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湯船での会話

「マグナ様-! フェイトちゃーんどこー!?」


部屋がある程度決った後にミントの声が聞えた。

どうやら、風呂が沸いたみてぇだな。

とりあえず、ミントと合流しよう。


「あ、上に居たんですね!?」

「あぁ、ちょっと部屋の間取りを見ようとな」

「そうなんですね! さぁ、お風呂沸きました!」

「じゃ、入るか」

「ん」

「じゃあ、シルフ、先に入るんだ。

 フェイト、シルフの面倒を見てくれ」

「分かったわよ」


風呂場の前で、シルフを風呂に入れようとする。

だが、シルフは俺の腕を引っ張ってくる。


「どうした?」

「一緒に入ろ?」

「な!」

「駄目だって、ほら、フェイトと一緒に入りな」

「や、一緒に入ろ?」

「そ、そうは言われてもなぁ…」


シルフはまだまだ小さいからな。

やはりお兄ちゃんが恋しいのかも知れない。

とは言え、シルフも女の子だからな。

俺と一緒に入るってのは良くねぇだろ。


「駄目だって、ほら」

「や、入ろ?」

「うぅ……」


あ、相変わらず滅茶苦茶可愛い表情でわがままを…

甘えん坊だな、全くシルフは。


「だ、駄目だって、ほら」

「そ、そうよ、男の人と一緒は駄目よ!

 た、例え相手がお兄ちゃんでも駄目!」

「……一緒が良い…一緒が良い」

「うぅ……」


シルフを止めようとするフェイトだが

シルフのキラキラ光線を受けてしまえば

流石のフェイトでも強行は出来ないみたいだ。


「うぅ、で、でも駄目、駄目よシルフちゃん。

 駄目だからね?」

「や、一緒が良い…」

「良いじゃ無いのフェイトちゃん!

 こんなに可愛くおねだりされちゃったら!

 それに、マグナ様なら大丈夫よ!」

「い、いやでも、さ、流石にこんな……」

「……」

「うぅ、き、キラキラした目で見ないで……」

「ね、にーに」

「うぅ、わ、分かったよ…」


結局、シルフのわがままに負けてしまった。


「じゃあ、俺はシルフと入るから」

「うぅ、わ、分かったわよ……」

「じゃあ、私も入るわー!」

「な! 何言ってんのよミント!?」

「だって、チャンスは物にしないと!

 マグナ様のお背中を流すのよ!」

「駄目よ! この馬鹿!」

「ん、皆一緒が良い」

「はぁ!? し、シルフちゃん何言ってんの!?」

「楽しそう……」

「た、確かに楽しそうではあるが……」

「ね? にーに」

「わ、分かったよ……」

「やったわ!」

「ちょ!」


やはり俺はシルフには敵わないらしい。

やっぱシルフにわがまま言われちゃうと

どうしても甘やかしてしまう。

うぐぐ、流されやすいのを何とかせねば。


「じゃ、じゃあフェイト……」

「……」

「一緒に入ろ?」

「え!? わ、私も!?」

「ん、入ろ?」

「そうよフェイトちゃん! チャンスよ!

 それに、独りぼっちは寂しいでしょ?」

「い、いや、一緒なんて絶対に」

「……駄目?」

「うぐぐ……」

「ね? 入ろ?」

「わ、分かったわよ! もう!」


フェイトもシルフのおねだり攻撃には勝てず

顔を真っ赤にしながらお風呂に入ることを了承した。


「ま、マグナ! お、襲ったら許さないわよ!」

「襲わねぇよ!」

「そ、それと、勘違いしたら許さないわ!

 これは、し、シルフちゃんがおねだりしたから!

 あと、あんたが2人を襲わない様に監視する為よ!」

「襲わねぇってば!」

「マグナ様が襲ってくれるなら私は嬉しいわ!」

「襲わないって!」


結局、シルフのわがままとミントのノリに負けて

俺達は4人一緒に風呂に入る事になった。

浴槽は滅茶苦茶広いからか、4人でも全然余裕だ。


「さ、お背中流しますね!」

「お、おう」

「にーに、洗って欲しい」

「じゃあ、俺はシルフの背中を洗ってやろう」

「フェイトちゃんは私の背中ね!」

「はぁ!? なんでそんなことしないと駄目なのよ!」

「良いじゃ無いの! 1人仲間外れは嫌でしょ?

 それに、一度やってみたかったのよね!

