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陰キャが異世界で無双してみた  作者: するめ狂い
陰キャ終止符編
97/117

魔の手

翌朝。

影虎は朝食を食べた後、皆に本の修行の事を伝えた。

すると皆こぞって本の修行を決意したので、順番を決めて行う事になった。

じっと皆の修行が終わるのを待っていた影虎と晴人だったが、程なくして皆の修行は終わった。

因みに、ミコモやカミルレなどの霊術使い達は霊術のみを修行したようだ。


「これで全員が滅茶苦茶強くなった訳だな……」

「全員上級魔族クラスかそれ以上だろ……やばいな」

影虎と晴人はまさか全員が修行に参加するとは思っていなかった。

かなり厳しい修行であるので、その辺りも説明しておいたのだが……

リトテまでも修行に入ったのだ。

影虎達の戦闘力はとてつもないものとなっただろう。


「これなら、絶対にどんな事があっても戦争を止められるな」

「ああ」

晴人の言葉に影虎がそう同意した。

だが彼等は知らなかった。

計り知れない魔の手がメコル王国へと向かいつつある事を……

(嘘だろ……未だに信じられないぜ……)

魔王の配下である魔族、テオ=グラフォスは自分が夢を見ているかのような気持ちだった。

何故なら魔族の祖とも言うべき存在が、突然仕事仲間となったのだから。

過去に起こした霊基の暴走によって数多くの魔族が犠牲となり、ツクモには厳重な封印が施された。

その封印は四百年以上保たれていたが―――


(魔王様がそれをあっさり解いたなんてよ……)

いとも簡単に男の手によって封印が解かれてしまった。

因みに、その封印から逃れたツクモの子孫が魔族の霊基のルーツとなったのである。

それだけとてつもない存在なのだ。

だというのにも関わらず、男はテオに助力として遣わした。


(いくら封印を解いたとは言えどうやってこんな奴を従えたんだあのお方は……まあいつもの事か……)

テオは男の才気に呆れるばかりであった。

そんな風にテオがぼんやりとしていると。

「ねえ、この乗り物って何なの? 空飛んでるけど」

ツクモが自分達の乗っている風船に籠を取り付けたもの……気球を指差して言った。

勿論霊術等で大幅に速度が増している。


「これは気球っつー乗り物だ。魔王様が開発した物だぞ」

「へー。まあどうでもいいか」

「この野朗……聞いておいて……」

テオはツクモのやる気のなさに本当にコイツが原初の霊基持ちなのか? と疑問に思った。

そしてテオは溜息をついてからツクモに言った。

「ハア……もうじきメコル王国だ。バレないようにこの辺の陸で降りるぞ」

「はいはい」

そうしてテオとツクモは気球を降り、人族の領域へと足を踏み入れたのであった。

「さてこの森の中を進まないといけない訳だ」

「うわあ……めんどくさ……」

テオの呟きにツクモは心の底から嫌そうな顔をした。

「魔王様の命令なんだ、仕方が無いだろ?」

「はあ……しょうがないわね」

テオはツクモをそう諭して走り出す。

ツクモも溜息をつきつつもテオの後を追う。

そうして高速で走り続ける事三十分。

彼等はメコルの港町へと辿り着いた。


「ここが人族の町なのね……魔族の町とは全然違うわね」

「あんたは封印されてたからだろ……大して変わらねーぞ」

テオは町を好奇の目で見るツクモにそう言った。

「はあ、町はどうでもいいけどよ……問題は勇者達が来るまで何をするかだ」

「とりあえず町を見て回ればいいんじゃない? どうせ暇だし」

「なんて計画性のない……いやその前に勇者達どどう戦うか話し合わねえと」


テオは周囲に聞こえないように小声でツクモに言う。

だがツクモはそんな事など少しも気にせずこう答えた。

「んなもん適当に霊基ぶっ放せば済む事じゃない。とりあえず町で適当に時間を潰すわよ」

「え……ちょっと……待てよおい!」

テオはツクモにそう言うが、ツクモは全く聞き耳持たずにさっさと歩き出してしまった。

彼はコイツ本当に大丈夫なのかよ……と困惑するのであった。

テオとツクモが人族の大陸に降りた頃。

男は部屋で思案に耽っていた。

(あの二人のみで大丈夫か……? いくら私達の陣営の中で最強の二人とは言え……)

ツクモは言うまでもないが、テオは上級魔族の中でもトップクラスの戦闘力を誇る。

おそらく勇者さえ居なければ一日で人族を滅ぼせる程に。


(ツクモも私の意志通りに動くかどうか……恩は売っておいたがな……)

男は少し不安に思えてきた。

もしあの二人がしくじれば戦争を止められてしまう、と。

(いっそこの俺が直接勇者の所に向かうのも手だな……クク……直接この手で挫いてやるのも悪くはないな……)

男はニヤリと笑って配下に命じる。


「気球をもう一つ用意しろ! 私も奴等の元へと向かう!」

「はっ! かしこまりました!」

配下はすぐさま気球の用意へと向かった。

男は更に笑ってこうぽつりと言った。

「悪いが翳の勇者君……戦争を止められる訳にはいかないんだよ……私が世界を

支配出来ないじゃないか……(かん)の勇者であるこの俺がな……」

その呟きを聞いた者は誰も居なかった。







ラスボスの真意が少し明らかに……!

どのような目的で世界征服を望んでいるのでしょうか?

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