最強の男
今回はかなりギャグ要素に振り切った作品です。
あまりストーリーは濃い物ではなく
ただ単に滅茶苦茶フィジカルお化けな主人公が
好き放題にハーレムを築いてく物語です!
是非、お楽しみください!
はぁ、今まで散々な時間を過ごした。
前世で必死に頑張ったが、何故か地獄に落とされた。
色々な地獄を経験して、
最悪無間地獄とやらにも落とされそうになった。
しかし、ギリギリの所で間違いが発覚し
詫びとして俺はその時の記憶も前世の記憶も持ち転生した。
力こそ全てという、最高の環境だ!
地獄でえげつない経験をした時の肉体だからな。
まぁ、転生特典というか、詫び特典って感じかな。
と言っても、この肉体はほぼ全て自力で磨いたんだけど。
何億年戦い続けたかな、地獄で…
「地獄の経験はろくでもなかったが…ここは最高だな」
人と魔獣と言う種族の間で生まれた獣人という種族
だが、俺の父親は母親を庇って死亡し
俺の母親も妹を生むと同時に死んでしまった。
だから、俺の妹には名前が無い。
しかしながら、それだと不便だし俺が名付け親になった。
「……」
「シルフ、サンキュー」
俺は料理とかは壊滅的に下手だからシルフがやってくれる。
シルフが居なかったら生で食べてたんだよな。
シルフが子供だったときは苦労した。
生で食べさせる訳にはいかないしな。
まぁ、婆さんはしばらく生きてたから、育てて貰ってた。
もう死んじまって、今は2人だけで過ごしてるが。
婆さんの家も老朽化が深刻で、婆さんが死んで少しして崩壊したしな。
それから2人になっちまったが
まぁ、前世の記憶もあるし、結構余裕でやってこれた。
この体では異常な程に速く動けたしな。
しかし、料理が絶望的なんだよなぁ、ちょっと情け無いぜ。
それに最悪妹共々死んじまって可能性もあったしな。
まぁ体が丈夫だったようで意外と大丈夫だった…はぁ、家が欲しい。
ま、食い物には困らなくて助かったがな。ふふん、同時に強さも確信出来た。
うし、そろそろ国だとか、そう言う場所に行こうか!
男はレアらしいからな、俺は超絶レアキャラだぜ!
最強の男、マグナの伝説を世界に轟かせてやるぜ!
ふふふ、ふっふっふ! 力こそ全てのハーレム世界!
転生する前に色々と説明されて、そう言う情報は知ってる!
つまり、ここでは強ければ強いほどに美味い汁を啜れる!
今の俺は地獄での経験もあり、半端なパワーじゃねぇぞ!
俺は獣人という分類に入り、その再生能力は化け物だぜ!
特殊な能力があるわけじゃねぇが、強いて言えば特殊能力が効かない。
こいつも一応、教えて貰った知識だ。強力だが分類的には無能力か?
まぁ、それだけでも俺には十分過ぎるぜ!
俺を倒せるのは、ただ単純なパワーのみだからな。
だが! パワーという部分で俺に勝つ事は困難極まりねぇぜ!
「……」
「どうした? シルフ」
シルフが無言のまま何処かを向いた。スゲー無口なんだよなぁ。
銀髪のかなりボサボサとした、髪の毛だ。まぁ、髪型はツインだが。
これが長髪ならミステリアスな感じはするが、ちょっと子供っぽい。
しかし、俺と同じでこいつも獣人だから獣耳が生えてる。
シルフは白い垂れ耳、尻尾も結構白く、もふもふしてる。
しかし、服が…うーん、こいつの服ももうすでにボロボロなんだよな。
俺のもそうだが…シルフの服を用意したい。
「うぁ…た、助けて…」
「ん? カワイ子ちゃん! おぉ、どうしたんだ?
茶髪の美少女ちゃんよ、容姿的に冒険者的な?
華奢なお嬢ちゃんが危ないなぁ」
可愛い女の子が出て来た、髪の毛は茶髪のショートヘアー。
意外と天然パーマが掛ってるな。
髪留めは銀色の弓矢が書かれて、髪留めを使って
前髪をサイドにずらして、前を見えやすくしてる感じかな。
そして、胸は結構無い、とても華奢な雰囲気だ。
格好も行動派なのだろう。色あせたマントを羽織ってるが
そのマントの中はスポーツブラというか、そう言う僅かなブラ。
ズボンもハーフパンツ。冒険に向いてるのかね?
