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陰キャが異世界で無双してみた  作者: するめ狂い
陰キャ他国編
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ミル王国の代表

影虎達はさながら江戸時代の都市のようなミル王国の街並みを堪能しながら代表の下に向かった。

「それにしてもあの蟹ってどうするんですか?」


影虎はふと蟹の事を思い出してサブロウに蟹の行く末を聞いた。

「船乗り達が協力して陸に揚げた後、板前が捌くのでござるよ」

「なるほど……というかあんな大きいのを捌けるのか……」


影虎は大人数でちまちまと巨大な蟹を捌く小人族の板前の姿を想像して思わず吹き出しそうになった。

サブロウが笑いを堪える影虎を不思議そうな目で見る。

影虎は慌てて真顔に戻った。

そうして歩いている内に影虎達は代表の下に辿り着いた。


「おっ。到着したでござる。これが代表が居る屋敷でござるよ」

「何か悪代官がいそうな屋敷だな……」

影虎はその広い屋敷を見てそんな印象を受けた。

「キチロク殿、翳の勇者殿と巽の勇者殿を連れて参りましたでござる」

「お入りください。許可が出ています」


サブロウが屋敷の戸を叩くと、屋敷の使用人が出てきて影虎達を通す。

「どうぞこちらに。私めが皆様をキチロク様の下まで案内させて頂きます」

影虎達は頷き、使用人の後を続いていく。


「この人はござる口調じゃないんですね……」

影虎が萌葱にひそひそと言うと、萌葱はクスリと笑いながら答える。

「多分サブロウさん特有の口癖何だと思うよ影虎君」

「どういう経緯でそうなったんですかね……」


影虎はござる口調の理由を知りたくなった。

時代劇に憧れたのだろうか。

影虎がそんな風に思考に耽っていると、いつの間にか代表の部屋の前に着いていた。


「ここがキチロク様のお部屋です。どうぞお入りください」

影虎達は使用人に会釈をしながら部屋に入る。

中には和服を着て烏帽子を被った黒髪の小人族が居た。


「ようこそいらっしゃいました、翳の勇者様ご一行に……そ、巽の勇者様」

「また会ったね……」

(これが漫画ならゴゴゴゴゴ……っていう擬音が絶対出てる! 超怖え!)


萌葱が親の仇でも見るような目でキチロクを睨む。

その殺気はさしずめ獲物を狙う虎のようだ。

とてつもない殺気にキチロクはおろか、影虎達も竦んでいる。

だがキチロクはミル王国の代表。

萌葱の刺すような殺気を浴びせられても辛うじて話を始める事に成功する。


「さて……は、話ですが……手短に済ませましょう。我が国の『ハクマ山』にて謎の開かずの洞窟が発見されたのです。そこで、勇者様方ならばその洞窟の扉を開ける事が可能なのではないかと思い依頼させて頂いた次第です。今日私の屋敷に来て頂いたのはこちらの依頼の前金をお渡しする為でございます。お受け取り下さい」


そう言ってキチロクは二つの大きな袋を影虎達に手渡した。

影虎は袋の中身を見て中々の大金だと驚いた。

萌葱は相変わらず殺気を放っていたが。


「そして……洞窟へ向かうのは準備が整い次第で構いません。宿は私どもが取っておきましたのでそちらでお休みください」

「分かりました」


キチロクは更にその洞窟の場所や旅館の場所等を影虎達に話した。

「それでは話は以上となります。気を付けてください。では、御武運を!」


キチロクがそう話を締め括ると、脱兎の如く部屋から出た。

それと同時に萌葱の殺気も治まった。

「い、行きましょうか……」

エルドレットが何かに怯えるように皆に言った。


「そうですねエルさん……」

「早く行きましょう……モエギも行こう? ね?」

「ああうん……何でそんなに怖がってるの?」

影虎達もそれに同意して、一行はキチロクが確保した宿に向かった。


そこは風情のある……高級旅館だった。

「勇者補正って凄いな……くれぐれもうかつな行動はしないようにしよう……」

影虎は旅館を見てそう決心した。

ハクマ山の小さな小屋にて。

一人、もしくは一体と表現するべきなのだろうか。

一体の小柄な下級魔族が、小銭を数えながらニヤニヤと笑っていた。


「ふう……今日の利益はこんなものかな……やったぜ~。ぐへへへへ」

下級魔族は稼ぎを得る事の喜びを感じると同時に自分の賢さを誇りに思った。


「このリトテ様は自らの霊基を完全に有効活用して日銭をいとも簡単に手に入れているのだ……故に戦争なんかに行かなくて済む! それに魔族に何故こんな所に居るのか聞かれた時には小人族の見張りをしていたとでも言えばいい……何でオレはこんなにも天才なのだろう! 不思議でしょうがないな。わはははははは!」

リトテはそう言ってまた笑った。


「オレの霊基……他の魔族はしょぼいと馬鹿にしてきたけど……しょぼくても霊基なんてものは自分の役に立てばいいんだ! ふふふ……あいつらは馬鹿だなあ。霊基は派手さと強さだけじゃないと分かっていないとはね……」


そしてリトテはニヤリと笑ってこう言った。

「人族との戦争なんてごめんだ……戦争をするなんてあいつらは馬鹿にも程がある……普通に仲良くすればいいのに……」





次回は明日に投稿致します。

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