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最強の種族

これで10匹目、多いなぁドラゴン。


「……」

「どうした?」

「少しは焦りなさい!」


あまりにも襲撃が多いからなのか

フェイトがかなり冷や汗を流してる。


「じょ、城壁の外って恐いわね…

 こんなに危ないモンスターが来るなんて。

 私、城壁の中でドラゴンなんて

 一度も見たこと無かったのに」

「私も無いわよこんなに!」

「ん……多い」


俺達が城壁の外をウロウロしてるときも

ここまで何度も襲撃は無かったな。

フェイトと出会って出て来たドラゴン。

そのドラゴン程度でしか見たことが無い。


「ほ、本来ドラゴンって超危険な魔物よ…

 だって、ドラゴンは襲撃された場合

 殆どの国は壊滅状態に陥るわ。

 そもそもドラゴンって本来群れないし

 お宝を守ってるケースが多いから

 あまり活動はしないはずなのよ…」

「え? そうなの? 滅茶苦茶来てるけど」

「だから私が青ざめてるの!」


まぁ、全部俺が一撃で仕留めてるからな。

なんの心配も無いって感じだろう。


「ま、心配すんなって、俺が全部片付けるからよ」

「うぐぐ……これじゃ、私までこいつの護衛対象。

 マジで納得いかない……いや、こいつが強いのは

 そりゃ、重々承知とは言え……

 これじゃ、私までこいつの庇護下に居るみたい…」

「そりゃな、お前も俺のハーレムの」

「入らないって言ってるでしょうが!」


うーむ、ドラゴンをこれだけ倒す程度じゃ

フェイトの心は揺らがねぇみてぇだなぁ。

くー、中々攻略が難しいぜ!


「仕方ねぇ、ゆっくり行くか」

「あぁもう……こいつの冒険に付いてくの

 滅茶苦茶怠いわ……まだ出て3日程度だってのに」


3日でこれだけドラゴン襲撃とはね。

寝てる間だとかは流石に来なくて安心だってな。


「もう一旦戻りましょうよ、ちょっと不安よ? 私」

「どの辺りが?」

「これだけドラゴンが襲撃してきてるのよ!?

 ドラゴンは超危険な魔物! 普通じゃ無いわ!

 あんたが狙われてるのはほぼ確定よ確定!


 あ、いや、そう考えると国に帰らない方が……

 だって、国に帰ったら最悪これ

 国にドラゴンが飛来しそうだし……」

「そんときゃ落とせば良いだろ。

 とは言え、流石の俺も守る物が多い場合

 それ全部守って撃破は怠いかもしれねぇな。

 お前ら程度なら守れるんだが、国全土だとなぁ」

「うー、マジでこれ、シルフちゃんとミントの2人は

 国で待ってた方が良かったんじゃ…」

「無傷、大丈夫」

「えぇ、かすり傷も無いからね!」

「……ドラゴンに10回以上襲撃されて

 誰1人怪我をしてないって……やっぱ異常よね」

「俺としちゃ、ドラゴンが脅威なのが分からねぇな」

「……はぁ、あんたに分かりやすく脅威度を言うとね

 ドラゴンはシャナさんが1対1で死力を尽くして

 辛うじて勝てるレベルの魔物よ」

「え? そうなのか?」

「えぇ、それでも伝説級の実績としか言えないけど…」


ほほぅ、流石はシャナだな、最強と言われてるだけはある。

しかし、ドラゴンをタイマンで倒せば伝説級なのか。

俺にはさっぱり分からねぇけどな、ワンパンだし。


「ふむ、この辺りじゃな」

「あ?」


俺達が会話をしていると一瞬小さな声が聞え

周囲の木々を吹き飛ばして何かが降ってきた。


「な、何!?」


近くに居たフェイトが何かにしがみつこうとしてか

反射的に俺の腕に掴まった。

肩車をして居たシルフは全身を使い俺の頭にしがみつき

吹き飛びそうになったミントの腕を俺が掴んで飛ぶのを防ぐ。

周囲の木々を吹き飛ばすだけはあるな。


「騒がしい事をしてしまったのぅ」

「もうちょっとゆっくりと降りてくれば良いだろ?

