足を進めようか。

 さっさとシルフに新しい可愛い服を渡したいからな」

「……そうね、きっと凄く可愛くなるわ」

「……」


無言だが、少しだけ嬉しそうに笑ってる。

シルフも新しい服が欲しかっただろうしな。

よし、国が楽しみだぜ!

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