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自己紹介

魔法開発を行なってる女の子達を

俺達は控え室でその光景を見ていた。

俺がでればかなり目立つ訳だからな。


「ファイヤー……ん!」


シルフは初級魔法の魔法名を思い出しながら

かなり手加減した魔法を使って見せた。

今回のファイヤーはちょっとしたバーナー程度。

魔法名によって生じるメリットと言えば

威力が上がることだが、まぁ、シルフにゃ関係無いか。

今回は手加減の練習でもあるしな。


「……んー」


少し自分が出した炎を見た後、シルフが生徒達の方を向く。

そこでは、沢山の女の子達が必死に魔法を使おうと

魔法名を唱えてる状況だった。

だがまぁ、流石にそう簡単にはでないよな。

魔法開発はジュリアも3ヶ月は掛かるって言ってたしな。


「にーに、私も行きたい」

「多分、その内呼ばれると思うぞ? 多分だけど

 全属性の中級だっけ? それ以上を見せる為にさ」


恐らくだが、ジュリアが俺達の同行を許した理由はこれだろう。

推定だが、ある程度の訓練が終わった後にシルフを呼んで

自分が出せない中級魔法を見せて貰おうとしてるんだろう。


「そうなのかな? じゃあ、待つ」

「あぁ、それで良いと思う」


それから、この実技は3時間ほど続いた。

まぁ、当然だが誰も魔法は使えない。

その間、シルフは色々な初級魔法を試していた。


「はい、では今日はここで実技を終わらせます」

「は、はい……」

「やっぱり出来ないか……」

「あら? もう終りなの? フェイトちゃんは長いときは

 10時間以上練習してたと思うのだけど」

「そ、そんなにやってたの?」

「連続じゃ無いけどね」


他の生徒達はかなり疲弊をして居る様子だったが

フェイト達は全然余裕そうな雰囲気を見せていた。

フェイトは分かるんだけど……ミントとデイズも平気そうだ。


「フェイトさんが平気なのは分かってたけど

 デイズさんとミントさんも平気そうだね」

「私は不眠不休で鉄を打つことあるからね」

「ミントはずっと私の応援をしてたからね、

 料理を用意するために席を外すことはあったけど

 料理を食べ終わったら食器洗ってずっとだし」

「えぇ! 勿論よ! 私が1番好きなことは料理だけど

 2番目に好きなのは頑張ってる人を応援する事なの!

 フェイトちゃんやデイズちゃんが頑張ってるのを応援してたら

 私ももっと頑張ろうと思えるわ!」

「流石だね」


やっぱりミントはそう言う性格だよな。

当然だが、そんなミントが居たからフェイトも頑張れてたんだろう。


「では、この話はここまでにして、休憩してください。

 その後、もう一度実演を行ないます。

 その実演を最後に、今日の授業は終わります」

「はい」


その言葉の後、ジュリアがこっちにやって来た。


「お疲れさん、こっちに来たって事は休憩か?」

「うん。それもあるけど、シルフちゃんにお願いをしたくて」

「他の中級魔法?」

「あ、分かってたの?」

「ん、にーにがそう言ってた」

「予想だったが、合ってて良かったぜ」

「そうなんだ、じゃあお願いしても良い?」

「ん、大丈夫。中級魔法を教えて」

「うん、じゃあ口頭で話すね」


その後、ジュリアはシルフに中級魔法の名前と雰囲気を教えてくれた。

中級魔法は色々あるらしいが、分かりやすい奴をそれぞれ1つだけ。

シルフはその話を聞いて、軽く実演してジュリアに褒められてた。


「じゃあ、お願いね」

「ん、分かった」


その後、ジュリアが生徒達の前に出てた。


「しっかり休憩は出来ましたか?」

「はい」

「では、協力者の方をお呼びしますね。シルフさん」


ジュリアがシルフに呼びかけた。

だが、シルフは俺に引っ付いて出たがらない。


「……」

「え、えっと……し、シルフちゃん?」

「うーん……」


まぁ無理もねぇわな、結構恥ずかしがり屋だからな、シルフ。

普段の面子ならまぁ、問題はねぇだろうが

あの場に出るのは圧あるよな。100人以上居るし。


「っし、しゃぁない。ほれいくぞ」

「……ん」


結構騒ぎになりそうだから、俺はここで待機しようとしてたが

まぁシルフが恥ずかしがってるんだし、無理には行かせられねぇか。

俺が一緒に出ればシルフも落ち着くだろうし。


「え!? お、男の人!? でも、ちゃんって……

 も、もしかして、あ、あの小さい女の子?」

「か、格好いい……」

「な、なんで襲ってこないの!? お、多いから!?