 こう言うの!」

「なんで私まで巻き込まれて……

 まぁ良いわよ、背中流すくらい」

「やったわ!」


俺はミントに背中を洗って貰いながら

シルフの背中を洗ってみる。


「か、痒いところはありませんか?」

「あぁ、大丈夫だ。シルフ、お前は?」

「ん、大丈夫」

「じゃあ、尻尾洗うときの手加減は大丈夫か?」

「ん、大丈夫」

「はぁ、なんでこんな事してるのかしら…」

「フェイトちゃん、私、背中の中心辺りが痒いわ!」

「自分で掻きなさいよ…」

「私、体硬いのよ」

「はぁ……」

「あ、そこそこ!」

「ったく」


後ろの光景は見えないが、仲良さそうだな。

やっぱりフェイトとミントは親友同士らしい。


「ん」

「お? どうした? 振り返って」

「にーにの背中、洗う」

「おぉ、そりゃ嬉しいな」

「じゃあ、私はフェイトちゃんの背中を洗うわ!」

「いや、良いわよ……」

「じゃ、俺はミントの背中を洗えば良いか?」

「えぇ!? そ、そんな恐れ多い!」

「大丈夫だって、手加減は上手だぜ?」

「じゃ、じゃ、じゃあ、お、お願いします!」

「マグナ、変な気を起さないでよ!?」

「大丈夫だって」


今度は逆だな。

シルフがあまり強くない力で

お背の背中を頑張って洗ってくれてる。


で、俺はミントの背中を洗ってるわけだ。

当然、俺は手加減が上手だからな。

だが、色っぽい背中だ。

ちょっと欲が出てしまいそうだが堪えねば。


「やっぱり手加減上手ですね、マグナ様!」

「おう、手加減は得意だからな!」

「み、ミント……だ、大丈夫?

 お、襲われて無い?」

「襲って欲しいけど、襲われてないわ!」

「襲って欲しいとか言うな!」

「妹の前で俺が理性を失うわけが無いだろう?」

「シルフちゃんはマグナの抑止力なのね」

「にーに、痒いところ、無い?」

「おう、大丈夫だ」

「じゃあ、気持ち良い?」

「あぁ、丁度良い力加減だからな」

「ん、良かった」


そんな会話をしながらあ、お互い背中を流す。

で、最終的にシャワーで泡を落としてスッキリだ。


「じゃ、風呂入るか」

「ん」


そして、すぐに湯船に浸かる。

いやぁ、温かいな。


「ふぅ、良いお湯」

「そうね」

「気持ち良い……」


やはり久々の湯船でかなり嬉しいんだろう。

シルフが顔を真っ赤にしながら嬉しそうに笑ってる。

今まで水浴びくらいしか出来てなかったからな。

こうやって、湯船に浸かれるだけで幸せだ。


「気持ち良いね、にーに」

「だな、久々だしよりそう思うな」


シルフは俺の膝に座りながら嬉しそうに呟く。

中々久しぶりだな、こんな体勢になる。


シルフの後頭部がよく見えるから

シルフの尻尾と耳が嬉しそうに動いてるのが

しっかりと見える。喜んでるのが分かるな。


「あ、そうだ気になってたのよフェイトちゃん」

「ん? 何を?」

「耳と尻尾って普段どうしてるの?

 私は耳と尻尾が生えてないから

 普段洗うのかどうかも分からないのよ」

「そりゃ洗うわよ、当然でしょ?

 耳は頭を洗うときは、耳を垂らして

 頭を洗うついでに一緒に洗うの」

「両手で押さえる感じじゃ無いのね」

「それじゃ、両手塞がるでしょ?」

「じゃあ、尻尾はどうするの?」

「前に出して洗うだけよ」

「根元は?」

「私は体が柔らかいからね

 腕を後ろに回して根元まで洗うわ」

「誰かに洗って貰ったりはしないの?」

「しないわよ、尻尾と耳は敏感なの。

 そこを誰かに洗わせるのは絶対に無い」

「私は洗って貰ってる」

「え!? そうなの!?」


普通だと思ってたが、意外とレアなのか?

まぁ、俺もシルフに尻尾を洗って貰ったりは

1回もしてなかったりするがな。

正直、妹に尻尾を洗って貰うのは

背徳感がスゲーからな。


「珍しい事なの?」

「そ、そりゃまぁ……尻尾と耳は敏感よ?

 誰かに洗って貰ったら痛いし……」

「痛くない」

「俺は手加減が得意だからな!」

「わ、私は小さい時に姉さんに洗って貰ったけど

 滅茶苦茶痛かったんだから。

 その日以降、ずっと自分で洗ってるわ」

「痛いの? にーにに洗って貰ったら?」

「嫌よ! 絶対に嫌!」

「そんなに嫌がらなくても良いだろうに。

 まぁ、嫌がるのは分かってたがな」

「試せば良いんじゃ無い?」

「絶対に嫌よ! デリケートなんだから!」


フェイトは尻尾を押さえて全力で否定してる。

それだけ、昔痛い思いをしたのだろう。


「まぁ、嫌がるよな、分かってたぜ」

「絶対に嫌だから!」

「分かったから、そう怒るなって。

 別に俺は一言だって

 尻尾を洗わせろって言ってねぇだろ?」

「そ、そりゃそうだけど……」


たまに過剰反応するよな。

ま、それだけ気にしてることなんだろう。


「ま、いいや、そろそろ上がるか」

「ん」


そのまま、俺達は湯船を出て寝る事にした。


「……すぅ、すぅ」


シルフは布団の中で俺に抱きついてる。

いやぁ、今日はなんも警戒する必要も無いからな。

グッスリ眠ることが出来るぜ!

今日からこんな日が続くってのは最高だな!

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