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魔法ギルドの幹部

シャンデルナの賢者が俺達のお婆ちゃんだったってのは

滅茶苦茶驚きではあるが、仕事の続きを再開しよう。

今回は魔法の知識を周囲に広めるのが目的だしな。

その為、城内で派遣される魔法使いと合流した。


「どうも、初めましてマグナさん。

 私は魔法ギルド幹部、アキ・リリースと言います」

「私は魔法ギルド幹部、ハル・リリースです」

「お? 姉妹か?」


今回、初めて会った2人の魔法使い。

どうやら、彼女達も姉妹だったらしい。

アキの方は赤髪のロングヘアーであり

左の髪の毛を三つ編みにして垂らしていた。

ハルの方は緑色のロングヘアーであり

右の髪の毛を三つ編みにして垂らしていた。

髪の色は違うが、雰囲気はそっくりだな。

ハルもアキも2人とも片眼鏡をしてるな。

当然、左右対称。三つ編みの方に付けてる感じだ。


「私達は見ての通り双子です。髪の色は違いますが

 私達は双子で生まれて、生まれて既に特殊能力もある

 中々貴重な例なんですよ-」

「魔法適性はジュリアさん程は無いんですけど

 その分、特殊能力には自信があります」

「ジュリアさんって……何だ? 雰囲気から

 お前らの方が年上っぽいけど、ジュリアの方が年上?」

「いえ、ジュリアさんのお陰で

 私達は魔法が使えるようになりましたので」

「そうなの?」

「はい、特殊能力は元々あっても、

 魔法は使えなかったんですが

 ジュリアさんが私達の担当をしてくれて

 その結果、私達は魔法を使えるようにナrました」

「結果、私、ハルは風属性魔法を」

「結果、私、アキは火属性魔法を」

「相性が良いのか? 風と火は」

「はい! 相性抜群ですよ!」

「私達の連携は最高なのです!」


そう言って、2人が楽しそうに決めポーズを取った。

ジュリアより年上っぽい雰囲気があるとは思ったが

この動きを見ると、年下かも知れないな。


「仲良いな」

「勿論ですよー」

「因みに? 特殊能力とは?」

「それは、この片眼鏡に由来します」

「んっと、どう言う事だ?」

「私達、視界と思考を共有できるんですよ」

「ほぅ、それまた凄い能力じゃな」

「えぇ! この片眼鏡を付ければ視界共有!」

「そして! この片眼鏡を外せば思考共有!」

「まぁ、思考共有はやり過ぎると、

 思考がごっちゃになるんで、あまりしませんが

 更に2人で協力すれば、知り合いに情報も送れます!」

「どう言う事だ?」

「情報を送りたい相手を2人で決めれば

 その相手に情報を送れるのです!

 なので、伝達で超便利! まぁ、アバウトにですが

 場所とどうなってるか程度ですが」

「凄いな、それ」

「本当の意味で相手が思ってることが分かって

 誰かに情報も送れるって事か」

「凄い……でも、私とにーにも同じ」

「え!? 思考が分かるのですか!?」

「ん」


シルフが得意気な表情を見せた。

多分何をしたいかは分かる。

とりあえずシルフの方に手を伸ばす。


「えい」

「ほーれ、鉄棒だぞー」

「流石にーに、私の思った事、すぐやってくれる」

「まぁな」

「私とにーにに、言葉は不要……」

「ほい」

「ん! じゃーん」


そして、俺はシルフを降ろした。

シルフがやって欲しかった事だったらしく

そのまま地上にシルフは降りて、

少し得意気な表情を見せながら両手を広げ

棒読みでかけ声をあげてみせる。


「……何ですか、この可愛い生物」

「愛らしすぎるぅ!」


そんな動作を見たアキとハルは顔を真っ赤にして

シルフを撫で繰り回す。

シルフは少しドヤ顔のまま撫でられていた。


「実際、シルフとマグナの特殊能力は何なんじゃろうなぁ

 現状、あの3人とこやつら2人が特殊能力持ちじゃろ?

