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各国の才能達

シャンデルナにより、魔法使いの技術は4ヶ国に渡った。

まずは水晶による魔法適性の探知と適性の確認。

結果、魔法適性がある人物が4ヶ国で15人は発見。

とはいえ、それ以上は発見されなかった。


「15人……そして、バスロミアでは5人なんだね」


内、1人は当然の様にシャナだった。

シャナの魔法適性は風なのだろう。


「それで? シャナの魔法適性はどんな感じじゃ?

 儂は、それが最も興味があるのじゃ」

「見て見る? 多分、正確なのは分からないけど」


そう言って、ジュリアがシャナの適性を見せてくれた。

火属性適性、B

水属性適性、C

木属性適性、B

氷属性適性、C

雷属性適性、D

光属性適性、E

特属性適性、A


「凄い適性ね……流石シャナさん」

「うん。でも、まだこの道具だと本命であろう

 風属性魔法を検出できないから未知数だね」


恐らくだが、シャナの適性は風属性魔法だからな。

得意でないであろう属性でAクラスの適性なんだから

風属性だったら、Sはありそうだよな、シャナは。


「とは言え……本人の意向で魔法開発はしない。

 でも、あたしは何も言えないかな……実例を見ちゃったし」

「バルキリー部隊なら大丈夫だとは思うけど……

 でも、不安要素はあるからね。現状でも十分強い上に

 リスクがあるなら、そんなリスクある選択をしてまで

 魔法に力を割いても時間の無駄と言えるしね」

「シャナには風塵の剣もあるからな。

 魔法の力をそれで引き出せるなら

 そいつがあれば十分だろうしよ」


今、シャナが見てるのはやはり武の極みなんだろうな。

そして、個で全てを解決する、英雄的な立場では無く

周囲をまとめ上げ、集団で苦難を脱する

まさに騎士を纏める、騎士団長って立場を選んだって奴か。

流石はシャナ、徹底してるよな。


「まぁ、シャナさんは武人気質だしね。

 ……私もその方が良いのかしら」

「諦めんなよ、フェイト」

「でも……」


フェイトが少し自信なさげになってるのは珍しいが

それには理由があって、それはデイズの存在だった。

適性がある5人のうちの1人がまさかのデイズだったからだ。


「フェイトよ、分かっておるじゃろう? シャナの奴は

 自らの信念のために魔法を選ばなかった。

 じゃが、主が今、しようとしてることはただの逃げじゃ」

「わ、分かってるわよ! でも……」

「ごめんね、フェイト……」

「で、デイズが謝ることじゃないわ! 悪いのは私。

 この程度で、諦めかけてる私が悪いのよ!

 そう、ドリーズが言うとおり、これは逃げ……

 努力しても成長してる実感も無い……だから、いやだって。

 そんな情け無い逃げでしか無い……」


フェイトは諦めが悪い性格ではあるが、やはり魔法に関しては

かなり自信が無いという形みたいだな。

そりゃそうか、武芸ってのは成長の実感を少しは感じられる。

だが、魔法に関しちゃ、成長してたという実感を得るのは難しい。

魔法が打てたときは、努力が実った瞬間だけだからな。

ゴールの見えねぇ迷路を彷徨ってるだけって感じるんだろうよ。

それも、ゴールがあるかすら分からねぇ迷路だ。


「まぁ難しい事考えるこたねぇだろ、なぁ、ジュリア」

「うん。その通りだね」

「え? ど、どう言う?」

「デイズの火属性適性はBだろ? 丁度良いじゃねぇか。

 馬鹿みてぇに遠い才能差じゃねぇ。お前が一歩進めば並べる。

 今まではジュリアって言う、天才を見本にして努力してたから

 案外、遠い物に見えてたのかも知れねぇ。

 それ以外の見本は俺、シルフ、ドリーズだが、

 まぁ次元が違う。そりゃ、あんまイメージ出来ねぇわな。

 でもよ、デイズが魔法開発出来りゃ、

 イメージしやすくなるんじゃねぇのか?」

「え?」

「だってよ……デイズだって、今まで魔法を使えてねぇんだぜ?」

「あ!」


魔法はイメージってのが大事だってのはよく言われてる。

そりゃ、何度もジュリアが言ってたし分かるよな。

そして、俺の言葉を聞いて、フェイトは気付いたような表情を

ジュリアはにっこりと笑顔を見せた。


「あはは! 流石だねマグナさん! よく分かってる!