でまぁ、耳が生えてるように見える
尻尾も…おぉ、少しだけ見える気がする。
「お、男…こんな所に…!」
「おっと、唐突に弓矢を構えねぇで欲しいな、お嬢さん」
「お、男は、し、信頼に値しない! そ、それにその子は!
ゆ、誘拐したのね! この屑!」
「恐いなぁ、いやまぁ、攻撃的なのが悪いとは言わないぞ?
この世界で男って奴はレアなんだっけか?
で、結構ゲスが多いとか。まぁ、俺の親父はゲスじゃ無かったが。
あ、それとこの子は俺の妹でな、シルフって言うんだけど
別に誘拐したわけじゃ無いぞ? 家が無いから」
いやぁ、久々にシルフ以外と出会って、更に美少女と言うから喜んだが
まさか唐突に弓矢を向けられるとは思わなかったな。
まぁ妥当と言えるか? この世界は力こそ全て!
上に立つ奴は大体ゲスだと相場が決ってる。
まぁ、俺の理念は強制はしねぇ、だからな。ハーレムは作るが!
「私の父さんもゲスだった…男は信じない!」
「だがよ、女は結構弱いって聞いたぞ?」
「なら、その勘違いをただしてやる! 死ね!」
おぉ、いきなり超至近距離で矢を撃ってくるとは驚いた。
とは言え、俺にそんな矢なんて効果はない。
飛んで来た矢は俺の腕に当ったが、矢が突き刺さることは無かった。
「…う、うそ…さ、刺さったのに…」
「驚いたか? 俺かなり筋肉あるからな、見た目はそこまでごっつくないが
こう、力を込めるとな。かなりモリッと」
「うわ! 気持ちわる! 腕だけめっちゃ太くなった!」
「ま、まぁ、見た目は気持ち悪いからな、否定はしないが」
単純すぎる超絶パワー型だからな、そりゃ気持ち悪くなるか。
面白いあれだが、相手をビビらせるときに便利だ。
ふふん、あまり鍛えてないが、これも全て地獄の経験の賜物だ。
どうも、この肉体は地獄で散々扱かれた肉体らしいからな。
「こ、この化け物め!」
「おぉ、短刀もあるんだな、ちょっと痛いじゃないか」
「嘘…刃が、入らない…」
「ふふん、スゲーだろ?」
「……こ、こんなの…」
「そんな小便でもチビリそうな顔しないでくれよ。
別に取って食おうって訳じゃ無いぞ?
で、お嬢さん。なんかヤバそうだったが何かあったのか?」
「そ、それは」
「お?」
彼女が出て来た方角から、滅茶苦茶デカいのが近付いてる。
へぇ、ありゃデカい。鬼とかって言うのが近いか?
まぁ、俺が知ってる鬼の方がおぞましいが。
「オーガ…」
「んぁ? なんだそれ」
「お、女を食べる化け物…わ、私なんかじゃ…」
「ぐがぁ!」
おぉ! あのデカいのがカワイ子ちゃんに気付いたら叫んだ。
そのまま周囲をなぎ払いながらこっちにやってくる。
「くぅ! こ、こっち来て! いくら何でも勝てない!」
「おぉ、なんだ? 俺の心配してくれるの? 優しいお嬢さんだなぁ」
「い、良いから! し、死なれたら後味が悪いから!
それに妹だっけ? その子も居るんでしょ!?
大事な妹1人残して死ぬつもり!?」
「ははん、まぁまぁ、そう心配しなさんな。俺はめちゃ強だぜ!」
「駄目! あんなのに勝てるわけが! え? な、何よ…」
「……」
「く、首を振ってる…? え? 何この子、喋れないの…?」
オーガの大きな腕が俺に振り下ろされる。
よし来た、良いぜ、やってやろうじゃねぇか!
「そら!」
「ぐが!」
振り下ろされてきた腕の方が俺の拳を受けて鉛筆みてぇに折れた。
筋肉量がえげつないが、所詮は見かけ倒しか。
「嘘…」
「よし、これでお終い!」
「がぅ!」
そのまま一気に腹部をぶん殴り、一撃で意識を飛ばした。
全力を出すまでもねぇ。ふふん、やっぱり強ーな、俺。
地獄の経験がこんな形で生きるとは、実に意外だ。
「よーし、邪魔者を排除したしよ、お嬢さん!」
「……グ」
「いえーい」
シルフが無言のままこちらに親指を立てて笑った。
うん、可愛らしいなぁ、やっぱり俺の妹は。
「うーし、妹とも対話終わったし、次はお嬢さんだな」
「な、何よ! そんな気持ち悪く笑って…い、いや、来ないで!」
「いやまぁ、頬が緩んだのは否定しないが、
別に何かしようって訳じゃねぇから。
俺の名前はマグナだ。名字はバースト」
「え? あ、そ、そうなの…? てか、何もしないの?
