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陰キャが異世界で無双してみた  作者: するめ狂い
陰キャ遭遇編
53/117

萌葱&ミコモVSフォーヴィスその1

ミコモはおもむろに巫女服から宝物庫で発見した効果不明の依代を取り出した。

萌葱は怪訝な顔をしながらミコモに聞いた。


「ミコモちゃん……そのよく分からない依代使えるの?」

「大丈夫よ。見てて」

ミコモは自信ありげに言う。

萌葱は不思議に思ったが素直に見守る事にした。


「さっきアルメリアさんが氷の魔術を使ってたわね。あれを見て思い付いちゃった。そういう訳で発想を借りるわよアルメリアさん」

「え?」

ミコモがアルメリアにそう言って不明の依代を掲げ詠唱を紡いだ。

アルメリアはミコモの言葉にポカンとしていたが。


「ーーー氷結連弾」

ミコモが持つ依代から、数えるのも億劫な程の数の氷の玉が現れ、巣を天敵から守る蜂のようにフォーヴィスの体を刺し貫いていく。


「ぐああああああ!」

フォーヴィスの体に血が迸った。

「凄い……ここまで強いなんて……でもどうやってその依代で氷の霊術を撃てたの?」

萌葱が霊術の威力に驚きながらもミコモに聞いた。


「どんな依代でも霊力を注ぎ込めばかなり強引に他の霊術の代用になるのよ。その代わりそれをやった依代は壊れるけどね」

「成る程……それで氷の霊術の依代に代用したって訳か……」

因みにミコモが氷の霊術を放つ事が出来たのは、氷の霊術が水の霊術の派生であったためである。


ミコモはアルメリアの魔法の魔力の集まり方を見て、霊術師の間で長年別の適正と考えられていた二つの適正が実は同系統のものだという事に気付いたのだ。

かなりの大発見なのだが、ミコモは残念な事にそれが重大な事実だというのを分かっていない。


「くっ……小癪な! アプエスタ・ヴィクトル!」

[かしこまりました]

氷の礫に弾丸を超える速さで苛まれるフォーヴィスは、自らの霊基に賭け、そして反撃に矢を投げていく。


だが、氷の礫の方が圧倒的に数が多い上に、力も矢を上回っている為、ミコモが次第にフォーヴィスを押しつつあった。

「いいぞ……このまま行けば勝てる……私も加勢しよ」


萌葱は虫網を持ってフォーヴィスの背後に回った。

そしてミコモの氷弾やフォーヴィスの矢の流れ弾を虫網で回収する。

氷弾や矢は集めた側から虫網の中で消えていく。


「ふふふ……これで溜まる……」

萌葱はそれらをひとしきり集めると、虫網の網の無い先端部分をフォーヴィスに向け……

「発射! フォルトレベリオン!!!」

「ぐわおっ!!!」

緑色の光線を放った。


光線はフォーヴィスを玉座の間にまで吹き飛ばした。

「先代勇者の武器、反霊小町……一見ださいけど強いよ……」


巽の勇者の武器、反霊小町。

これは捕った霊術や魔術の力を溜め、そしてその力を光線として発射する事が出来る武器だ。萌葱は普段、見た目が微妙なこの武器を持ち歩かずに霊術でいつでも呼び寄せられるようにしている。

晴人の剣アンサラーと違い色々と面倒な武器なのである。


ミコモは咄嗟に霊術を止め、不満そうに萌葱に言った。

「あんたね……ああいうのはちゃんと言ってからやって。危うくあなたに当たる所だったじゃない……」

「いや言ったら攻撃するのがバレバレじゃん……」

「むう……」


萌葱はミコモにそう反論するが、ミコモは聞き入れず顔をむくれさせる。

「分かったよ~。それじゃあもう一回さっきのやつやろうよ」

「いや無理。もうさっきので依代壊れた」

「そんな! それじゃあ私完全に藪蛇つついたって事……?」

「だ、大丈夫よ、あの依代壊れかかってたし……」

「うわあ! フォローが痛い!」


ミコモの言葉にむしろ傷ついてしまう萌葱。

これはやってしまったと思ったミコモは慌てて話をすり替える。

「それよりほら、あいつがまた起き上がるわ! 早くあいつを倒さなきゃ!」

「おっと! じゃあ戦わないと! ミコモちゃんは攻撃よろしく。私が補助をするからね!」


萌葱は我に返ってフォーヴィスを叩きに行く。

ミコモはそんな萌葱に不安を感じつつ霊術を詠唱する。

「ふふ……残念だったね……君の今の攻撃でも私を倒す事は出来なかったようだ」

「だから何? それで私が爺さんを倒せない事にはならないよ」

「そうかいい返事だ……では行くぞ! こちらもたった今3のマス目に入った所だよ!」


フォーヴィスは数字の効果を発揮させた。

すると萌葱の纏っていた風の強化や、詠唱中のミコモの霊術がかき消された。

「3は霊術、魔術消去……掛けていた魔術や詠唱中の魔術がこの瞬間のみ破棄される!」

「くっ……何て厄介な爺さんなんだ……」


萌葱はもう一度風の霊術を掛けなおす羽目になった。

だがフォーヴィスはそんな隙を与えてくれそうにもない。

「これでも食らえ! ミニフォルトリべリオン!」

「ぐあっ! まだ魔力が残っていたのか!」

「これはどうやらあんたの霊基の影響を受けないみたいだよ」


萌葱は少し残っていた霊力で小さく光線を放つ。

フォーヴィスがそれを受けてよろめいた隙に、萌葱は後退して霊術を掛け直し、もう一度フォーヴィスに殴りかかる。

「せいっ!」

「同じ技は効かんよ!」


フォーヴィスが萌葱の突きを肘でガードするが。

「残念! 本命はこっちだ!」

「何!?」

萌葱は突きは適当にして強烈な蹴りをフォーヴィスに食らわせる。

蹴りは的確にフォーヴィスの顔を狙い撃ちにした。


「がっ! 結構効くな……私も老いたか……いや、若い者に負けていられるか!」

「うわっ!」

フォーヴィスは蹴りを食らいながらも矢を投げる。

そして自らの霊基を行使しようとするが……


「ーーー飛水斬!」

ミコモの霊術がそれを許さない。

萌葱も矢を全て反霊小町で捕らえる。

「くっ……この二人が組むと厄介だな……崩させてもらおう」

「やれるものならやってみなさいよ」


ミコモが挑発すると、フォーヴィスはニヤリと笑い。

「これを見てそれを言えるかな?」

「そ、それはっ!」

フォーヴィスの手には、一つの果実が握られていた。

そう、あのレムネの実だ。


「そ~ら食べておいで~」

フォーヴィスは実を玉座の間の端に投げた。

ミコモはそれを全速力で追いかける。

「クソッ! 卑怯者め!」

「手段なぞ選んでどうするのかな?」

フォーヴィスが余裕を持って萌葱にそう言い放つ。


しかし。

フォーヴィスは知らなかった。

この行動が最悪の一手である事に……

「カカカ……ギニャァァーーッ!!!」

ミコモは全身の毛を逆立て吠える。

敵味方関係なく平等に惨劇の幕開けとなった。





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