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陰キャが異世界で無双してみた  作者: するめ狂い
陰キャ遭遇編
55/117

暴走ミコモVSフォーヴィスその2

「ぐぐっ……」

フォーヴィスは歯を食い縛り、痛みに耐える。

(あいつの突きは唯の突きではない……魔力を吸収する突きだ……今ので私の魔力の半分も持っていかれてしまった……)


魔喰は霊力(霊力は魔力と呼び方が異なるだけで同じ物)を吸収する霊基だ。

相手の体に触れると、霊力を吸収する事が可能である上、空気中の霊力も吸収できる。


ただし、一度魔術、霊術になった霊力は一度破壊を加えなければ吸収する事は不可能。

ミコモが先程フォーヴィスの矢を食べたのはそういった事情があったからである。

勿論、野生の本能に駆られての行動だが。


ミコモは立ち上がろうとするフォーヴィスに再び突きを繰り出す。

「シャガアアアァッーーー!」

「がっ!」

撃力により床に転がされるフォーヴィス。

またしても魔力がごっそりと吸収される。


(もう矢を作成して飛ばす魔力が残っていない……最後の賭けだ、アプエスタ・ヴィクトル)

[かしこまりました]

フォーヴィスは一縷の望みで霊基に賭ける。

(だがこんな原初の能力に勝てるのか……? いや、やるしか無い!)


そして懐からフォーヴィスはある物を取り出した。

(猫と戯れるのが好きで良かった……猫に感謝だな……)

それは一本の猫じゃらし。

別名エノコログサ。

フォーヴィスはそれを馴れた手付きで動かす。


「ほらほら~おいでおいで~」

「ニャアアァ~~~ッ!」

ミコモは猫じゃらしの虜となった。

(よし、これでアプエスタ・ヴィクトルが発動するまでの時間が稼げる……)

「「「「「………」」」」」


そんな凄まじい戦いの中、一同は動けないでいた。

皆迂闊に攻撃してミコモを刺激してしまうのが怖いからである。

そうして永遠にも感じられるような十分が経った……

「よし、ようやく撃てる! 今回は最後だからな……十個だ! 十個もの玉を賭けた! おお魔王様! どうか私に勝利を!」

十箇所の数字が光る。


「ふははははは! この数字の出目なら勝ったな! とくと味わうがいい!」

フォーヴィスは勝ちを確信し嗤う。

一同は即座に食い止めようとするが……


「まずは24、裁きの雷!」

「「「「「ぐはああああああ!」」」」」  

雷によって阻まれてしまった。


「今の私を止められる者などいない! 次は……4!」

フォーヴィスを虹色の光が包み込み、怪我を完全に癒し魔力を最大まで回復させた。

「4は完全回復だったな……これで君達が私に与えたダメージは無意味となったな! 更に次は……27! 35! 16!」


彼の周囲を三つの障壁が囲んだ。

「27と35と16はそれぞれ霊基効力無効、魔術反射壁、衝撃吸収壁だ……これで私への攻撃の効果は大幅に軽減される……この意味が分かるな? ふはははは!」

そう言ってフォーヴィスは高らかに笑った。


「そして13! 7! 33!これは比類なく力が上昇する神力、バナナ、魔術の効果が倍になる山彦! さらに5! 2! これは外れだ小石と1000メコ!」

そう言い切ったフォーヴィスはバッと両手を大きく広げ。


「これが賭けの配当だ……素晴らしいだろう? ここまで当たってしまうとはな……イカサマでもしている気分になってくる……楽しい限りだよ。原初の霊基持ちの君と諸君、それではさらばだ!!!」


フォーヴィスは矢を鳥の群れのような数の矢を生成し、放った。

「終わりだ。No more bet!!!」


対するミコモは無意識に依代を手にしていた。

依代をフォーヴィスに向けて突き出し、猫語で詠唱する。

「ははははは! 無駄だ無駄! 賭けに負けた時点で賭け金はもう戻って来ないのだよ!」


だが次の瞬間、フォーヴィスは目を疑った。

ミコモに魔族でも考えられない程の霊力が集まっていたからだ。

そしてミコモはその膨大な霊力を凝縮してフォーヴィスに放つ。

極太の光線として発射されたそれは、凄まじい威力で障壁に当たる。


しかし、フォーヴィスの障壁は魔術反射壁。

どれほど威力があろうと別の方向に跳ね返されてしまう。

ミコモは今の光線で霊力を使い果たしてしまい、倒れてしまった。


「無駄だと言ったろう? 愚かな……」

「馬鹿はどっちかな?」

「な!?」

フォーヴィスが慌てて声のした方向を振り向くと、そこには雷を食らって倒れた筈の萌葱が立っていた。


「な、何故立っている……」

「教えて欲しい? お爺さんは避雷針という物はご存知?」

「………まさか!」

「そうだよ。大体察した?」


そう、萌葱は雷が落とされる寸前に、そこら辺に居た兵士の剣を取って空中に投げていた。

剣は当然金属で出来ている。

故に不完全ながらも避雷針と同じ役割を果たした。


「完全に封殺とまではいかなかったけど……動けるくらいには軽減できたよ」

「何という事だ……でも結局状況は変わらないじゃな……」

「これは何でしょう?」

「ぐっ!?」


萌葱の手に握られていたのは、緑色に発光している反霊小町。

「さっき跳ね返されたミコモちゃんの霊術をこれで集めておいたのさ……全部は無理だったけど、とんでもない霊力が回収できたよ……」

「あああああ……」


フォーヴィスは震え、腰を抜かした。

「上級魔族ともあろうお方が情けない様だね~。私は勇者の中で最弱と評判の巽の勇者なんだよ?」

「う、嘘だ……まだ実力を隠しているに決まっている……まだ霊基も使っていないだろう貴様!」

「確かにね。でも私の霊基は戦闘向きじゃないんだよ。さて、冥土の土産はこんなものかな?

じゃあね。フォルトリベリオン!!!!!」

「ぐあっ―――――」


放たれた緑色の光線はフォーヴィスの障壁等を全て貫き、フォーヴィスの存在をこの世から消し飛ばした。

光線が遠くのメコル山に当たり、山崩れが起きる。

「ミコモちゃんって一体……」

萌葱は崩れる山を見て思わずそう呟いた。





No more bet

賭け時間終了、という意味です。

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