 なら当然、シャンデルナの孫であるお主ら2人にも

 特殊能力があると思うのじゃが」

「しゃ、シャンデルナ様の孫!?」

「ん、私のばーばはシャンデルナの賢者。

 今日、私も初めて知ったけど

 にーに以外の家族がまだ居て、嬉しかった」

「ひぃ! ご、ごめんなさーい!」

「な、なんて恐れ多い事をー! すみませーん!」


そんな情報を知った2人が撫でるのを止めて

距離を取り、土下座をしてみせる。


「あ、気にしてない。撫でても構わない」

「まぁ、そんな情報知っちまえば

 そりゃあんな風になるわな。

 国の賢者の孫だぜ? そりゃ、結構なもんだろ」

「元より、お主らはシャンデルナの英雄じゃろうに」

「ま、国の防衛と魔法を広めた存在を比べりゃ

 そりゃ、魔法を広めた存在の方が大きいだろ。

 てかシルフ、ばーばって言う事にしたんだな」

「うん」


まぁ、シルフは婆さんの事もばーばって言ってたしな。

そりゃ、俺の事をにーにって言ってるんだし当然か。

多分、爺さんが居たらじーじ、

お姉ちゃんが居たらねーねだったんだろうな。

父さん母さん相手だとどうだ? 普通にパパ、ママかな。

流石にその2つを伸ばすのはあまり聞いたこと無いしな。


「そこら辺は、今は後で良いわよね。

 とりあえず、あなた達はギルフェリーとラングレーよね?」

「あ、は、はい。私達の視界共有は便利なので

 ギルフェリーかラングレーで何かあった場合

 即座に行動出来るようにって事で選ばれました」

「ほぅ、それで何かあったら」

「はい、ジュリアさんに情報を送ります」

「なる程なぁ、便利な能力だ。

 俺も欲しいなぁ、そんな能力」

「ん、私も欲しい……家事に関する事が良い」


とは言え、俺達の特殊能力ってさっぱり分かってないんだよな。

まぁ、ジュリアも天才と言われてるが、特殊能力無いし

意外とそこで才能ってのがあるのかも知れねぇが。


「うーん、男性には確実にある筈なんですがねぇ」

「使ったこと無いんだよなぁ」

「使うまでも無いという事じゃろうな」

「まぁ、無意識に大規模破壊をやっちまうような

 面倒くさい能力かも知れないし、今は良いか」

「ありえるのぅ、マグナじゃし」

「そ、そんな特殊能力は前例がないんですけどね……

 でも、シャンデルナ様のお孫様なら……あり得るかも知れません」


滅茶苦茶恐いが、多分大丈夫だろう。

今まで何の被害も起ってなかったし。


「うーん、あ、あれじゃない? ほら、ゴブリンを殺したあの」

「あ、ゴブリンが泡吹いて死んだ奴?」

「馬鹿を言え、あれは違うのじゃ。あれはマグナの覇気じゃ」

「覇気で殺したより、マグナの特殊能力って方が

 こう、現実味があるとは思わない!?」

「いや、マグナなら覇気で相手を殺しても不思議ないのぅ」

「ん、にーには最強」

「そもそも、あれがマグナの特殊能力じゃったら

 個体差があったのがおかしいのじゃ。

 もしあれがマグナの特殊能力じゃった場合

 殺すと決めた相手を殺す能力になるじゃろ?

 そうなれば、規模は種族レベル。マグナから離れておる

 小さなゴブリン共だろうと滅ぶと考えるべきじゃ。

 しかし、あの時はマグナが睨んだ相手が死んだだけじゃ」

「それが特殊能力なんじゃ? 睨んだ相手を殺す能力」

「そんな能力なら、儂、何度も死んでおるが?」

「そ、そうね、あんた滅茶苦茶睨まれてたもんね」

「てか、優しい俺がそんな能力持つわけねぇじゃん。

 特殊能力って、本人の思考が大事そうだし」

「そ、そうなのかしら……はぁ、特定出来ないのもいやよね」


多分あるんだろうが、分からないならどうしようもねぇな。

とにかく、今は仕事を熟す方が良いだろう。


「ま、特殊能力を考えるのは後にして、今は運ぼうか。

 お前ら2人の他に、あと1人は?」

「あ、えっと、こっちです」


ハルとアキに案内され、俺達はあと1人が居る場所に来た。

そこには、ジュリアのお姉さんが待っていた。


「あ、お待ちしてました」

「おぅ、リュークスか。じゃ、シュリウスは待機か?」

「はい、シュリウスはシャンデルナで魔法の研究です。

 あの子、あまり話をするのは得意ではないですしね」

「そういや、あまり話してなかったな、あの子」

「えぇ、会話が苦手なんです。なので、私が選ばれました」

「そうか、まぁ個人差はあるわな。

 そんじゃ、あんたはビスティックって事か?」

「はい、お願いしますね」

「あぁ、分かった」


そして、俺達はドラゴンに乗って3人をそれぞれの国に案内した。

これで、一気に魔法が広がってくれたら良いな。

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