 それとも、派手に降りねぇと駄目な理由でもあんのか?」

「うむ、最低限の品定めじゃな」


激しい強風の後に姿を見せたのは女の子だった。

身長はシルフと同じ程度で、髪の毛は赤色のロン毛。

頭に角が2本生えてる。瞳は金色で蛇みたいな目だな。

そりゃ、蛇みたいな目はドラゴンの特徴でもあるが。


背中にはドラゴンの翼か? かなりデカい翼が生えてる。

先端が滅茶苦茶刺々しくて痛そうだな、あれは。

しかし、両手は人間っぽいが、足はドラゴンみたいに

赤く滅茶苦茶刺々しいゴツい足だ。

先端だけってのはどう言う事なのか分からないが

太ももとかは人間っぽいんだな。


服は正直、ほぼ裸みたいな感じだな。

最低限の部分は赤い鱗で見えなくはなってるが

あの鱗が服で無いと言うなら、全裸と言えるか。

こんな小さな女の子が随分な格好だな。


「うむうむ、やはり遠目で見ただけでも分かっておるが

 なんと逞しいオスじゃ」

「んー? そりゃ嬉しいな」

「儂の部下が総じて得ようとしたのも分かる。

 主との間に子を授かれば、種も栄えるじゃろう」

「種ってのは、ドラゴンか?」

「うむ、ドラゴンじゃ、さて、自己紹介をせねばな。

 儂の名はドリーズ・ウィンパード。

 竜人種と言われる人とドラゴンの間に生まれた

 ハーフとされる種族じゃ。

 この辺りのドラゴンは全て儂の支配下におる。

 言わば、ドラゴンという種のボスという訳じゃ」

「お前みたいなのが他に居るとか?」

「1人もおらぬ、奇跡的に生まれたのが儂じゃ。

 本来、人とドラゴンの間に子など出来るはずもない。

 じゃが、相当な奇跡が起きて生まれたのが儂じゃ。

 儂は全てのドラゴンの中でも最強の実力を持ち

 母を襲ったドラゴンを全て排除しこの座におる」

「竜人種……お、おとぎ話だと思ったのに…」


ふーん、よく分からねぇがスゲー強いって事か。


「で、そのドラゴンの女王様が何の用だ?」

「くく、儂の夫になるのじゃ」

「え? そりゃまぁ女の子は歓迎だがなぁ

 正直俺は小さい子に欲情するタイプじゃねぇぞ?

 妹と同じ身長の子に欲情は流石にねぇよ」

「たわけ、儂は既に百年は生きておる!」

「……なんで小さいんだ?」

「知らぬわ! 儂だって気にしておるんじゃぞ!?」


ドラゴンと人間の血筋だって言うなら

むしろデカくなりそうだがなんで小さいんだろうな。

もしかして、鱗が邪魔で背が伸びにくいとかか?


「ふん! 不敬な奴者がまぁよい!

 さぁ、儂の夫になるのじゃ!」

「同じドラゴンと結婚すれば良いんじゃねぇの?」

「同じドラゴンでは子を成せぬじゃろう? 弱いしのぅ。

 儂と最低でも互角くらいは戦えねば論外じゃ」

「互角くらいの相手を見つけて子供を作れば良いだろ」

「無理じゃろ!? デカいんじゃぞ奴ら!」

「で、デカい?」

「うむ、デカい、この小さな体に入るはずも無い」

「変な話しは止めなさいよ!

 竜人種の事情なんて言わないで良いっての!」

「まぁ、言うまでも無いかも知れぬが儂は人型じゃ。

 相手は同じ人の方が良いじゃろう? サイズ的に」

「そりゃちょっと考えれば分かる事だけども!」

「にーに、何の話?」

「お、お前には関係無い話だからな!?

 だ、だからほら、聞かなかったことにしろ!」

「あ、うん…」


唐突に下ネタを話されるとは思わなかった。

あの子、小さい癖に滅茶苦茶ヤバいかも知れねぇ。


「しかし、人のオスというのは基本的に脆弱。

 軟弱で勝負にもならぬ。

 魔法などと言う小手先の技を使うが、

 あれは興味無いのじゃ。


 やはりオスの本領は肉体であり

 圧倒的な力こそオスに求める全てじゃ。

 強靭な肉体に圧倒的な力。

 竜の鱗と同等かそれ以上の肉体。


 やはりそれ位の領域に至るオスで無ければ

 このドラゴン種の女王である儂は興味が無い。

 生身でドラゴンを倒せるのが最低条件じゃ。

 無論、魔法などを扱う事も無く肉体1つで。

 じゃから、主は合格じゃ、儂の夫になるのじゃ」

「さっきも言ったが、ならないからな?

 俺は小さな女の子に欲情しねーっての」

「ならば無理矢理にでも連れて行くまで!

 安心せい、主の周りにおる女子には手は出さぬ!」


そう言って、彼女は即座にその場から動いた。

はえーな、こりゃ、シャナよりもはえー


「多少の怪我は我慢するのじゃ!」


そう言って、彼女は俺の服を引き裂いた。


「むむ! 俺の立派な腹筋が見えちまうな!」

「なんと!」


攻撃をした直後に彼女は後方に下がる。

そして、自分の爪を見て驚きの表情を浮かべた。


「……く、くく!」


その後、笑顔になって笑い始める。


「最高じゃ……儂の攻撃を受けて無傷とは!」


心の底から楽しそうに笑い、彼女が再び構えた。


「確実に儂の夫にするのじゃ!」


どうやら本気らしいな、ま、相手してやるか。

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