殆ど裸なのに…この子も…」
「うっさいな、服が無いんだよ。多少はあったが、使い回しててな
あまりストックが無いんだ、力込めると破れるからな。
と言う訳で、好き好んでこんな格好してるわけじゃ無い。
ボロボロかも知れねぇが、ちゃんとした服だしな」
「……そ、そう、苦労してるのね…苦労してるようには見えないけど」
「まぁな、今までの苦労と比べればへでもねぇ。
まぁ、女の子と交流がほぼ無かったのは辛かったがな!
正確には男とも交流は無かったが。
まぁ、こいつと婆さんくらいかな、まぁ俺の妹は可愛いが
あまり喋ってくれないんだよなぁ」
「……ん」
「お、頭撫でるの力強すぎたか?」
「……」
「あ、違うのか。もうちょっと撫でろって事だな」
「ん」
「了解だぜ、ほれほれ」
「……」
彼女が怪訝な表情で俺の方を見ている。
まぁ、男は珍しいらしいからな、疑うのは分かる。
しかも屑が多いってんなら、仕方ないだろう。
「…わ、私に敵意とか無い訳? お、襲おうとか…」
「いやいや、そんな思いは無いぞ? そんな思いがあるんなら
もうすでに襲ってるぞ? 襲ってないのが何よりの証拠だ」
「ぐぬぬ、た、確かにあなたの能力を考えれば…
わ、私みたいな女の子くらい、簡単に襲われる…
でも、私は襲われてないって考えれば…まぁ、確かに」
「だが、ハーレムは作りたいと思ってる!」
「……」
当然だが、やっぱり変な目で見られるよな。
いやまぁ、仕方ないとは思うが、ゴミを見るような目では見て欲しくない。
「そんなゴミを見るような目で見るなし。
ま、まぁ、それでどうだ? ほれ、ハーレムに参加してくんね?」
「ふざけてるの?」
「結構マジで」
「やっぱり嫌だなんだけど、あなた…」
「ひ、酷いなぁ、まぁ良いけど」
さ、早速振られてしまった…意外と大変だな、告白って。
ぐぬぬ、もう少しギャルゲーをやり込んだりすれば良かったかもしれん。
まぁうん、引きこもりだったしな。今は違うが!
地獄であんな日々を過ごせば、結構変わる。
普通は精神消し飛びそうだが、なんか逆にハイテンションになったし。
むしろ、あんなおぞましい日々から解放されて
テンションが上がらない方がどうかしてる!
「おほん、まぁそう言うのは後にして
えっとだな、実は頼みたいことがあるんだ」
「はぁ? 入らないわよ?」
「いやまぁ、それは今はもう言わないが、国に案内して欲しいんだよな。
そこで、妹の服とか買ってきて欲しい。似合いそうな奴。
助けたお礼はそれで良いから、お願いできるか?
もし良ければ、ついでに俺のも買ってきて欲しいんだよ」
「……まぁ、それ位なら…」
「おっし! じゃあ、名前教えてくれ!」
「……フェイト、フェイト・ランゲージ」
「おし、フェイトだな。よろしく頼むぜ!」
「……」
彼女の名前を聞いた後、シルフが腕を組んで何度か頷いた。
何となく、たまにこう言う堂々と振る舞うのも可愛い。
「で? 怪我は大丈夫か?」
「こ、これ位なら大丈夫。私も獣人だし」
「おぉ、そうなのか。そりゃ安心だな」
怪我をすると結構こう言うとき便利だからな。
やっぱり冒険者だとか、そう言うのは獣人があってるのかねぇ。
「じゃあ、案内してくれる?」
「……襲ったら許さないから」
「襲わないって、襲うつもりならもう襲ってるって。
こんな人目に付かない場所だぞ? まぁ、妹の前ではあるが」
「ま、まぁ…い、一応信用しておくから」
「で、国までは何処まで歩くんだ?」
「1ヶ月位よ」
「結構あるな、まぁ大丈夫だろう。案内頼むぞ」
「わ、分かったわよ」
よーし、国に行って、ハーレム作るぜ!
俺の野望は今、始動したんだ! まずは格好いい服を着ないとな。