 いや、でも……へ、変な雰囲気は無いし……」


当然だが、生徒達は一斉にざわめいてる。

まぁうん。この場に男が来るとは思わねぇよな。


「マグナ……あー、そうか、シルフちゃん恥ずかしがってるのね」

「意外だね、普段はあんなに堂々としてるのに」

「マグナ様から離れては恥ずかしいのよ! 可愛いわね!」


シルフの事を知ってるフェイト達はすぐに理解してくれてる。

ずっと一緒に過ごしてるわけだし、そりゃ分かるよな。

ジュリアは少し予定が狂ったような表情を見せたが

すぐに仕方ないと納得してくれてる雰囲気だった。


「えー、紹介しますね。この2人が今回協力してくれる方々です。

 では、えー、マグナさん。自己紹介をお願いします」

「おーっす! 初めましてだな、女の子達!

 俺はマグナ・バーストだ! まぁ男だからって

 襲われるとか思う子も居るかも知れねぇが

 俺はそんなことはしねぇ!

 笑顔が素敵なイケメン紳士だから安心してくれ!

 ふふ、見よ! ギルフェリーで学んだ、このイケメンスマイル!」


デイズ達に見せた、あのイケメンスマイルを再び披露だ。

デイズも褒めてくれてたし、きっと良い影響がある筈だ。


「きゃー! か、格好いい! マグナ様の!

 マグナ様のイケメン度が! 天元突破! 格好いい!

 マグナ様-! 私にもっとスマイルくださーい!」

「ふ、にこ!」

「キャー!」

「全体的に騒がしいわね……イケメンかしら? あいつ」

「マグナさんはかなりのイケメンだと思うよ」

「そうかしら……まぁ、顔に興味を持つことは無いしね。

 まぁ、あいつが良い奴なのは認めるけど」


俺のイケメンスマイルで女の子達をキャーキャー言わせる。

ふふ、これだぜ! これこそが俺が求めていた状況だ!

沢山の女の子達にキャーキャー言われて嬉しくねぇ男は居ねぇ!


「あ、あはは、やっぱりこうなるよね。

 でも凄いなぁ、一瞬で話題を持って行くなんて。

 驚いてた女の子達も反応してるし」

「ハッハッハ! やっぱり俺は格好いいだろう!

 さて、そしてこの子が俺の可愛い可愛い妹!

 可愛い天使! シルフだ!」


俺はシルフを抱き上げて女の子達に見せた。

女の子達もシルフを見て可愛いと言ってる。


「可愛い……凄く大事にされてるのが分かる!」

「え、えへ、えへへ……」


シルフも沢山の女の子達に可愛いと褒められて

頬を少し赤くしながら滅茶苦茶嬉しそうに笑って見せた。


「少し嬉しそう! 可愛い!」


案の定というか、俺以外には少し程度に見えるらしい。

俺には滅茶苦茶嬉しそうに見えるんだけどな。


「本来はシルフが出てくるだけだったんだが

 俺の妹は恥ずかしがり屋さんだからな。

 可愛さに免じて許してやってくれ」

「はーい!」


俺が女の子達にその言葉を告げた後、一旦静かになった。

その状況を見て、ジュリアが話を進める。


「コホン、えー、では、この2人を呼んだ理由ですけど

 この2人はシャンデルナの賢者である

 ラズナーク・シャンデルナ様の孫でして

 シルフちゃんは全魔法適性を持つ天才少女です」

「えぇ!? 全魔法適性って凄い事なんじゃ!」

「えぇ、男性でも1人しか居ない程の貴重な例です。

 全魔法適性を持つ人間は、私が知る中では

 シャンデルナ様以外には、この2人しか知りません」

「まぁ、俺は分からないんだけどな。

 俺の魔法はシャンデルナの道具でも測れなかったし」

「は、測れないことがあるんですか!?」

「そうですね、マグナさんの適性だけは一切測定できませんでした。

 ですが、シルフちゃんの適性は測定出来ており

 その才能はシャンデルナ様を凌ぎます」

「す、凄い」


女の子達が俺達の方を再び向いた。

そして、俺はシルフをゆっくりと降ろした。


「なので、シルフちゃんに中級の魔法を見せて貰おうと思います」

「うん、それぞれ1種類教わった」

「ですが、規模が初級よりもかなり広がりますので

 外で見せて貰いましょう。付いてきて下さい」

「はい」


ジュリアに案内されて、俺達も外に出た。

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