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陰キャが異世界で無双してみた  作者: するめ狂い
陰キャ遭遇編
44/117

陰謀

影虎達が枕投げで撃沈していた頃。

城の個室で密会する二人の人物が居た。

「奴等の様子はどうだ?」

「それが……遂に翳の勇者を見つけてしまったようです」

「そうか……」


その密会を行っている人物こと、フォーヴィスは銀髪の頭を抱えた。

それをもう一人のテへラが憂いのある目で見た。

「如何致しましょうか、フォーヴィス様」

「これ以上敵は増やしたくない……消すに決まっている。しかし問題はどうやって私達で翳の勇者を殺すかだ……」


フォーヴィスは顎髭を触りながら思考を練る。

「何か…何か…策はあるか、テヘラ」

「そうですね……陽の勇者を利用する、というのはどうでしょうか」

「ほう」


テヘラが妖艶な美しさを持つ顔を歪めながらさらに続ける。

「私が色香で陽の勇者を唆すのです。そして翳の勇者を殺すように仕向けるのです」

「成る程……」


テヘラが言い終わるとフォーヴィスは髭をクイッと整え。

「陽の勇者を利用するというのは悪くない。だが君は陽の勇者の人格を理解すべきだ」

「と、言いますと?」

「陽の勇者は色仕掛けでは動かせない、という事だよ」

「そうでしたか……」


テヘラが落ち込んでその黒い翼を萎れさせると、フォーヴィスは優しくこう言った。

「そう落ち込むんじゃないテヘラ。美しい顔が台無しだよ。私は先程、陽の勇者の人格を理解するべきであると言ったね?」

「はっ……」


「そうさ、色仕掛けではなく、彼が大切にしている事を利用するんだ」

「それなら……陽の勇者の仲間を人質に取る、というのは?」

「いや違う、その策では私達が何者か丸分かりだ」

「では何を利用するのですか?」


テヘラが首を傾げながら聞くと、フォーヴィスは少し間を置いてこう言った。

「彼の……正義感さ」

「正義感……ですか」

「そう。彼は正義感が強い。そこを利用しなさい。例えば翳の勇者が王国転覆を狙っていた、と唆すとかね」


「成る程……では私が陽の勇者を騙して参ります」

「頼んだよ……だが実行するなら明日だ。陽の勇者をしっかりと観察してから動くんだ」

「分かりましたわ」

「では、早速調べておいで。健闘を祈るよ」


フォーヴィスが指示を出すとテヘラは即座に晴人の所へ向かった。

それを見送ったフォーヴィスは。


「ふふ……上手く行けば同士討ちとなってくれるかもしれないね……そうなればこのフォーヴィス=ルレッドが魔族の歴史に偉人として残るかもしれないな……」

そしてフォーヴィスは密かに笑った。

次の日の朝。

「ん……ここは……」

そこは枕投げという名の闘いを行った晴人の部屋だった。

どうやらあの後気絶して寝てしまったようだ。

「うう……ふあ~」


続いて晴人が起きた。

「あ、影虎おはよ」

「おはよ」

影虎が適当に挨拶すると、晴人は辺りを見渡し。

「あのあと皆寝ちゃったのか……」

「らしいな……」


影虎はあの光景を一生忘れる事が無いだろう。

萌葱のあの狂った瞳。

「寒気がするぜ……蛇に睨まれた蛙ってこんな気持ちなんだな」

影虎はそう蛙に同情した。


「まあ影虎、あれは事故って事で。またやろうぜ枕投げ!」

「俺は絶対に参加しないからな!」

「影虎、そう言うのをフラグって言うんだぜ」


「そういう事言うの本当にやめてくれよ……ここは現実であってゲームとか小説じゃないんだぜ……」

影虎はうんざりしつつも晴人にそう言う。

そうして話している内に全員起床し、使用人に朝食に呼ばれた。

そこで今日のそれぞれの仕事の確認をし、解散した。


晴人達は魔族の調査で、影虎達と萌葱は宝物庫で装備品を揃えるのが今日の仕事だ。

影虎はどんな物があるのだろうと仲間と共に心を弾ませながら宝物庫へと向かった。

程無くして宝物庫にたどり着く。


「ここが宝物庫か……いかにも色々ありそうな感じだ……」

「私の時も大分あったよ。それで装備はかなり整ったよ」

影虎は萌葱の服に目を向ける。

黄緑色の動きやすそうな服だ。

胸の前に赤い宝石が付いている。


「その服も宝物庫にあったものですか?」

「そうだよ。物理攻撃も魔法や霊術の攻撃もある程度防いでくれる優れものなんだ」

「これは楽しみだ……」


ワクワクしながら宝物庫の中に入ると、中には沢山の金品が山積みになっていた。

「カゲトラ……これは探すの大変そうじゃない?」


「いいや探す! それはそれで宝探しみたいで楽しいそうだし」

それから手分けして金品(只の金貨やアクセサリー)をどけて戦闘に使えそうな物を探していく。

するとミコモとエルドレットが。


「カゲトラ、毒の霊術の依代があったわ!」

「こっちにもあったわ!」

「おお~やっぱりあるものなんだな。効果は?」

「「いやそれはちょっと分からないわ」」

「二人共専門外かよ……しょうがない……今日試してみるか……」


影虎がそう呟いた直後、金品の山を掘る影虎の手に何かの布のような感触が伝わる。

「ん?これは……」

影虎はその物体を些か強引に取り出してみた。

その物体は……漆黒の黒装束だった。





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