 その通り、魔法はイメージが大事。そう、イメージがね!

 自分にも出来る、自分でも出来るって言うイメージが重要。

 でも、フェイトさんは今まで

 既に魔法を使ってる相手の魔法しか見て無かった。

 だから、努力すれば魔法が使えるようになるという

 大事なイメージを完璧に掴めてなかった。

 だから、魔法を使うのが難しかったんだ。

 でも、デイズさんが魔法開発を行なって魔法が使えれば

 魔法開発によって、魔法が使える様になるイメージが持てる。

 他でもない、よく知ってる友達が相手だから」

「な、なる程……」


適性の差はあれど、CとBはそこまで隔絶した差はねぇ筈だ。

Cは努力すれば魔法が使えるようになるかもしれない適性。

Bは魔法開発すれば十分使える適性だそうだしな。

つまり、Cは努力次第で十分魔法使いになれる可能性がある。


「なる程のぅ……確かCはじゃったな、主の適性は。

 Cは確か、頑張れば使える程度じゃったな」

「その通り! だけど、Bランクまでが限界って理由はここ。

 Bランクなら、早い段階で魔法が使える様になるから

 魔法使いになれるけど、Cランクは時間が掛かるんだ。

 だから、さっきのフェイトさん見たいに心が折れちゃって

 魔法が使えなくなる場合が多いんだ。

 その理由はCランクの人は今まで魔法が使えなかった人物が

 魔法を使えるようになった瞬間を見る機会がほぼ無いから。

 どうしても、鮮明なイメージが難しくて魔法が使えないんだ。

 でもね、同時にBランクの人物が現われたなら可能性はある。

 フェイトさんみたいに、努力家の人なら十分ね」

「じゃあ! デイズちゃんとフェイトちゃんが一緒に頑張れば!

 フェイトちゃんも魔法が浸かるかも知れないって事ね!

 そして! 私も参加すればきっと!」

「そ、そのー……DランクやEランクはー」

「駄目なのかしら!? いいえ、きっと大丈夫!

 諦めないわよ私! マグナ様に極上の料理を振る舞うためにも!」


ジュリアの話を聞いて、ミントが嬉しそうに食い付いた。

このポジティブさはやっぱり周りを良い方向へ向けてくれるな。

現に、少し暗そうな雰囲気があったデイズとフェイトの2人が

ミントの乱入で少しだけ明るい表情へ変わった。


「ふふ、やっぱり元気だね、ミントは」

「そうね……ねぇ、デイズ」

「ん? どうしたの?」

「ありがとう……私、頑張るわ」

「……うん! 一緒に頑張ろうね、フェイト」

「えぇ!」


2人が笑顔で頑張る事を誓った。

一瞬心が折れかけてたフェイトだが。

やっぱり、持つべき物は友達だな。


「じゃあ、あたしは魔法適性C以上の子を集めて

 魔法の講習をするよ! フェイトさん!」

「ありがとうね、ジュリアちゃん」

「うん! 全力で応援するよ!」

「私も行くわよー! 魔法を使えるようになってみせるわ!」

「あはは、ここまで熱意が凄かったら

 もしかしたら本当にミントさんも魔法使えるようになるかもね」

「勿論よ! 私は料理に関しては決して妥協しないわ!」

「ん、私も行く。魔法講習」

「だな、じゃ急ぐか。時間がどれだけあるか分からねぇしな」


今度こそ、きっとフェイトが魔法を使えるようになるだろう。

環境が整ったんだ。最高のチャンスだな。

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